新たなるお役目
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あたしが、お茶を飲み干すのを見届けてから土方さんは言った。
「しかし、相手が子守奉公の女子では総司の妻にという訳にもいかんな」
「──なんでです?」
「なんでって、お前ぇ。
総司は、あれで奥州白河のご家中の跡取り息子だからな。
ただの遊びならともかく、嫁取りとなれば武家の娘なり、相応の家の出じゃなきゃ、俺はお光さんに合わせる顔がねぇや」
「おミツさんて?」
それは、総司くんのお姉さんで、小さい頃に親を亡くした総司くんの親代わりの人だということだった。
「上京するとき、お光さんから総司のことを宜しく頼むと頭を下げられちまってな。
その手前、総司に何かあったらお光さんに合わせる顔がねぇ」
「そんな大層な」
あたしは小さく笑いながらも、【江戸時代】をほんの少し感じた。
土方さんのように、武士出身じゃない人たちが刀を差せる世の中らしいが、やはり身分制度は厳然と存在しているのだ。
「丁度いい、お前ぇを総司の見張りにつけてやろう」
「ええー、なんですかそれ。
そんなん、総司くんが嫌がりますよぅ」
「お前ぇ、【なんか仕事が欲しい】って言ってたじゃねぇか」
「それはもう、もろてますからいいです」
「しかし、俺の横で手紙を書くばかりじゃあ退屈だろう?」
「まあ、それはそうですけど」
土方さんは、ムスッとしてあたしを一瞥した。
あたしは心のなかでほくそ笑む。
表情豊かではない土方さんを、ムスッとさせたり、笑みを漏らさせたりするのは正直オモシロイ。
「いいか、これはまぁ、監察の仕事みてぇなもんだ。
監察っていやぁ、お前ぇも知ってる山崎や島田と同じ仕事だぞ」