団子屋の男
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なるほど、」
「だが、……そうだな。
お前ぇの持ってる、あの面妖な板が何なのか、くれぇは興味がねぇこともねぇ」
あたしは、横目で土方さんを見上げた。
「なんなんです、その回りくどい言い方は。
もっと、素直に【教えて欲しい】言わはったらええやないですか」
あたしはくすくす笑った。
「あれは、単純に言うたら【電話】です」
「でんわ?」
「はい、遠くにいる人と、今こうやってあたしと土方さんがしゃべってるみたいに、おしゃべりする道具です」
「それじゃあ、遠いと言ってもたかがしれてるだろう。
いくら声の大きい野郎でも、声の届く距離には限りがある」
あたしは、土方さんにバレないように笑みを浮かべる。
「そうですねぇ、お互いに電話を持ってたら、今どっかに出かけてる平助くんとかとも話せますし、……例えば、土方さんの家族とか」
「──は?何を馬鹿なことを言ってやがる。
お前ぇ、俺の家族がどこに住んでるのか知ってるのか」
「江戸でしょ?」
土方さんはふんと鼻で笑う。
「その江戸まで下るのに何日かかるか知ってるのか」
「知りませんけど、電話があったらしゃべれるんです。
江戸どころか、世界中の人としゃべれますよ」
「せかい……?」
「はい、外国……異国のことです。
えーと、どこの国知ってはります?オランダとか?エゲレスとか?」
「は……、はーーっ、はっ、はっ!」
土方さんは馬鹿馬鹿しいとでもいうように、わざとらしく声をあげて笑う。
「馬鹿も休み休み言え、馬鹿」
「そうですよね、信じられないですよね。
まあ、まだまだ先の話ですよ。とりあえず江戸時代が終わらんと」