団子屋の男
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ムカついたついでに、憎たらしいことでも言ってやれ。
「まあ、そやけど、あたしなんか人質になったって、土方さんは何にも困らへんやないですか。
昨日今日拾った、身元の分からへん子ぉ一人くらい、別に放っといたらええだけですやん」
「お前ぇ、本気で言ってんのか……」
相手が頂点に達すると、妙に冷静になる癖があたしにはある。
あたしは、目を細めて土方さんを見上げた。
土方さんも同じような冷めた目で見下ろしている。
「ああ、俺ァ構わねぇさ。
お前が誰にさらわれて、どんな目に遭わされようが知ったこっちゃねぇ」
相手を怒らせようと言った言葉に、予想通りの返答が返ってきた。
が、その一言は、意外にも鋭い刃になってあたしの胸に刺さった。
(……ふん、)
つい──と、あたしは目をそらした。
「だがな、俺が行くなと言っても、平助や斎藤は黙っちゃいねぇだろう。
お前ぇの不注意で、あいつらが命を張ることになる。
お前ぇはそれでもいいっていうのか」
そうか、──土方さんが【行くな】と言っても、平助くんなら優しいから無理を押してでも助けに来てくれるかもしれない。
(それは、アカンな……)
「すいません、……気を付けます」
「──ったく、」
「そやけど、」
「なんだ」
一言言っておかないと、あたしも気が済まない。