七夕
お名前
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「神楽ー、晩飯だぞー。」
銀時の呼び声で神楽がウキウキと食卓へ駆け寄った。が、用意されたご飯を見た途端にテンションがみるみる下がっていく。
「・・・今日の晩御飯も豆パンアルか?」
「そうだぞー。」
「・・・嫌アル。飽きたアル。違うものが食べたいアル。」
「ワガママ言うんじゃありません!明日は別のもの買ってきてやるから!」
「昨日も一昨日も同じこと言ってたアル!!もう騙されないネ!米が食べたいアルーー!!」ウガァァァァッ!!
「コラッ暴れるな!!お前が暴れたら家が壊れちまうだろーが!!」銀時は慌てて神楽を取り押さえる、その時…
《ドガシャーーーーン!!!》
7月7日午後7時、けたたましい爆音と共に万事屋に大きな衝撃が起こった。
銀時と神楽が、何事だ!?と衝撃のあった寝室の方へと急ぐと、そこにはシュウシュウ…と煙に包まれた何かがあった。
「な、なんだコレ。紫色の…繭…?」え、怖いんだけど…蛾とか変な虫が出てきたりしないよね…?
「・・・銀ちゃーん、天井壊れてるヨ。」
アワワ、と動揺している銀時に神楽が冷静に告げた。
「・・・え?ウォァァァ!?!?」
銀時が恐る恐る天井を見上げると、ちょうど繭と同じ程度の大きさの穴が空いていた。この繭が空から落ちてきたということは一目瞭然だ。
チキショー!どいつもこいつも、人んちを何だと思ってやがるんだよ!!
先程までの恐怖が天井を壊された怒りに変わり、ゲシゲシと繭を蹴ると、繭の中から「ううっ…」とうめき声が聞こえた。
「ひっ!」小さな悲鳴をあげ、銀時は神楽の後ろへと隠れた。
「・・・銀ちゃん、何やってるアルか?」
「い、いや!?神楽ちゃんが怖がってるんじゃないかと思って!?近くにいてやってるんだよ!?・・・そんな冷たい目で見るんじゃねェー!」
「まったく、情けないアルな。こんな繭の何が怖いアルか?」神楽が呆れながらバシバシと繭を叩いた。
シュルシュル…
「ギャァァァ!?」「繭が、解けていくアル…!」神楽はバッと構え、その様子を注視した。
淡い光を放ちながら繭が解けていく様子は、糸が解けるというよりは、包まれていた布が開いていくようで…神々しささえ感じる。
「お、女…?」やがて布が全て開き、中から一人の女が現れた。二人がジッと警戒する中、ううっ…と呻きながら女が目を覚ました。
「・・・ここは?」上体を起こし、キョロキョロと辺りを見回す女は、二人を発見した。パッと起き上がり、薄い紫色の着物をパッパと直した女は、二人に尋ねる。
「こんばんは!ここは…地球でしょうか?」
「そうだけど、お前、「きゃー!やったー!ありがとうございます、見知らぬ人!」お前は何者なんだ、と尋ねる前に銀時は手を取られブンブンと振り回された。
「では、これにて失礼します。」女が解けた布に手を向けると、布が天女の羽衣のように女の身体を纏った。「ちょぉっと待てーーい!!」何事も無かったかのように万事屋を去ろうとする女を、銀時は全力で引き止める。
「な、何です!?」「てめえ、この大穴どうしてくれんだ?」銀時が天井にポッカリ空いた大穴を指さした。「・・・あ。」これ、私が…?
※
「私はベガという星から来ました、名前と言います。地球へは、お婿さんを探しに。婚活ってやつですね〜。あ、貴方のことは全然タイプじゃないので!私のタイプは黒髪ショートで目付きが鋭い感じの人です!あはは!」
パシィン!
