今夜は無礼講!
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
酔って足元がおぼつかないせいもあり、芹沢に手首を引かれた拍子に、あたしは芹沢の胸に倒れ込む恰好になった。
「──、すいません」
「良い、良い、今宵は無礼講である。楽しもうではないか」
芹沢に頬を撫でられて、肩を竦めたとき、背後で怒鳴り声が聞こえた。
振り返ると、若い隊士たちが、何やら激論を飛ばしている。
「──む、俺の話を聞いていなかったのかぁ?」
少し呂律の回らない口調で芹沢が言った。
「──だいたい、何故、今宵に限って仲居が一人もおらん」
(──へ?)
そう思って見回してみると、そういえばいるのは遊女ばかり。
こういう席を知らないあたしはそういうものだと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
こちらで大声を出すから、あちでもこちらでもどんどんと声が大きくなって、しまいには耳をふさぎたくなるほどの大騒ぎになった。
芹沢はそれを制しようとして更に大きな声で怒鳴るが、それで隊士たち騒ぎが収まる気配はない。
しまいに、芹沢は「ええい!」とあたしを突き飛ばした。
「ちょ、──」
突き飛ばされたあたしは、丁度隣の総司くんの腕の中に落ちた。
「──、ナイスキャッチ!」
あたしは言って、総司くんの腕をつかんだ。
好機と見たのか、総司くんはあたしを立たせると、腕を引いて芹沢から離れていく。
背後に、茶碗の砕ける音が響いた。