近藤 沖田 オトナになりたい
お名前
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名前が目を覚ましたのは、一週間後のことだった。
(・・・眩し、ここは…どこ?)
(屯所…?私、生きてる…)
起きようと身体に力を込めるも、一週間も寝たきりだった身体はすっかり弱っており起き上がれなかった。
(ダメだ…力が入らない…せめて、手だけでも…)
手に力を込めると、左手に何かの感触があった。
(これは、手…?誰の…)
「んー…ん…」名前が左側を見ると、目を覚ました近藤と目が合った。
「・・・名前!目が覚めたのか…!良かった、一週間も寝たきりだったんだぞ…。ううっ…!」
「近藤さん…うっ、」「名前!無理はするな、ゆっくりでいい。」
名前が再度起き上がろうとすると、近藤が支えながらゆっくり起こした。
「ありがとう。」「ほら、水だ。」
「ゆっくり飲むんだぞ。」「うん。」
名前は近藤から水を受け取り、ゆっくり飲む。
名前が水を飲む姿を見て、近藤は安堵の表情を浮かべたが、すぐに険しい表情に変わった。
「名前、お前を斬った連中だが、万が一のことに備えて逃亡の手引きをするため外で待機していたようだ。俺の作戦が甘かったばっかりに、お前に大怪我を負わせてしまった。本当にすまない!」
「・・・謝らないで。私が捕まらなければこんな事にはならなかったんだから。たぶん、総悟なら、捕まるなんてヘマはしなかったよ。」
「名前…。」「それに、私のせいで近藤さんが大怪我でもしたら、それこそ隊士失格だよ。」だから謝らないで、という名前に近藤はさらに顔をしかめた。
「それでも俺は、名前に詫びないとならないんだ…。」怪我の跡が一生残る。そう医者に言われた、と近藤は名前に告げた。
「え…?」名前が寝間着の襟を少し捲り、斬られた部分を確認すると、たしかに、まだ赤い傷跡が痛々しく残っていた。
「本当にすまない!!」
「・・・なんだ。これくらい、平気だよ。」
「え!?いや、でも…嫁入り前の…その、」
「むしろ、近藤さんを守ったってことなんだから!誇りに思う!」ふふん、と胸を張る名前。
「隊士になるって決めた時から、これくらい覚悟してた。それに、死ぬ覚悟だって、」「名前!止めてくれ!」名前から「死」という出た途端、近藤は名前をグッと抱きしめた。
「こ、近藤…さん?」「名前、お前がそんなふうに思ってくれるのは嬉しい。けど、死ぬなんて言わないでくれ…頼む。」近藤は名前を抱きしめながらボロボロと涙を零す。そんな近藤を名前も優しく抱きしめ返す。
「近藤さん、私ね、近藤さんに振り向いてほしくてここまで付いてきたんだよ。」「え…?」「知らなかったでしょ?いつも私の事コドモ扱いしてた。」「い、いや!そんな…」慌てて離れようとする近藤を名前はグッと離さない。
「ダメ、離れないで…勲お兄ちゃん。」「名前!?そんな、嫁入り前の娘さんがァァ!?」
「またそれ?・・・そんなに言うなら勲お兄ちゃんがもらってよ。」「・・・・・・へ?」
近藤の顔を両手で挟み、うふふ、と笑う名前。
「え!?いや、その!!…うぉっほん、名前はまだ「コドモじゃないよ、18歳。ちなみに、お妙さんと同い歳。」「えええ…。」「ダメなの?」「い、いや…。」正直、名前のことをそういう対象として見ていなかった近藤は突然の告白に戸惑い、今すぐに承諾はできないでいた。
「そっか、そうだよね…。」名前は近藤の顔から手を離し、身を引いた。
「こんな傷跡が残ってるんだもん、それに、身体中小さな傷跡だらけ。・・・こんな女より、お妙さんの方が…」いいよね、という前に近藤が名前の両肩を掴んだ。「・・・違う!」「勲お兄ちゃん…」「俺は、俺はそんなもん、ちっとも気にしない!!」
近藤は真剣な目で名前を見つめる。
「ホント…?」
「ああ、もちろんだ。」
「嬉しい!」
名前はギュッと近藤に抱きつき、見つめた。
「勲お兄ちゃん…大好き。」「名前、」
(ああ、ダメだ…頭が、クラクラする…。)
名前の熱い眼差しに、近藤は正気を保つのがやっとだ。「勲お兄ちゃん、心臓ドキドキしてる…やっと私を見てくれた。」「名前…」「勲、さん…」二人はどちらともなく顔を近づけ、口付けを交わした。
