団子屋の男
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あたしは肩を竦める。
その肩を土方さんが掴んだ。
「【江戸時代が終わる】ってぇのは、どういう意味だ」
「──え、えーと、」
「大体、【江戸時代】ってぇのはいつの時代のことだ」
「えーと、……今?」
土方さんの顔が引き攣り始める。
「今は文久だろうが、馬鹿者」
「……そうなんですけど、それって年号ですよね」
「そうだ、だからお前ぇの言う【江戸時代】ってぇのが何なのかって聞いてるんだ」
「えーと、徳川の時代?」
「それが、終わるてぇのか」
「ま、まあ、いつかはって話です。
ほ、ほら、【諸行無常】っていう言葉もあるように……」
「お前ぇがいた時代には、将軍はいねぇって言ってんのか」
「えっと、まあ、……そう、かな?」
土方さんの顔が見る間にこわばった。
「帰ぇるぞ」
言って踵を返すと、足早に歩き始めた。
(しもた、地雷踏んでしもたかな……)
仕方なく、土方さんの背中をあたしも追い始めた。
怒っているのか、ショックが強すぎたのか、あたしの存在を全く忘れた様子でどんどん先へ行ってしまう。
走ればもちろん追いつくが、なんかそれもアホらしくなってきた。
(なんやさ、大人げないな)
あたしは、歩く速度を緩めた。
団子屋の男<2>/終