団子屋の男
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「わー、ほんま舟で荷物運んでたんですね。すごーい」
土方さんは、木屋町通りを上(かみ=北)に曲がった。
「先斗町もあります?」
「ああ、」
「行ったことあります?」
「あるが?」
「ほな、舞妓遊びしたことあります?」
土方さんは、可笑しそうにあたしを見下ろした。
「そう珍しいことでもないだろう」
あたしは、土方さんを見上げた。
舞妓さんを呼んでのお座敷遊びは、あたしにしてみれば、会社の社長さんや重役さんたちにしかできない【セレブな遊び】というイメージがある。
「そうなんですか?」
土方さんは、可笑しそうにうなずく。
「そやけど、一見(いちげん)さんでは遊べへんでしょ?お金もかなりかかるし」
「まあ、色々とつてはあるさ」
「ふうん、あたしもしてみたいなぁ」
あたしはきょろきょろして歩いた。
三条に来た時、ふと見た先になんとなく記憶にヒットする名称が。
提灯に【池田屋】とある。
「池田屋って、あの池田屋ですか?」
「どの池田屋だ」
土方さんは、可笑しそうに訊く。
(【池田屋】で、なんかあったんちごたっけ……)
「あれ、それとも【寺田屋】やったかな?」
「寺田屋がどうかしたのか?」
「やっぱ池田屋かも。
う~~~~~、すいません分からないです」
「何が分からないんだ」
「いえ、なんでもありません」
そもそも、それは幕末の事件だったと思うから、きっとまだまだ先の話だ。