今夜は無礼講!
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引っ張られていくあたしの後を、近藤さんがついてきた。
「助けてくださいって~~~!」
あたしは小声で懇願する。
「そうは言ってもな、」
近藤さんは苦笑いだ。
「のぞみ君も、本当はついて行きたかったのだろう?
だったら、渡りに舟ではないか」
「そ、そら、平助くんらとやったら一緒に行きたい思いますけど!」
「向こうに着けば、ほら、トシもいるから」
どうやらとんでもない誤解をしたままの近藤さんがにやりと笑う。
「昔取った杵柄で、トシに甘えてこい!」
「なんで、あたしが土方さんに甘えなあかんのですか気持ち悪い!」
「照れるな、照れるな」
近藤さんは、下卑た笑いを浮かべた。
「──ほら、総司がいるぞ。
あいつも一緒に連れていけば、如何に芹沢とて無理にのぞみ君を出合い茶屋に連れ込むことはできまい」
「なんなんです、【出会い系】茶屋ってぇ」
「いい年して、すっとぼけるのはよしなさい。
のぞみ君が今一番トシと一緒に行きたいところだろう?」
(──は?)
(あたし、土方さんと一緒に行きたいとこなんかないけど!)
玄関まで引っ張って来られ、ついに観念してあたしはゲタをつっかけた。
「あれぇ、のぞみ君、こんなとこで何やってるのさ」
「総司くん!」
捨てる神あれば拾う神あり!!
「おお、沖田か。丁度いい、共に参られい」
「何やってるんだよ、今日は留守番だって言われてるんだろ?」
総司くんが囁いてくる。
「そう言うたんやけどさ、かえって【かわいそうに】って言われてこうなってしもてんねん!」
「近藤さんは何してるんだよ、中にいるんだろ?」
「行ってこい言うて【しっし】ってされたわ!」
総司くんは声を殺して笑った。
「まあ、いいや。
どうせ、最初はなにかの会合みたいだし、それが終わったら宴会になる前に連れ出してあげるよ」
「何か言ったか、沖田」
芹沢が振り返る。
「いえ、何も。じゃ、僕もお供いたします」
今夜は無礼講!<2>/終