「名前…」「はあ、勲さん…あ、」
近藤は、名前の寝間着にソッと手を……
※
「・・・っていう超絶イイところで、沖田クソ隊長コノヤローにバズーカで叩き起されまして、朝から胸くそ悪いっていうか、局長を見るとムラッとします。なので、今日は休んでいいですか?それか局長と1時間小休憩を取らせてください。」
「いいわけねェだろォォォ!!??テメェ朝っぱらから会議で何言っちゃってんのォォ!?見てみろ!テメェが朝っぱらからそんな話すっから、隊士たちが全員前のめりになってんじゃねぇかァァ!!!っていうかテメェは一週間前に入隊したばかりの新米だろうが!!何なの!?武州から居ましたー、みたいな回想!?」
「うーん。ほら私、女だてらに隊士として真選組に入隊して、やっと私の剣の腕が認められたと思ってたんですが、特別任務として与えられたのが、局長のお守りだった訳ですよ。最初、副長からそう言われた時は、『このニコチン中毒のマヨラーは何言ってんだ?とち狂ってんのか?』って思った訳ですが、」
「ちょっと待て、お前そんなこと考えてたの?いい笑顔で快諾してくれたじゃねーか。」
名前のあまりの言い草に、土方の口は引きつっている。
「はぁ?そりゃあ誰だってそう思うでしょ。入隊初日だったし、いきなり上司と揉めたくないんで言わなかっただけですよ。」
「へ、ヘェ〜…ソウダッタノカー。」
「そうですよ。それで、一週間毎日スナックやら志村家やらに局長を迎えに行き続けた結果、なんて一途な人なんだろう、と局長に絆されてしまったんです。」
「(ああ、こんな一途な人に愛されたらきっと幸せなんだろうな。)え!?局長の胸筋めっちゃスゴ!腕も逞し!超好みなんだけど!!」
「逆!逆!本音と建前が逆!!!結局、近藤さんの身体が目的なんじゃねェか!!」おや失敬、ペロ。「ペロ。じゃねェェ!!」
「それで昨日、珍しく局長が早く目を覚ましたので少し一緒に飲んでたんですが、その時、武州の思い出話を聞きまして、私は思ったんです。もし私が武州から一緒だったなら、局長をゲッツ出来てたんじゃないか、って。ま、それが夢に具現化したって訳ですな。あっはっは。」
「ですな。じゃねェェ!!」
ハァ、ハァ、ツッコミするのも疲れた。
「おい、近藤さんからも…」(こ、近藤さんんん!?前のめりになり過ぎて床にめり込んでるじゃねェかァァ!!)
「あらあら、局長、床にめり込んじゃって大変。私と一緒に部屋で休みましょ。」「うん…。」
「ゴラァァ!!テメェは近藤さんに近づくなァァ!近藤さんも、うん…。じゃねェェ!!」「・・・チッ。」「テメェはあっち行ってろ!」シッシッと土方に追いやられた名前。
「おい、名前。」「何ですか隊長。」
「何でテメェの気持ち悪ィ妄想で、俺がテメェに惚れてるみたいな設定になってるんでさァ、気分悪ィ。」
「あー、たぶん入隊当初から隊長が私の事ジッと見てるからじゃないですか?私に惚れてるんならやめてくださいね、隊長面倒臭そうだから。」
バチバチ、二人の間に火花が散る。
「俺ァ、最初からテメェが猫被ってることに気付いてたんでね。いつか化けの皮剥がしてやろうと思ってただけでさァ。」
「ふーん、なら良かったです。隊長もなァ、顔は悪くないんですけど、如何せん胸筋がなー。」名前は沖田の胸筋をバシバシと叩きながら、鍛え方が甘いんじゃないですかぁ?と煽る。
《ムギュ! モミモミ…》
「うーん…」
「・・・おい、沖田クソ隊長コノヤロー。白昼堂々部下の胸を揉むとはいい度胸ですね、殺してあげましょうか?社会的に。」
「え!?俺今胸揉んでやした!?それは失敬。あまりに凹凸がないんで、板でもさすってんのかと思いやした。」
「よし、今殺す!肉体的にだ!」
「やれるもんならやってみな。」
「上等だ、ごらァ!!表出な!!」
ギャーギャー
ガヤガヤ
勝手に会議室を出ていく沖田と名前。
自由にお喋りを始める隊士たち。
床にめり込む上司。
土方は静かにタバコに火をつけた。
ー「ふぅーー。」(転職、しよっかな。)
(・・・眩し、ここは…どこ?)
