団子屋の男
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<3>
京の町は【あっち(現代)】とほぼ同じだ。
だから、ここに置きざりにされたとしても迷子になる不安はない。
三条通まで戻ってぶらぶら歩いた。
(うーん、やっぱり【池田屋】って聞いたことあるよなぁ)
(でも、【寺田屋】ってのも聞いたことあるんやんかなぁ……)
「ま、考えてもしゃーないか」
一文無しなので買い物はできないが、建ち並ぶお店を眺めたり、雑貨屋を覗いてみたり。
(なんか、結構楽しいかも)
そんなことをしているうちに、小腹が空いてきた。
(なんか、甘いもん食べたい……)
(ちょっと足も痛くなってきたし)
おりしも、前方に見えるは甘味屋ではないか!
(あー、あんみつとかないのかな~)
(できたら、クリームあんみつ!)
吸い寄せられるように歩いていくと、店の前に出された縁台に腰掛けた男性がちょうど団子を口に入れるところで、思わず凝視してしまった。
するとどうしたことか、その男性は「あ?」という感じで口に入れる寸前で手を止めた。
そのマンガみたいな光景に、思わずあたしは噴き出しそうになるのをこらえる。
「何が可笑しい」
変なイントネーションで言って、皿に団子を置いた男性は顔をしかめた。
あたしは目をそらせて真顔に戻し、足早にその前を通り過ぎた。