負け犬
お名前
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ーーヒュゥゥ…
対峙する二人の間を風が抜ける。
「・・・銀時サン、あなたに恨みはありませんが、今からあなたは私の的です。」
「ほざくなよ、小娘が。銀さんの銀さんはなァ、てめぇみたいな小娘にしてやられる程ヤワじゃねぇんだよ。」
「行きますよぉ!」「来いやァ!」2人が同時に動いた!!
「おおっとォォ!?2人が同時に動いた!これは全くの同時だァ!金的を狙う名前と、狙われる銀時!打つか打たれるか!!さあ、勝者はどっちだァァ!?」「あー!オマエだけズルいヨ!!私も実況やりたいネ!!マイク貸すアル!!」「おい!てめェチャイナ!!離せ!!」「嫌アル!!オマエがマイク離すネ!!」ギャーギャー
(この2人は相変わらずだな…銀さん、僕は銀さんを応援しますよ!頑張ってください…!!)
※
「はぁ、はぁ!・・・なかなか、やりますね!銀時サン!」「へっ!銀さんがどれだけ修羅場をくぐり抜けてると思ってんだ!おめぇみたいな小娘ハナから相手じゃねぇんだよー!」べろべろばー!(こんな依頼ぜってーやりたくなかったけど、コリャチョロいな。悪ぃな沖田くん、ぼろ儲けだぜ!)
(うーん、さすがに旦那相手は厳しかったみたいですねィ。そろそろ止めねぇと…)
「むっ!まだまだ勝負はこれからですよぉ!」銀時の安い挑発にまんまと乗ってしまった名名前が銀時の方へ走ろうとしたその時だった。ズシャァ!名前は盛大に転んでしまった。もう、立つのもやっとの状態だったのだ。
「っ痛!!」「おい!大丈夫か!?」
立ち上がれない名前に、銀時が急いで駆け寄った。
「おい、立てるか…?」銀時が手を差し伸べる、「・・・はい」ギラッ!名前の目は一瞬の隙を見逃さなかった!
《ブンッ!!》
「!!!あぶねっ!」
「あ、当たっ…」ガクッ、名前はそこで気を失ってしまった。
(あ、あぶねーーー!!!油断も隙もありゃしねぇな!オイ!)銀時はドキドキと激しく鼓動する心臓に手を当てた。
その拳は、惜しくも銀時には届かなかった。
「旦那、ありがとうごぜぇやした。こいつは俺が連れて帰りやすんで。」じゃあまた、と言って沖田は名前を担いで帰って行った。
「銀ちゃん、危なかったネ。」
「僕は、ヒュッとしましたよ。」
「俺もまだ心臓がうるせーよ。・・・帰るか。依頼料も手に入ったし、美味いもん食いに行こーぜ。」
「キャッホォォォ!さすがアル!銀ちゃん!」
「いいですね!何食べましょう?やっぱり焼肉ですかね!?」
「おー、そうすっか。」
※
勝手に鍵を拝借して家に上がり込んだ沖田は、ベッドに名前を寝かせた。
(あーあ、派手に転ぶからジャージがドロドロでさァ。脱いだ方がいいんでしょうけど、さすがに脱がすのはマジィよな…)まったく世話の焼けるヤツでさァ、そう思いながら未だ目を覚まさない名前を見る。
(今日は痣がよく見える。女の顔をこんなになるまで殴るなんて、鬼畜の所業でさァ。痛かったろうな…)沖田は名前の目の下に残る痛々しい痣にそっと手を伸ばし優しく触れ…そうなところで目を覚ました名前と目が合った。
「・・・!」
「あの…」「なんですかぃ?」「いや、手…」
「ああ、アンタがあんまり目を覚まさないんでツネってやろうと思っただけでさァ。」沖田は何事も無かったかのようにその手を引っ込めた。
「だ、だよねぇ!?あーよかったなぁ、ツネられる前に目が覚めて!あははははー!」名前は慌てて起き上がり、ベッドの端に座り直して沖田と向き合った。
「・・・。」
やだぁ、なんか気まずぅぅぅい!なんでぇ!?