(屯所…?私、生きてる…)
起きようと身体に力を込めるも、一週間も寝たきりだった身体はすっかり弱っており起き上がれなかった。
(ダメだ…力が入らない…せめて、手だけでも…)
手に力を込めると、左手に何かの感触があった。
(これは、手…?誰の…)
「んー…ん…」名前が左側を見ると、目を覚ました近藤と目が合った。
「・・・名前!目が覚めたのか…!良かった、一週間も寝たきりだったんだぞ…。ううっ…!」
「近藤さん…うっ、」「名前!無理はするな、ゆっくりでいい。」
名前が再度起き上がろうとすると、近藤が支えながらゆっくり起こした。
「ありがとう。」「ほら、水だ。」
「ゆっくり飲むんだぞ。」「うん。」
名前は近藤から水を受け取り、ゆっくり飲む。
名前が水を飲む姿を見て、近藤は安堵の表情を浮かべたが、すぐに険しい表情に変わった。
「名前、お前を斬った連中だが、万が一のことに備えて逃亡の手引きをするため外で待機していたようだ。俺の作戦が甘かったばっかりに、お前に大怪我を負わせてしまった。本当にすまない!」
「・・・謝らないで。私が捕まらなければこんな事にはならなかったんだから。たぶん、総悟なら、捕まるなんてヘマはしなかったよ。」
「名前…。」「それに、私のせいで近藤さんが大怪我でもしたら、それこそ隊士失格だよ。」だから謝らないで、という名前に近藤はさらに顔をしかめた。
「それでも俺は、名前に詫びないとならないんだ…。」怪我の跡が一生残る。そう医者に言われた、と近藤は名前に告げた。
「え…?」名前が寝間着の襟を少し捲り、斬られた部分を確認すると、たしかに、まだ赤い傷跡が痛々しく残っていた。
「本当にすまない!!」
「・・・なんだ。これくらい、平気だよ。」
「え!?いや、でも…嫁入り前の…その、」
「むしろ、近藤さんを守ったってことなんだから!誇りに思う!」ふふん、と胸を張る名前。
「隊士になるって決めた時から、これくらい覚悟してた。それに、死ぬ覚悟だって、」「名前!止めてくれ!」名前から「死」という出た途端、近藤は名前をグッと抱きしめた。
「こ、近藤…さん?」「名前、お前がそんなふうに思ってくれるのは嬉しい。けど、死ぬなんて言わないでくれ…頼む。」近藤は名前を抱きしめながらボロボロと涙を零す。そんな近藤を名前も優しく抱きしめ返す。
「近藤さん、私ね、近藤さんに振り向いてほしくてここまで付いてきたんだよ。」「え…?」「知らなかったでしょ?いつも私の事コドモ扱いしてた。」「い、いや!そんな…」慌てて離れようとする近藤を名前はグッと離さない。
「ダメ、離れないで…勲お兄ちゃん。」「名前!?そんな、嫁入り前の娘さんがァァ!?」
「またそれ?・・・そんなに言うなら勲お兄ちゃんがもらってよ。」「・・・・・・へ?」
近藤の顔を両手で挟み、うふふ、と笑う名前。
「え!?いや、その!!…うぉっほん、名前はまだ「コドモじゃないよ、18歳。ちなみに、お妙さんと同い歳。」「えええ…。」「ダメなの?」「い、いや…。」正直、名前のことをそういう対象として見ていなかった近藤は突然の告白に戸惑い、今すぐに承諾はできないでいた。
「そっか、そうだよね…。」名前は近藤の顔から手を離し、身を引いた。
「こんな傷跡が残ってるんだもん、それに、身体中小さな傷跡だらけ。・・・こんな女より、お妙さんの方が…」いいよね、という前に近藤が名前の両肩を掴んだ。「・・・違う!」「勲お兄ちゃん…」「俺は、俺はそんなもん、ちっとも気にしない!!」
近藤は真剣な目で名前を見つめる。
「ホント…?」
「ああ、もちろんだ。」
「嬉しい!」
名前はギュッと近藤に抱きつき、見つめた。
「勲お兄ちゃん…大好き。」「名前、」
(ああ、ダメだ…頭が、クラクラする…。)
名前の熱い眼差しに、近藤は正気を保つのがやっとだ。「勲お兄ちゃん、心臓ドキドキしてる…やっと私を見てくれた。」「名前…」「勲、さん…」二人はどちらともなく顔を近づけ、口付けを交わした。
「名前…」「はあ、勲さん…あ、」
近藤は、名前の寝間着にソッと手を……
