久しぶりの男前
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「副長、」
山崎の声に、土方は文机から目を上げた。
「おう、」
彼の方を向いて胡坐をかく。
「──で、どうだった」
「島原、祇園、その他、京中の旅籠を当たってみましたが、最近足抜けした遊女はおらんようでした」
「そうか……、」
のぞみが現れてから今日で十日。
その間、山崎は土方の命により、彼女の身辺を洗っていた。
【足抜けだろう】そう言ったのは、もちろん本心ではなかった。
(未来から来た、そう言っていたが)
それも真実とも思えない。
「大坂ならどうだ」
「念のため、大坂の方にも数軒当たってはみましたが、やはり無駄足でした。
そもそも、あの女子の言葉は大坂のもんやありませんし、大坂の線は薄いかと」
「そう、か……」
(しかし、京の言葉ともどこか違う……)
「確かに、あの恰好で大坂から歩いてくるのは目立ち過ぎるな。
大坂の線は薄い、か」
「それに、履もんも汚れてませんでしたし。
せいぜい伏見あたりが限界やと思われますが」
うむ、土方は相槌を打つ。
「あの器量だと、島原か祇園だと思ったんだがな」
土方は顎を撫でた。
山崎は少し考える風にして、
「もしかしたら、長州の手の者では?」
「──まさか、」
土方は小さく笑う。
「いっぺん泳がせてみても、ええんとちゃいますか」
山崎がにやりと笑った。