新たなるお役目
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「のぞみ、悪いが総司を呼んできてくれないか」
どこからか戻ってきた土方さんは、やけに猫なで声で言ってきた。
「総司くん?──って、どこにいはるんですか?
さっきから姿が見えませんけど」
「おおかた壬生寺で餓鬼どもと遊んでやがるんだろうよ」
「──ああ、」
そう言えば、左之さんがそんなことを言っていたっけ。
「あいつは、ああ見えて子供好きなんだ。
稽古もしねぇで、よく壬生寺で鬼ごっこだの隠れん坊だのしてやがる」
暑いなか、出かけていくのは面倒くさいけど、ここに座って遊女からの手紙を写すのも飽きてきた。
「ほな、行ってきます」
あいたたた、と言いながらしびれた足をさすって立ち上がった。
「おう、頼んだぞ」
すれ違いざまに土方さんが、ぽん、と肩に手をのせてきた。
いつになく近い距離に、思わず身を引く。
随分と白粉のニオイが薄まっていることに気付いた。
すると、
「悪かったな、」
気持ちの悪いことに、謝ってきた。
ちょっと驚いて見上げると、薄ら笑いを浮かべている。
(なんなん……?)
嵐の前の静けさ、だろうか。
こうなったら先手必勝。釘を刺しておこう。
「今度から気ぃ付けて下さいね。
そのニオイ、ほんま気持ち悪いんで」
わざと、ツンとして言った。
すると、土方さんは薄ら笑いを苦笑に変える。
思わずあたしは顔をしかめた。
(きもっ……)
「まあ、お前ぇが俺に怒りたくなる気持ちも分からんではないが、」
「はぁ……そうなんですか?」
別に怒っているわけではない。
白粉の臭いが気持ち悪いから、そう言っただけだ。
「だからと言って、近藤さんに八つ当たりするのはよせ」
「八つ当たり?そんなんしてませんけど」
「照れるな、お前の気持ちはよく分かったから」
つい、と頬をなでてきたりして、ますますキモチワルイ。
「じゃ、あたし、総司くん呼んで来ますんで」
あたしはすたこらと逃げ出した。