トリップって響きがいいよね...と5分前まで思っていた私です。

全然良くない。
というか、現在進行形で入学式が進んでいる状況である。

どういうこと？

目を開けたらパイプ椅子に座ってましたって罰ゲームかよ。

そして目を開けてまず1番に目に入ったのは『帝光中学校入学式』の文字である。

帝光中？

ふと、その漢字を見た時に思い浮かんだのはトリップ前の友人であるみかちゃんだ。

みかちゃんはスポーツ系青春漫画が大好きで本人も夢小説をよく書き、それに関しての話を聞かせてもらったものだ。

そう、そのみかちゃんが書いていた夢小説こそまさにキセキの世代が揃っていた帝光中の話だったのだ。

まじかーと思いながらも校長先生やら、PTA会長の話しやらただただ当たり前のことばかりを話す大人を無視し、目線をおよがせ近くに登場人物が居ないかを確認するが、見つけられるわけがない。

私の身長は一般の女性の平均よりも低いのだ。

さらにここはただでさえスポーツが有名な中学校で、身長が高い人物がおおい。

そして私の苗字はた行で、新しいクラスも3組。

悲劇である。

中途半端な位置な上に、立っても座っても周りが大きいせいで人を探すことも出来ない。

初々しいキセキの世代が見たかったのに...

いや、待てよ。その前になぜ私はキセキの世代と一緒の世代だと思ってるんだ？

これ詰んだのでは...