久しぶりの男前
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あんな、」
あたしは蚊帳に潜り込んで、布団の横に座った。
部屋から持ってきたものを総司くんの目の前にぶら下げる。
「アメちゃん、食べる?」
「あめちゃん?」
「うん、咳出てるとき舐めたら、ちょっとはマシになるよ」
カバンのポケットの中に数個残っていたのど飴を持ってきたのだ。
あたしは封を切って、
「ほら、あーんして?」
総司くんは、怪しいものでも見るように、眉を寄せて【果物のど飴・オレンジ味】を睨みつけている。
「ほら、口開けて」
「僕を毒殺する気?」
「ごちゃごちゃ言うてんと、はよ口開け」
僅かに開いた唇に、飴玉を押し込んだ。
「噛まんと舐めるんやで」
「──うん、」
初めての味なのか、総司くんは怪訝そうな顔をしながら口を動かしている。
「ほな、おやすみ」
「──あ、うん」
あたしは、また四つん這いで蚊帳から這い出た。
「あのさ、」
蚊帳を出たあたしに総司くんが声を掛けた。
「さっきは、ごめん。突き飛ばして……」
「──ああ、ええよ別に」
「風邪、うつすといけないと思って」
あたしは小さく笑う。
「大層やな。そんなくらいで、うつらへんわ」
あたしは言って、自分の部屋へと向かった。
久しぶりの男前/終