「あの沖田クン、運んでくれてありがとね。」
「期限を設けやす。」あるぇ?無視なの?
「俺も仕事がありやすし、いつまでも付き合う訳にはいかねぇんで。そうさなァ、期限はあんたのこの痣がキレイに消えるまでにしやす。」今度は、しっかりと触れた。
「え、あの、お、沖田ク…「自主トレ、明日から、あの公園で。俺がいなくてもサボんじゃねーぞ。」「が、がってんでぃ…」お願いだから至近距離で凄まないでぇ!ドキドキが止まらないからぁ!
「ま、俺も合間見て顔だしやすから。」励みなせぇよ、と言って名前の頬っぺをぎゅうとツネった。「いひゃい!」「じゃあな。」えー、結局ツネられたぁ!!
「あ、そういえば最後のアレは良かったですぜ、少し見直しやしたよ。名前。」バタン、玄関の扉が閉まる音がした。
(最後のアレってなんだろ?・・・あれ?今、名前呼んでくれた…?くれたよね?初めて呼んでくれたかも。えへへ。)嬉しくなってベッドに大の字に転がった名前の頬っぺがいつもより少しだけ熱をもっているのは、たぶんツネられたから、だけじゃない。たぶん。
(わっ!服ドロドロじゃん!ひぇ〜!)
(あーあ、名前のやつ俺の服まで泥だらけにしやがって。)
※
次の日から来る日も来る日も自主トレを欠かさなかった。
ある時は1人で、またある時は銀時と…そして、それは今日で最後になるだろう。
「銀時サン、今日こそは銀時サンの銀時サンを打たせていただきます。」
「ふっ、いい顔になりやがって。もう小娘なんて言えねーな。いいぜ名前、どっからでもかかって来やがれ!」
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「あの2人なかなかいい勝負になってきたね、神楽ちゃん。」「そうアルな、新八。銀ちゃん…もういつ打たれてもおかしくないって恐怖におののいてたヨ。」「クゥーーン。」
~30分後~
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「今日は一段と長いね、神楽ちゃん。」「そうアルな、新八。名前も最初に比べたら随分体力が付いたアル。この勝負、見逃せないネ。」「クゥーーン。」
~さらに10分後~
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「・・・。」キュッキュッ…フキフキ…
「おー、定春ゥ、ヨシヨシ。いい子アルなぁ。」
「ハッハッ!」
~さらにさらに10分後~
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「定春ゥ!これとっておいでェ!」ブンッ!
「おいィィィ!それ僕の眼鏡ェェェ!!!」
「ワンワン!」
~さらにさらにさらに10分後~
「はぁ、はぁ!・・・くっ!!!今日も、今日も打てなかった!!!」体力の限界だ。名前は悔しさの余りその場で膝を着き、不甲斐なさに打ちひしがれた。
「ぜぇ、ぜぇ!いや、俺をここまで追い込むたぁお前さんの成長っぷりには目を見張るもんがあるぜ。俺が保証してやる。ほら、顔上げな。」「銀時サン…!」「名前…!」二人の間にはある種師弟関係のような、そんな絆が生まれていたのだ。銀時は打ちひしがれる名前に手を差し出す。名前も銀時の手を固く握り立ち上がった。「銀時サン…!」「名前…!」銀時は名前を抱擁しようと両手を思い切り広げる。名前もそれに応えるため両手を広げ「銀時サン…御免!!!」容赦なく打ち込んだ。「キャァァァ!!??」ヤダ、銀時サン女の子になっちゃった?
1!2!3!銀時ダウン!カンカンカーーーン!!
