負け犬
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翌日、朝10時、かぶき町公園。
名前は言われたとおり、動きやすい格好で化粧もせずに沖田の到着を待っていた。
(まだかな…約束の時間なんだけどな…)
10:15
(あれ?来ない…え、もしかして忘れられてる?いやいや、そんな訳…いやでもお互い飲んでたし、その可能性もあるんじゃ…)
10:30
(はぁ〜いい天気だなあ。あ、ちびっ子がシャボン玉やってるー。懐かしいなー。しゃーぼんだーまーとんだー、屋根までとんだー♬.*゚ってね〜うふふ…)
10:45
「おはようごぜえやす。負け犬。待ちやしたかィ?」
「沖田クンおっそーーーい!!!そしておはよぉぉぉ!!てっきり忘れられてるのかと思っちゃったよぉぉぉ!!」
「・・・朝っぱらから元気ですねィ。」俺あ、まだ寝みいや…と言いながら沖田は1枚の紙を差し出した。
「なぁに、これ?」
「何って、特訓のメニューでさァ。言ったろ?鍛えてやるって。徹夜して考えてやったんだから、感謝しなせェよ。」
「・・・!沖田クン!私なんかのために…!ありがとお!それで遅くなっちゃったんだね!怒ってゴメンネ!」
「いいってことでさァ。(まあ、嘘なんだけどねィ。ホントは朝テキトーに考えたやつでさァ。)」
どれどれ、と受け取った紙を見る、走り込み10km、スクワット100回、縄跳び100回、急所打ち込み練習2時間e.t.c...
「ご、ごめんなさい、無理です。すみません。ほんと、勘弁してください。どうにかもう少し、もう少しでいいんで、実現できそうなものにしてはいただけないでしょうか?」
沖田特製の特訓メニューはどう考えても実現不可能なものだったので、とりあえず交渉してみることにした。
「なあに甘っちょろいこと言ってんでさァ、だからアンタはいつまでたっても負け犬なんでィ。ったく仕方ねえなあ。貸してみな。」
はい、と紙を差し出すと、沖田は内容をさらさらと書き換えていった。
「これが最低ラインでィ。」
「・・・ありがとうございます!沖田クン!いや沖田様!これならなんとか、なんとか!!」
筋トレのきの字も経験の無い私にとっては十分キツイメニューではあるが、随分マシになった、と思う。
「じゃあまずは、走り込みからでさァ、今から公園100周な。」
「・・・へ?メニューと違、」
「いいから早く走りなせェ、この負け犬!!」
「行ってきまぁぁぁす!」メニューと違うんですけどぉぉぉ!!凄む沖田クン怖すぎるぅぅぅ!!
(あー、名前からかうのちょー面白れェ。)
※
ぜぇーーぜぇーー
スースー
ぜぇーーぜぇーー
スースー…パチ
「アリ?もう走り終わったんですかい?」目を覚ました沖田は独特な柄のアイマスクを外し、ぜーぜーと荒い息遣いで横に座っている名前に尋ねた。
「ぜー、ぜー、あと…70周…ぜー、残ってます。ちょ、ちょっとばかし休憩をば…」
「ふぅん。ま、いい時間なんで昼飯食って再開しやしょう。」分かりましたぁ!じゃ、また後で!とどこかに行こうとする名前のジャージの襟を沖田が掴んだ。
「ぐぇ。」
「どこ行くんでぃ。」
「あ、いや、家近いんで家で軽く「俺の飯は?」
・・・やめてぇぇぇ!?人のセリフを遮らないでぇぇぇ!?「なぁ、俺の飯は?」凄まないでぇぇぇ!ちょ、怖いからぁぁぁ!!