「いったぁ!ちょっと、頭を叩くのはご勘弁を。この髪型セットするの結構大変なんですからね!」「うるせェ、テメェの男のタイプなんざ聞いちゃいねーんだよ。とっとと天井直しやがれ。」「銀ちゃーん、お腹空いたアル。」「神楽ちゃん、俺今この女と話つけてっから、先に食べてなさい。」
「もう!すぐ直してあげますから。はい、この短冊に願いを込めて書いてください。書いたらこの笹へ吊るすんですよ。」名前は袖から一枚の短冊と小さな笹を取り出し、銀時に渡した。
「・・・。」銀時はそれを死んだ魚のような目でジッと見た後、バッシィッ!と床に叩きつけた。
「あーーーっ!!何するんですかぁ!?」
「何するんですかぁ!?じゃねーんだよ!!俺を馬鹿にしてんのかテメェは!こんなんで直るわきゃねーだろ!警察に突き出されてェのか!?」ベシベシ!
「いたいいたい…!チョップもやめてください!!本当にっ直りますからっ!」
「なら私が書きたいアル!!」豆パンをモサモサと食べながら神楽が寝室に戻ってきた。銀時はアホらし、と神楽に短冊と笹を渡す。受け取った神楽はサラサラと短冊に願い事を書き、笹へと吊るした。「これでいいネ。」名前が、ウンウンと誇らしげに頷いた。銀時もアホらしいと思いつつも、天井を気にしている。
30秒経過…天井に変化は無い。名前がダラダラと冷や汗をかく。
「・・・オイ。」「・・・ハイ。」「直らねェじゃねーか。」「おかしいですねー?あは、あはは…」
その時、キッチンから何やらいい匂いが…そう、これは炊きたてのお米の匂いだ。いち早く神楽がキッチンに向かい、それを二人が追いかけた。そこには、大量の炊きたてのお米と産みたてたまごが。
「キャッホーー!願いがかなったアル!!」そう言って神楽は卵かけご飯をモガモガと食べ始めた。・・・まさか!銀時と名前は顔を見合わせ、ダッシュで寝室に向かい、置いてある笹を確認した。
『お腹いっぱい卵かけご飯が食べたいアル』「「・・・。」」ヘナヘナと膝から崩れ落ちる二人。
「はは、天井…どうすんだよオイ…こんなん直す金なんてねーぞ…」天井を呆然と見上げブツブツと呟く銀時を少し哀れに思った名前。
「・・・仕方ありません。元はと言えば、私が開けてしまった穴です。あと一枚だけ差し上げますから、早く直して私を解放してください。」
名前は再度袖から短冊を一枚取り出し、銀時に渡した。
「・・・いいのか?」「仕方ないでしょう。本当は私の未来の旦那さまへ差し上げるために準備していましたが…緊急事態です。」
「へー…旦那さまにねェ。それあと何枚あるんだ?」
「えーっと、7枚準備してるので…はっ!!」
バッと口を抑える名前。しかし、時はすでに遅かったようで銀時は短冊をピラピラと指で揺らしながら、ニヤニヤと悪い顔をしていた。
「な、何考えてるんです…?残りは渡しませんよ。これは、私の、「わぁーってるよ、未来の旦那さまにやるってんだろ?」「・・・そうです。だから早く天井を直してください。」ジト、と銀時を睨む名前。
「分かってるんだけどよォ、こんな便利な短冊を直ぐに使っちまうのも勿体ねェよな…」何かいい方法はねぇもんか、とグズグズ悩む銀時から、神楽が短冊を奪い取った。
「あァ!?神楽ァ!何しやがる!返しやがれ!」「嫌アル、グズグズしてる銀ちゃんが悪いネ。この短冊は私が有効活用してやるネ。」ドタバタと追いかけっこをする銀時と神楽。銀時から逃げ回りながら神楽はサラサラと願い事を書き、笹へと吊るした。
「あァァァ!!ってめえ神楽ァ!何て書いたんだ!?」銀時はバッと神楽から笹を奪い取った。名前も一緒に覗き込む。神楽はキッチンへと走っていった。
『酢こんぶ1年分欲しいアル』
「・・・。」「あーあ、お可哀想に。では、私はこれで。」ガシィッ!出ていこうとする名前を捕まえる銀時。
「・・・銀時さん、離してもらえませんかね…?」「名前。いや、名前さま。もう一度チャンスをください。お願いします。」真剣に訴える銀時に名前も真剣に答える。
「銀時さん…いや、無理ですね。天井はご自分で何とかしてください。」銀時に手のひらを向け、丁重にお断りし、クルッと踵を返した。
「わァァァ!!待って待ってェェ!お願い!お願いだからァァァ!」銀時が名前の両肩を掴むも、名前はズリ…ズリ…と銀時を引きずりながら進んでいく。
(マズい!このままじゃ天井が直せねェ、なんとか説得しねーと!)