ー「ぎ、銀さーーーん!!!」
ー「銀ちゃーーーん!!!」
ー「キャゥーーーン!!!」
対峙する二人の間を風が抜ける。
「・・・銀時サン、あなたに恨みはありませんが、今からあなたは私の的です。」
「ほざくなよ、小娘が。銀さんの銀さんはなァ、てめぇみたいな小娘にしてやられる程ヤワじゃねぇんだよ。」
「行きますよぉ!」「来いやァ!」2人が同時に動いた!!
「おおっとォォ!?2人が同時に動いた!これは全くの同時だァ!金的を狙う名前と、狙われる銀時!打つか打たれるか!!さあ、勝者はどっちだァァ!?」「あー!オマエだけズルいヨ!!私も実況やりたいネ!!マイク貸すアル!!」「おい!てめェチャイナ!!離せ!!」「嫌アル!!オマエがマイク離すネ!!」ギャーギャー
(この2人は相変わらずだな…銀さん、僕は銀さんを応援しますよ!頑張ってください…!!)
※
「はぁ、はぁ!・・・なかなか、やりますね!銀時サン!」「へっ!銀さんがどれだけ修羅場をくぐり抜けてると思ってんだ!おめぇみたいな小娘ハナから相手じゃねぇんだよー!」べろべろばー!(こんな依頼ぜってーやりたくなかったけど、コリャチョロいな。悪ぃな沖田くん、ぼろ儲けだぜ!)
(うーん、さすがに旦那相手は厳しかったみたいですねィ。そろそろ止めねぇと…)
「むっ!まだまだ勝負はこれからですよぉ!」銀時の安い挑発にまんまと乗ってしまった名名前が銀時の方へ走ろうとしたその時だった。ズシャァ!名前は盛大に転んでしまった。もう、立つのもやっとの状態だったのだ。
「っ痛!!」「おい!大丈夫か!?」
立ち上がれない名前に、銀時が急いで駆け寄った。
「おい、立てるか…?」銀時が手を差し伸べる、「・・・はい」ギラッ!名前の目は一瞬の隙を見逃さなかった!
《ブンッ!!》
「!!!あぶねっ!」
「あ、当たっ…」ガクッ、名前はそこで気を失ってしまった。
(あ、あぶねーーー!!!油断も隙もありゃしねぇな!オイ!)銀時はドキドキと激しく鼓動する心臓に手を当てた。
その拳は、惜しくも銀時には届かなかった。
「旦那、ありがとうごぜぇやした。こいつは俺が連れて帰りやすんで。」じゃあまた、と言って沖田は名前を担いで帰って行った。
「銀ちゃん、危なかったネ。」
「僕は、ヒュッとしましたよ。」
「俺もまだ心臓がうるせーよ。・・・帰るか。依頼料も手に入ったし、美味いもん食いに行こーぜ。」
「キャッホォォォ!さすがアル!銀ちゃん!」
「いいですね!何食べましょう?やっぱり焼肉ですかね!?」
「おー、そうすっか。」
※
勝手に鍵を拝借して家に上がり込んだ沖田は、ベッドに名前を寝かせた。
(あーあ、派手に転ぶからジャージがドロドロでさァ。脱いだ方がいいんでしょうけど、さすがに脱がすのはマジィよな…)まったく世話の焼けるヤツでさァ、そう思いながら未だ目を覚まさない名前を見る。
(今日は痣がよく見える。女の顔をこんなになるまで殴るなんて、鬼畜の所業でさァ。痛かったろうな…)沖田は名前の目の下に残る痛々しい痣にそっと手を伸ばし優しく触れ…そうなところで目を覚ました名前と目が合った。
「・・・!」
「あの…」「なんですかぃ?」「いや、手…」
「ああ、アンタがあんまり目を覚まさないんでツネってやろうと思っただけでさァ。」沖田は何事も無かったかのようにその手を引っ込めた。
「だ、だよねぇ!?あーよかったなぁ、ツネられる前に目が覚めて!あははははー!」名前は慌てて起き上がり、ベッドの端に座り直して沖田と向き合った。
「・・・。」
やだぁ、なんか気まずぅぅぅい!なんでぇ!?
