団子屋の男
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(やば、浪人には気ぃつけんとあかんのやった)
平助くんたちの言う【長州】の人なら妙な因縁つけられて殺されかねないし、その長州を取り締まっている【浪士組】のサブメンバーだとバレると更に色々とまずいことになりそうだ──ということくらい、あたしにだって容易に想像できる。
それに、土方さんがどこかへ行ってしまった今、あたしは【サバンナに一匹取り残されたトムソンガゼルの仔】程度に無力だ。
(まあ、いざとなったら、ここではどうやら俊足であるらしい足で逃げるとするか……)
足早に歩いているとむんずと襟首を掴まれた。
「待ちて!」
ぎょっとして振り返ると、さっきの団子の人だった。
「──わ、す、すいません!
いえ、なんていうか、美味しそうに食べてらっしゃったんで、ちょっと見入ってしまったっていうか。
一個欲しいな~とか思ってたら、ついつい凝視してしもて、すいませんでしたぁ!!」
じたばたするあたしの襟首を掴んだまま、団子の人は素っ頓狂な声をあげた。
「女子かぁ?!」
掴んでいた襟首から手を離し、今度は手首を掴んでくる。
「まあ、そう怖がるな。
団子が欲しいなら、食わしちゃるき」
「い、いえ、結構です。
お菓子あげるからって、知らん人についてったらアカンって小さい頃から言われてますし」
「誰もおまんを取って食うたりせんぜよ。
おまんも団子が食いたいんやろ?」
そのどこかで聞いたことある方言に、思わずあたしは団子男の顔を見上げた。
「──あれ、どっかで会ったことあります?」
どこかで見た顔、のような気がする。
「いや、……ないが?」
「じゃ、やっぱり帰ります。
知らない人についていったら、ロクなことないですし!」
「いや、あるある!!おまんのことはよぉう知っちゅう」
ぐいぐい腕を引っ張られて、先ほどの甘味屋の前まで連れてこられた。