「名前!外はもう暗いぞ、女の一人歩きは危険じゃねーのか!?」「・・・。」ピタリと名前の足が止まる。
(止まった!イける!)
「あー、ごほん。ここはかぶき町っつってなァ、江戸の中でもまァ治安がいいとは言えねえところよ。」
「特に夜は危険でねェ、女が一人で歩こうもんなら、悪い奴ら(キャッチ)にとっ捕まって、正気を保てなくなる液体(酒)を飲まされて、気づいた時にはすでに遅ェ、身ぐるみ剥がされて捨てられちまう。」
「・・・チキュウ、エド、カブキチョウ…なんて恐ろしいところなの…」銀時の話を聞いて、カタカタと震え出す名前。
「銀時さん、私どうすれば…」
(ちょれーもんだぜ。)
「ふ、銀さんが助けてやるよ。ここに一晩泊まっていきな。婿探しは明日の朝からでも遅くねーだろ。」
「ありがとうございます!なんとお礼を申したら良いか!」銀時からの助け舟に名前の顔色がパァァッと明るくなる。
「お礼は、短冊一枚でいいぜ。」
「・・・銀時さん。」訝しげな目で銀時を見る。「なんだよ。言っておくが、嘘じゃねーからな!?」
(騙されている気もしなくもないけど…確かに、知らない土地で夜一人出歩くのは危険かもしれない。)
「・・・交渉成立ですね。一晩だけ、お世話になります。さあ、神楽さんに取られる前に早く天井を直しましょう。」
「おう!」
『天井が直りますように』三度目の正直、銀時がサラサラと短冊に願いを書いて笹に吊るすと、あっという間に天井が直っていった。
「おお…すげェな。どうなってんだ?」
「これは、七夕の夜にだけ人々の願いを叶えてくれる短冊です。私の家にのみ代々伝わる特別な方法で作られているんですよ。」
「ヘェー。」「『ヘェー』って。一応言っておきますが、とーーっても貴重な物なんですからね。」旦那さまに使っていただく予定だったのに…と不貞腐れる名前のお腹がグゥ〜っと鳴った。
「!!き、聞こえました…?」お腹を押さえながら銀時の方をバッと見上げる名前。その顔は真っ赤に染まっている。
「・・・飯も食うか?卵かけご飯ならあるぜ。」気まずそうにポリポリと頭を掻きながら名前から視線を逸らす。「・・・ハイ。」名前も視線を逸らして頷いた。
ー「でェ!?米とたまごが無ェ!?神楽ァァァ!全部食ったのか!?」
ー「ヒーヒーフーー。ヒーヒーフーー。(銀ちゃんたち来ないから、いらないのかと思ったアル。)」
ー「何喋ってんのかワッカんねーよ!!この馬鹿!」
ー「「グゥ〜〜。」」
ー「・・・名前さま?あの、もう一枚…」
ー「ぐっ…背に腹はかえられません。・・・その代わり、特上の寿司を所望します。地球に来たら食べたかったんです。」
銀時の呼び声で神楽がウキウキと食卓へ駆け寄った。が、用意されたご飯を見た途端にテンションがみるみる下がっていく。
「・・・今日の晩御飯も豆パンアルか?」
「そうだぞー。」
「・・・嫌アル。飽きたアル。違うものが食べたいアル。」
「ワガママ言うんじゃありません!明日は別のもの買ってきてやるから!」
「昨日も一昨日も同じこと言ってたアル!!もう騙されないネ!米が食べたいアルーー!!」ウガァァァァッ!!
