屯所
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「コスプレ?」
「はい……」
見上げると、引き締まった頬がカッコイイおにいさんだった。
「せやけど、そう言う自分も結構あやしいで?」
「──へ?あたしが?
あたしのどこがあやしいんです?」
「女子やのに、男の恰好して」
「そやから、コスプレの人らに──」
──オナゴ?
(【おなご】て言うた、この人?)
(あかんやん!)
(これ、『むじな』のパターンやん!)
(出会う人出会う人、「こんな顔してたか?」て、のっぺらぼうになるパターンやんっ!!)
一つ深呼吸をして、あたしは地面を蹴った。
「おっと、」
だが、彼はがっちりとあたしの二の腕を掴んでいた。
「まあ、そない急ぎなや。
事情話してくれたら、力にならんこともないで?」
「いえ、たぶん、無理と思いますので」
(こいつ、絶対やつらの一味やん……!)
「そんなん、言うてみな分からへんで?
どないしたんか言うてみ」
おにいさんは、可笑しそうに言う。
「ほんま、あの、この着物やったら返しますし。
おにいさんらのことも警察に言ったりしないんで、家に帰らせてください。お願いします」
「家? 家て、どこなん?」
ここは正直に言わないほうがいいだろう。
「すぐそこです、もうそこに見えてますので」
彼は背後を振り返って。
「ほんなら送ったげよ。
女子の一人歩きは危ないさかい」
(いやいや、あんたと一緒の方が危ないやろ、絶対!)
けど、そこは逆上させてはいけない。
必死で言い訳を探しているうちにも、
「ほな行こか、道案内してや」
おにいさんは、あたしの腕を掴んだまま烏丸の方に歩き出す。
その時、また足音が聞こえてきて、
「山崎、そいつをつかまえとけ!」
【土方歳三】のドスのきいた声が響いた。
屯所/終