※
「・・・っていう超絶イイところで、沖田クソ隊長コノヤローにバズーカで叩き起されまして、朝から胸くそ悪いっていうか、局長を見るとムラッとします。なので、今日は休んでいいですか?それか局長と1時間小休憩を取らせてください。」
「いいわけねェだろォォォ!!??テメェ朝っぱらから会議で何言っちゃってんのォォ!?見てみろ!テメェが朝っぱらからそんな話すっから、隊士たちが全員前のめりになってんじゃねぇかァァ!!!っていうかテメェは一週間前に入隊したばかりの新米だろうが!!何なの!?武州から居ましたー、みたいな回想!?」
「うーん。ほら私、女だてらに隊士として真選組に入隊して、やっと私の剣の腕が認められたと思ってたんですが、特別任務として与えられたのが、局長のお守りだった訳ですよ。最初、副長からそう言われた時は、『このニコチン中毒のマヨラーは何言ってんだ?とち狂ってんのか?』って思った訳ですが、」
「ちょっと待て、お前そんなこと考えてたの?いい笑顔で快諾してくれたじゃねーか。」
名前のあまりの言い草に、土方の口は引きつっている。
「はぁ?そりゃあ誰だってそう思うでしょ。入隊初日だったし、いきなり上司と揉めたくないんで言わなかっただけですよ。」
「へ、ヘェ〜…ソウダッタノカー。」
「そうですよ。それで、一週間毎日スナックやら志村家やらに局長を迎えに行き続けた結果、なんて一途な人なんだろう、と局長に絆されてしまったんです。」
「(ああ、こんな一途な人に愛されたらきっと幸せなんだろうな。)え!?局長の胸筋めっちゃスゴ!腕も逞し!超好みなんだけど!!」
「逆!逆!本音と建前が逆!!!結局、近藤さんの身体が目的なんじゃねェか!!」おや失敬、ペロ。「ペロ。じゃねェェ!!」
「それで昨日、珍しく局長が早く目を覚ましたので少し一緒に飲んでたんですが、その時、武州の思い出話を聞きまして、私は思ったんです。もし私が武州から一緒だったなら、局長をゲッツ出来てたんじゃないか、って。ま、それが夢に具現化したって訳ですな。あっはっは。」
「ですな。じゃねェェ!!」
ハァ、ハァ、ツッコミするのも疲れた。
「おい、近藤さんからも…」(こ、近藤さんんん!?前のめりになり過ぎて床にめり込んでるじゃねェかァァ!!)
「あらあら、局長、床にめり込んじゃって大変。私と一緒に部屋で休みましょ。」「うん…。」
「ゴラァァ!!テメェは近藤さんに近づくなァァ!近藤さんも、うん…。じゃねェェ!!」「・・・チッ。」「テメェはあっち行ってろ!」シッシッと土方に追いやられた名前。
「おい、名前。」「何ですか隊長。」
「何でテメェの気持ち悪ィ妄想で、俺がテメェに惚れてるみたいな設定になってるんでさァ、気分悪ィ。」
「あー、たぶん入隊当初から隊長が私の事ジッと見てるからじゃないですか?私に惚れてるんならやめてくださいね、隊長面倒臭そうだから。」
バチバチ、二人の間に火花が散る。
「俺ァ、最初からテメェが猫被ってることに気付いてたんでね。いつか化けの皮剥がしてやろうと思ってただけでさァ。」
「ふーん、なら良かったです。隊長もなァ、顔は悪くないんですけど、如何せん胸筋がなー。」名前は沖田の胸筋をバシバシと叩きながら、鍛え方が甘いんじゃないですかぁ?と煽る。
《ムギュ! モミモミ…》
「うーん…」
「・・・おい、沖田クソ隊長コノヤロー。白昼堂々部下の胸を揉むとはいい度胸ですね、殺してあげましょうか?社会的に。」
「え!?俺今胸揉んでやした!?それは失敬。あまりに凹凸がないんで、板でもさすってんのかと思いやした。」
「よし、今殺す!肉体的にだ!」
「やれるもんならやってみな。」
「上等だ、ごらァ!!表出な!!」
ギャーギャー
ガヤガヤ
勝手に会議室を出ていく沖田と名前。
自由にお喋りを始める隊士たち。
床にめり込む上司。
土方は静かにタバコに火をつけた。
ー「ふぅーー。」(転職、しよっかな。)
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