今夜は無礼講!
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「ほな、近藤さんと交代したら?」
「──え、?」
「なんかさぁ、【近藤さんが留守番するから一緒にいとけ】て土方さんに言われたんやけど、近藤さんと何しゃべったらええんか分からへんし」
あたしは続ける。
「平ちゃんが留守番やったら、二人でワイワイできるやん!」
平助くんは、困った顔で左之さんを見た。
左之さんは、あたしの肩を抱いて耳元で囁く。
道場の奥の方を指差した。
「ほうら、真打のお出ましだ」
指された指の先を見ると、赤い胴を着けた人が。
(ああいうの、お母さん好きやったよな……)
(【赤胴すずのすけ】?)
(やったっけ?)
「誰ですか?」
「土方さんじゃねぇか」
「──ああ、なるほど」
あたしは間抜けな声を出した。
(土方さんて、事務方のイメージ強いけど……)
次々と稽古をつけていくところを見ると、結構強い方──なのか?
「土方さんって、事務方なんかと思てました」
土方さんに視線を向けたまま言うと、左之さんは「そりゃないぜ」と笑った。
「でもよ、あの人は竹刀の立ち合いより実戦の方が断然強ぇんだ」
「実戦?……て、徳川家康以降、戦なんかないでしょ?」
赤穂浪士の時代だって、人を斬ったことのある侍なんてほとんどいないと聞いたことがある。
平助くんによると、その赤穂浪士の時代はここよりも百年ほども昔のことなんだから、更に武士の弱体化は進んでいるはずだ。
「流石に戦はねぇけどよ。
このご時世だからな、巡察中に斬り合いになることだってあるんだし」