「コラッ暴れるな!!お前が暴れたら家が壊れちまうだろーが!!」銀時は慌てて神楽を取り押さえる、その時…
《ドガシャーーーーン!!!》
7月7日午後7時、けたたましい爆音と共に万事屋に大きな衝撃が起こった。
銀時と神楽が、何事だ!?と衝撃のあった寝室の方へと急ぐと、そこにはシュウシュウ…と煙に包まれた何かがあった。
「な、なんだコレ。紫色の…繭…?」え、怖いんだけど…蛾とか変な虫が出てきたりしないよね…?
「・・・銀ちゃーん、天井壊れてるヨ。」
アワワ、と動揺している銀時に神楽が冷静に告げた。
「・・・え?ウォァァァ!?!?」
銀時が恐る恐る天井を見上げると、ちょうど繭と同じ程度の大きさの穴が空いていた。この繭が空から落ちてきたということは一目瞭然だ。
チキショー!どいつもこいつも、人んちを何だと思ってやがるんだよ!!
先程までの恐怖が天井を壊された怒りに変わり、ゲシゲシと繭を蹴ると、繭の中から「ううっ…」とうめき声が聞こえた。
「ひっ!」小さな悲鳴をあげ、銀時は神楽の後ろへと隠れた。
「・・・銀ちゃん、何やってるアルか?」
「い、いや!?神楽ちゃんが怖がってるんじゃないかと思って!?近くにいてやってるんだよ!?・・・そんな冷たい目で見るんじゃねェー!」
「まったく、情けないアルな。こんな繭の何が怖いアルか?」神楽が呆れながらバシバシと繭を叩いた。
シュルシュル…
「ギャァァァ!?」「繭が、解けていくアル…!」神楽はバッと構え、その様子を注視した。
淡い光を放ちながら繭が解けていく様子は、糸が解けるというよりは、包まれていた布が開いていくようで…神々しささえ感じる。
「お、女…?」やがて布が全て開き、中から一人の女が現れた。二人がジッと警戒する中、ううっ…と呻きながら女が目を覚ました。
「・・・ここは?」上体を起こし、キョロキョロと辺りを見回す女は、二人を発見した。パッと起き上がり、薄い紫色の着物をパッパと直した女は、二人に尋ねる。
「こんばんは!ここは…地球でしょうか?」
「そうだけど、お前、「きゃー!やったー!ありがとうございます、見知らぬ人!」お前は何者なんだ、と尋ねる前に銀時は手を取られブンブンと振り回された。
「では、これにて失礼します。」女が解けた布に手を向けると、布が天女の羽衣のように女の身体を纏った。「ちょぉっと待てーーい!!」何事も無かったかのように万事屋を去ろうとする女を、銀時は全力で引き止める。
「な、何です!?」「てめえ、この大穴どうしてくれんだ?」銀時が天井にポッカリ空いた大穴を指さした。「・・・あ。」これ、私が…?
※
「私はベガという星から来ました、名前と言います。地球へは、お婿さんを探しに。婚活ってやつですね〜。あ、貴方のことは全然タイプじゃないので!私のタイプは黒髪ショートで目付きが鋭い感じの人です!あはは!」
パシィン!
