団子屋の男
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団子を平らげてお茶を飲み干したとき、ふと目の前が陰った。
見上げると──
「ひ、──」
「こんなとこで、何油を売ってやがる」
「売ってないです、どっちか言うたら、買(こ)うてもうてたんです団子を」
「訳の分からねぇことをごちゃごちゃ抜かしてるんじゃねぇ」
言葉の端々から、怒りのオーラが噴き出している。
「いや、ですから、このオジサンに団子をおごってもらってたんですって」
才谷さんは「おじ……」と言ってズッコケてから、「どうも、」と土方さんに笑顔を向けた。
「すまなかった、連れが世話になったようで」
土方さんはぶっきらぼうに言って、団子代と思われる硬貨を縁台に置いた。
「いやいや、お気遣いは無用であります」
方言を隠すためか、才谷さんはかしこまった言い方をする。
「そういう訳にはいかん、取っておいてくれ」
土方さんはあたしの腕を掴んで立たせると、ぐいと引っ張った。
「すいません、ごちそうさまでした」
「また団子が食いとうなったらここに来るとええ。
【才谷につけちょけ】言うたらええき」
龍馬似のその人は、人の良い笑顔を浮かべた。