屯所
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「向こう向いてろ」
慣れた手付きで、あたしの腰に帯を巻き付けると、背中できゅっと締めた。
彼は無言のまま、腰を屈めて袴をつかむと、小さな子供にはかせるように、自らが膝をついて袴を広げてくれる。
その好意に甘えていいものか躊躇していると、
「いつまで待たせるんだ。さっさと足を突っ込め」
ぶっきらぼうに言われて、慌てて足を突っ込む。
「【土方】さあん、もっと愛想よくしてやらないと、怖がるじゃあん」
【ヘースケ】の声があがった。
どうやら、縁側から様子を伺っているようだ。
その声を無視して、【土方歳三】は、ささっと紐を結んで、あたしに袴を着けてしまった。
そして、正面からあたしを見下ろして、満足そうに口の端をあげた。
「ま、こんなもんだろ」
縁側に出ると、【ヘースケ】が「おっ!」と声をあげた。
「よく似合ってるじゃん。このまま、入隊しちゃったら?」
(いやいや、コスプレとか興味ないし)
「じゃ、写真撮らせてもらったら、帰りますので」
「家はどこなんだ?夜も遅せぇし、送ってってやるよ」
立ち上がるとやっぱり長身のイケメンが優しく微笑む。
「ありがとうございます。でも、四条大宮まで送っていただいたら、あとは電車で帰りますので」
彼はわずかに戸惑いの表情を浮かべて【土方歳三】を見た。
そして彼が発した言葉に、今度はあたしが戸惑った。
「電車、ってなんだ?」