屯所
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縁側に出ると、そこで【土方歳三】が着物を手にして立っていた。
目の前の部屋を示して、あたしに着物を手渡す。
「さ、ここで着替えるといい」
あたしは手渡された一式に視線を落とし、それから【土方歳三】を見上げた。
「あの……」
「あいつらの事なら心配はいらねぇ。着替えが終わるまで、ここで見張っておいてやるから」
「さ、早く」と【土方歳三】は障子を閉めてしまった。
あたしは着物を広げてため息をつき、更に袴を広げて困り果てた。
「……どうしろっちゅうねん」
子供のころ、母が着物を着るのを見る機会が度々あったので、襦袢と着物まではなんとか着られるだろう。
ワンピースの上に襦袢を着て、腰ひもを締める。
その上に着る着物も、女物のように丈が長くないので、むしろ簡単だ。
「そやけど、帯と袴はどうしよ……」
しばらく考えていると、障子越しに声がかかった。
「済んだか?」
あたしは障子を開けて、こちらに背を向けている【土方歳三】に声をかけた。
「あの……、」
「ん?」
振り返った彼は、あたしを見下ろして大きなため息を落とした。
「長い間かかって、まだ終わってねぇのか」
(そんなこと言われても……)
「帯の結び方が分かりませんし、袴も、ちょっと……」
彼は小さく舌打ちすると、
「ま、仕方ねぇか。
男物の着物も袴も、初めてだろうしな」
そう言うと、あたしの手から帯を取り上げた。