団子屋の男
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「土方さん、あたしの無くなりそうです……」
「──お、悪りぃ、悪りぃ」
慌ててお皿をこっちに戻してくれたけど、もう半分くらいなくなってる。
「すまねぇ。ほら、俺の蕎麦を半分食え」
蕎麦猪口を突き出してくれたので、それを受け取って蕎麦をこんもりとその中へつっこんだ。
「お前ぇなぁ……」
土方さんがため息混じりに洩らす。
「──へ?」
「蕎麦をそんなにつゆの中に突っ込んでどうすんだ」
「食べるんですけど」
「だーーっ!だからよう、そうじゃねぇんだって。
あーもう、とにかくそれを食っちまえ」
あたしは、ちゅるちゅると蕎麦をすすって食べた。
その様子を土方さんは腕組みして、呆れたような顔で見ている。
お猪口の中の蕎麦が無くなると、土方さんはひったくるようにしてあたしから蕎麦猪口を奪った。
「いいか、ようく見とけ。
蕎麦ってのはな、こうやって食うんだ」
ざるに盛られた蕎麦を箸でつかむと、その先端ほんの少しをつゆにつけ、「ぞ、ぞぉーーーっ」と大きな音を立てて麺を吸い込んだ。
「──なんだ、その顔は」
「音、立てすぎちゃいます?
わざわざそんな大っきい音立てんでも」
「なに言ってやがる。それが蕎麦を食う醍醐味ってもんだろうが。
お前ぇみてぇに、ちまちま食っても旨くねぇんだよ」