スパイ大作戦
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五平はくるりとあたしの前に回ると、後ろ向きに歩いた。
「お前、案外おぼこいねんなぁ」
「──はあ?」
五平はあたしの耳に顔を寄せると声を落として言った。
「逢引きに決まってるやんけ」
「──はぁっ?」
五平は面白がるような表情であたしを見ている。
(こいつさては、覗き見てるな……!)
「──って、誰と?」
頭の中が小パニック中。
昔の女性は貞淑やったんと違うのか?
結婚するまで操を守ったんと違うのか?
結婚した後は、死ぬまで夫に添い遂げたんとちがうんかーーー?
ひょっとして、その【浪士組の兄ちゃんら】の一人が総司くん、という意味で言っているのか?
色々な疑問が頭の中で渦巻いている。
「ここ、近所の子守のねぇちゃんらがよう来るんや。
浪士組のにいちゃんらも、調練とかいうて、しょっちゅう来よるやろ。
女買うには金がかかるけど、女中相手やったらやり放題……っちゅうこっちゃろ」
あたしは絶句した。
「女のほうにしたって、あわよくば侍にもろうてもらえるかもしれへんにゃしな。
結構、計算高いでねぇちゃんら」
その【子守のねぇちゃんら】の中にお菊ちゃんが含まれているのか?
「なんか、知ってるん?……あの、二人のこと」
あたしは、ごくり、と唾を飲み込んだ。
五平は、相変わらずにやにやとしている。
「知りたい?」
「う、……うん」
五平はあたしの手を取って、走り出した。
「先に、走り、教えて。ほんなら、教えたるわ」
スパイ大作戦<1>/終