今夜は無礼講!
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はい、お邪魔しています」
近藤さんはそれには応えず、自分の【書】に対して悦に入っている様子だ。
「どうかね、のぞみ君。私の書は」
そんなこと、訊かれても──。
男っぽい筆跡で、あたしには読めない漢字がいくつも書かれている。
「はあ、──ええと思います」
困ってそう答えると、近藤さんは笑顔で振り返った。
「頼山陽を知っているかね、のぞみ君」
「ライ・サンヨウ?──なんです、それ」
「【日本外史】を書いた先生だよ」
「日本ガイシ……って?」
「まあ、簡単に言えば、武家の時代史かな」
「……はあ、」
「好きが高じて、頼山陽先生の書を真似てはみるのだが──」
近藤さんは、お手本にしているらしい【頼山陽】さんとやらの書を見せてくれた。
正直、あたしの【土方さんの筆跡真似】の方がはるかに精度が高いと思いながら、
「あ、上手や思います!
うまぁいこと、癖を掴んだはりますよね」
にっこりとして見せた。
「そうかね!」
近藤さんは嬉しそうに頬を緩めた。
ゴリラみたいなイカツイ顔が、えくぼのできる愛嬌ある顔になってちょっと可愛げがある。
褒められて気を良くしたのか、近藤さんはこちらを向いて座りなおすと話し出した。
「私は、小さいころから【三国志】や【水滸伝】などの武勇伝が好きでね」
「──あ、【三国志】は、わたし好きです!」
「ほう、女子でも【三国志】を好むかね」
近藤さんは感心したように言った。