「あの沖田クン、運んでくれてありがとね。」
「期限を設けやす。」あるぇ?無視なの?
「俺も仕事がありやすし、いつまでも付き合う訳にはいかねぇんで。そうさなァ、期限はあんたのこの痣がキレイに消えるまでにしやす。」今度は、しっかりと触れた。
「え、あの、お、沖田ク…「自主トレ、明日から、あの公園で。俺がいなくてもサボんじゃねーぞ。」「が、がってんでぃ…」お願いだから至近距離で凄まないでぇ!ドキドキが止まらないからぁ!
「ま、俺も合間見て顔だしやすから。」励みなせぇよ、と言って名前の頬っぺをぎゅうとツネった。「いひゃい!」「じゃあな。」えー、結局ツネられたぁ!!
「あ、そういえば最後のアレは良かったですぜ、少し見直しやしたよ。名前。」バタン、玄関の扉が閉まる音がした。
(最後のアレってなんだろ?・・・あれ?今、名前呼んでくれた…?くれたよね?初めて呼んでくれたかも。えへへ。)嬉しくなってベッドに大の字に転がった名前の頬っぺがいつもより少しだけ熱をもっているのは、たぶんツネられたから、だけじゃない。たぶん。
(わっ!服ドロドロじゃん!ひぇ〜!)
(あーあ、名前のやつ俺の服まで泥だらけにしやがって。)
※
次の日から来る日も来る日も自主トレを欠かさなかった。
ある時は1人で、またある時は銀時と…そして、それは今日で最後になるだろう。
「銀時サン、今日こそは銀時サンの銀時サンを打たせていただきます。」
「ふっ、いい顔になりやがって。もう小娘なんて言えねーな。いいぜ名前、どっからでもかかって来やがれ!」
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「あの2人なかなかいい勝負になってきたね、神楽ちゃん。」「そうアルな、新八。銀ちゃん…もういつ打たれてもおかしくないって恐怖におののいてたヨ。」「クゥーーン。」
~30分後~
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「今日は一段と長いね、神楽ちゃん。」「そうアルな、新八。名前も最初に比べたら随分体力が付いたアル。この勝負、見逃せないネ。」「クゥーーン。」
~さらに10分後~
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「・・・。」キュッキュッ…フキフキ…
「おー、定春ゥ、ヨシヨシ。いい子アルなぁ。」
「ハッハッ!」
~さらにさらに10分後~
「「うぉぉぉぉ!!!」」
「定春ゥ!これとっておいでェ!」ブンッ!
「おいィィィ!それ僕の眼鏡ェェェ!!!」
「ワンワン!」
~さらにさらにさらに10分後~
「はぁ、はぁ!・・・くっ!!!今日も、今日も打てなかった!!!」体力の限界だ。名前は悔しさの余りその場で膝を着き、不甲斐なさに打ちひしがれた。
「ぜぇ、ぜぇ!いや、俺をここまで追い込むたぁお前さんの成長っぷりには目を見張るもんがあるぜ。俺が保証してやる。ほら、顔上げな。」「銀時サン…!」「名前…!」二人の間にはある種師弟関係のような、そんな絆が生まれていたのだ。銀時は打ちひしがれる名前に手を差し出す。名前も銀時の手を固く握り立ち上がった。「銀時サン…!」「名前…!」銀時は名前を抱擁しようと両手を思い切り広げる。名前もそれに応えるため両手を広げ「銀時サン…御免!!!」容赦なく打ち込んだ。「キャァァァ!!??」ヤダ、銀時サン女の子になっちゃった?
1!2!3!銀時ダウン!カンカンカーーーン!!
ー「ぎ、銀さーーーん!!!」
ー「銀ちゃーーーん!!!」
ー「キャゥーーーン!!!」