「いったぁ!ちょっと、頭を叩くのはご勘弁を。この髪型セットするの結構大変なんですからね!」「うるせェ、テメェの男のタイプなんざ聞いちゃいねーんだよ。とっとと天井直しやがれ。」「銀ちゃーん、お腹空いたアル。」「神楽ちゃん、俺今この女と話つけてっから、先に食べてなさい。」
「もう!すぐ直してあげますから。はい、この短冊に願いを込めて書いてください。書いたらこの笹へ吊るすんですよ。」名前は袖から一枚の短冊と小さな笹を取り出し、銀時に渡した。
「・・・。」銀時はそれを死んだ魚のような目でジッと見た後、バッシィッ!と床に叩きつけた。
「あーーーっ!!何するんですかぁ!?」
「何するんですかぁ!?じゃねーんだよ!!俺を馬鹿にしてんのかテメェは!こんなんで直るわきゃねーだろ!警察に突き出されてェのか!?」ベシベシ!
「いたいいたい…!チョップもやめてください!!本当にっ直りますからっ!」
「なら私が書きたいアル!!」豆パンをモサモサと食べながら神楽が寝室に戻ってきた。銀時はアホらし、と神楽に短冊と笹を渡す。受け取った神楽はサラサラと短冊に願い事を書き、笹へと吊るした。「これでいいネ。」名前が、ウンウンと誇らしげに頷いた。銀時もアホらしいと思いつつも、天井を気にしている。
30秒経過…天井に変化は無い。名前がダラダラと冷や汗をかく。
「・・・オイ。」「・・・ハイ。」「直らねェじゃねーか。」「おかしいですねー?あは、あはは…」
その時、キッチンから何やらいい匂いが…そう、これは炊きたてのお米の匂いだ。いち早く神楽がキッチンに向かい、それを二人が追いかけた。そこには、大量の炊きたてのお米と産みたてたまごが。
「キャッホーー!願いがかなったアル!!」そう言って神楽は卵かけご飯をモガモガと食べ始めた。・・・まさか!銀時と名前は顔を見合わせ、ダッシュで寝室に向かい、置いてある笹を確認した。
『お腹いっぱい卵かけご飯が食べたいアル』「「・・・。」」ヘナヘナと膝から崩れ落ちる二人。
「はは、天井…どうすんだよオイ…こんなん直す金なんてねーぞ…」天井を呆然と見上げブツブツと呟く銀時を少し哀れに思った名前。
「・・・仕方ありません。元はと言えば、私が開けてしまった穴です。あと一枚だけ差し上げますから、早く直して私を解放してください。」
名前は再度袖から短冊を一枚取り出し、銀時に渡した。
「・・・いいのか?」「仕方ないでしょう。本当は私の未来の旦那さまへ差し上げるために準備していましたが…緊急事態です。」
「へー…旦那さまにねェ。それあと何枚あるんだ?」
「えーっと、7枚準備してるので…はっ!!」
バッと口を抑える名前。しかし、時はすでに遅かったようで銀時は短冊をピラピラと指で揺らしながら、ニヤニヤと悪い顔をしていた。
「な、何考えてるんです…?残りは渡しませんよ。これは、私の、「わぁーってるよ、未来の旦那さまにやるってんだろ?」「・・・そうです。だから早く天井を直してください。」ジト、と銀時を睨む名前。
「分かってるんだけどよォ、こんな便利な短冊を直ぐに使っちまうのも勿体ねェよな…」何かいい方法はねぇもんか、とグズグズ悩む銀時から、神楽が短冊を奪い取った。
「あァ!?神楽ァ!何しやがる!返しやがれ!」「嫌アル、グズグズしてる銀ちゃんが悪いネ。この短冊は私が有効活用してやるネ。」ドタバタと追いかけっこをする銀時と神楽。銀時から逃げ回りながら神楽はサラサラと願い事を書き、笹へと吊るした。
「あァァァ!!ってめえ神楽ァ!何て書いたんだ!?」銀時はバッと神楽から笹を奪い取った。名前も一緒に覗き込む。神楽はキッチンへと走っていった。
『酢こんぶ1年分欲しいアル』
「・・・。」「あーあ、お可哀想に。では、私はこれで。」ガシィッ!出ていこうとする名前を捕まえる銀時。
「・・・銀時さん、離してもらえませんかね…?」「名前。いや、名前さま。もう一度チャンスをください。お願いします。」真剣に訴える銀時に名前も真剣に答える。
「銀時さん…いや、無理ですね。天井はご自分で何とかしてください。」銀時に手のひらを向け、丁重にお断りし、クルッと踵を返した。
「わァァァ!!待って待ってェェ!お願い!お願いだからァァァ!」銀時が名前の両肩を掴むも、名前はズリ…ズリ…と銀時を引きずりながら進んでいく。
(マズい!このままじゃ天井が直せねェ、なんとか説得しねーと!)
「名前!外はもう暗いぞ、女の一人歩きは危険じゃねーのか!?」「・・・。」ピタリと名前の足が止まる。
(止まった!イける!)
「あー、ごほん。ここはかぶき町っつってなァ、江戸の中でもまァ治安がいいとは言えねえところよ。」
「特に夜は危険でねェ、女が一人で歩こうもんなら、悪い奴ら(キャッチ)にとっ捕まって、正気を保てなくなる液体(酒)を飲まされて、気づいた時にはすでに遅ェ、身ぐるみ剥がされて捨てられちまう。」
「・・・チキュウ、エド、カブキチョウ…なんて恐ろしいところなの…」銀時の話を聞いて、カタカタと震え出す名前。
「銀時さん、私どうすれば…」
(ちょれーもんだぜ。)
「ふ、銀さんが助けてやるよ。ここに一晩泊まっていきな。婿探しは明日の朝からでも遅くねーだろ。」
「ありがとうございます!なんとお礼を申したら良いか!」銀時からの助け舟に名前の顔色がパァァッと明るくなる。
「お礼は、短冊一枚でいいぜ。」
「・・・銀時さん。」訝しげな目で銀時を見る。「なんだよ。言っておくが、嘘じゃねーからな!?」
(騙されている気もしなくもないけど…確かに、知らない土地で夜一人出歩くのは危険かもしれない。)
「・・・交渉成立ですね。一晩だけ、お世話になります。さあ、神楽さんに取られる前に早く天井を直しましょう。」
「おう!」
『天井が直りますように』三度目の正直、銀時がサラサラと短冊に願いを書いて笹に吊るすと、あっという間に天井が直っていった。
「おお…すげェな。どうなってんだ?」
「これは、七夕の夜にだけ人々の願いを叶えてくれる短冊です。私の家にのみ代々伝わる特別な方法で作られているんですよ。」
「ヘェー。」「『ヘェー』って。一応言っておきますが、とーーっても貴重な物なんですからね。」旦那さまに使っていただく予定だったのに…と不貞腐れる名前のお腹がグゥ〜っと鳴った。
「!!き、聞こえました…?」お腹を押さえながら銀時の方をバッと見上げる名前。その顔は真っ赤に染まっている。
「・・・飯も食うか?卵かけご飯ならあるぜ。」気まずそうにポリポリと頭を掻きながら名前から視線を逸らす。「・・・ハイ。」名前も視線を逸らして頷いた。
ー「でェ!?米とたまごが無ェ!?神楽ァァァ!全部食ったのか!?」
ー「ヒーヒーフーー。ヒーヒーフーー。(銀ちゃんたち来ないから、いらないのかと思ったアル。)」
ー「何喋ってんのかワッカんねーよ!!この馬鹿!」
ー「「グゥ〜〜。」」
ー「・・・名前さま?あの、もう一枚…」
ー「ぐっ…背に腹はかえられません。・・・その代わり、特上の寿司を所望します。地球に来たら食べたかったんです。」
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