「・・・。あの、もしよかったらうちで一緒に食べますか…?」圧に屈した。ふん、最初からそう言いなせェ、と言ってパッと襟から手を離してくれた。でもまだちょっとふててるみたいだ。
(私には沖田クンがよく分からないよ…)
「そうと決まれば早く行きやしょう。」
「あ、うん。こっちだよー。」と言うと、へィ、と大人しく隣を歩いてくる沖田クン。へへ、なんか可愛い。「なにニヤけてるんでィ、気持ち悪いや。」・・・やっぱり可愛くはないかも。うん。
「ねえ沖田クン、何が食べたい?」
「・・・何があるんですかィ?」
「チャーハンならすぐできるかなぁ。」
「じゃあそれで。」
「はーい。」
(・・・ってあれ?流れでなんかうちに来ることになってるけど、大丈夫だよね…?え?部屋は…たぶんそんなに散らかってないハズ!ってか沖田クン可愛い顔してるけど、男の子だよね?え、まずいかな!?どうしよぉ!?でも今さら断れないしぃぃぃ。あぁぁぁ!なんで誘っちゃったんだ私!?でも家でゆっくりしたかったし…待って!?沖田クンいたらゆっくりできないよねぇ!?えぇぇぇ…やだぁぁぁ)
(あらら、百面相しちまってらァ。)
※
「どうぞ、散らかってますけど、てきとーに座っててください。」
「おじゃましまーす。」
5分もかからずうちに到着してしまった。もう考えるのは止めた。たぶん沖田クンは昼飯のことしか考えてないのだから。さくっとチャーハンを食べて、さくっと特訓を再開すればいいのだ。テーブルに沖田を案内し調理を開始した。
(ふーん、一人暮らしの女の家ってこんな感じなんですねィ。)普段から掃除なんかは小まめにやっているのだろう、キレイなものだ。屯所とは何もかもが違う。それに何かは分からないが甘いような、いい匂いがする…目を閉じて大きく息を吸うと居心地が良くてそのまま眠ってしまいそうだ。
(にしても、警戒心が欠如してますねぃ。昨日今日会ったばかりの男を家にあげるなんて。)仮にも警察という身分の自分が何かすることは絶対に有り得ないが。若干呆れながら部屋をぐるりと見渡すと元カレとの思い出の品だろう物が至る所に置かれているのが目に映った。
「チッ、早く捨てちまえばいいのに。」
「ん?何か言った?」
「いえ、何にも。」
そおー?と言いながら出来たてのチャーハンとスープをお盆に乗せて名前がこちらにやって来た。
「早かったですねィ。」
「やだなあ、チャーハンとスープくらいチョチョイのちょいだよぉ、どうぞ召し上がれ。」
「はい、いただきやす。」そう言って沖田は両手を合わせた後、パクパクと食べ始めた。「ん、美味いです。料理、上手なんですねィ。」
「へ、あ、ありがとー…」
(驚いた…わざわざ手を合わせていただきす、だなんて。)
「食べねぇんですかィ?」
「あ!いや、いただきます!」もぐもぐ…
(こんなに嬉しいことだったんだ…)
「「ごちそうさまでした!」」
※
「よし、じゃあ再開しやすぜ。」
うん、そしてスパルタ再開ってね!知ってたよ!
「じゃあ続き走って「まあ待ちなせえ。」・・・だから、セリフ遮らないでぇぇぇ!
「走り込みはアンタ1人でも出来るんで、別の特訓をやりまさぁ。」
「な、何を…?」
「ふ、急所への打ち込みでさあ…」沖田クン!その不敵な笑みはとっても怖いよ!?
「いいですかィ。相手は男です。つまり狙うべきは…分かりやすね?」
「き、金的…ですか?」ゴクリ…
「・・・ズバリ、そうでさァ!」やったぁぁぁ!正解だぁぁぁ!どんどんぱふぱふぅ!
「相手がどんな体制であろうと的確に的を打つべし!!」「打つべし!!」いぇーーい!ハイタッチィ!
「という訳で、的を用意しやした。」
「え?的?なんの的?ねぇ、ちょっと!怖いんだけど!聞いてる!?答えて!総一郎くん!?」
「旦那、総悟でさァ。」
「銀ちゃーーん頑張ってェ!」
「銀さーーん、久々の依頼なんですからね!しっかり頼みますよォ!?」
(・・・誰?)
突然現れた銀髪のオニィさんたち御一行。銀時サン、新八クン、神楽チャンと言うらしい。なんでも万事屋という何でも屋をやっているとか。え!?私今からこの人の金的を狙うってコト!?そうなの!?そうなのね!?沖田クン!?
「旦那、はいこれ。」
「ん?ナニコレ?嫌な予感しかしねーよ!?これ!?」
「金的カップでさぁ。」
「だよね!?そうだよね!?それでしかないもんね!?え、何!?今から金的狙われんの!?あのコに!?」勘弁してくれよォ、どんな拷問だよこれェ、と嘆く銀時に沖田が耳打ちする。
「旦那、依頼料はコレくらいで…」
「・・・。よっしゃあああ!!!見てろよ新八ィ!神楽ァ!銀さんやったるからなァァァ!ちょっと装着してくるんで、待っててくださいィィィ!」
(チョロいもんでさァ。)
「おい、負け犬。」
「何ですか、沖田クン。」
「あの人見た目はあんな感じですが、なかなかやるお人ですから、遠慮せずいきなせェ。」
「分かりました、沖田クン。」
(あらら、目が据わっちまってまさァ。)
ーィヨッシャァァ!どっからでも来いやァァァ!
ーこっちももう負けられないんだぁぁぁ!!
ー2人ともよく吠えてらァ
名前は言われたとおり、動きやすい格好で化粧もせずに沖田の到着を待っていた。
(まだかな…約束の時間なんだけどな…)
10:15
(あれ?来ない…え、もしかして忘れられてる?いやいや、そんな訳…いやでもお互い飲んでたし、その可能性もあるんじゃ…)
10:30
(はぁ〜いい天気だなあ。あ、ちびっ子がシャボン玉やってるー。懐かしいなー。しゃーぼんだーまーとんだー、屋根までとんだー♬.*゚ってね〜うふふ…)
10:45
「おはようごぜえやす。負け犬。待ちやしたかィ?」
「沖田クンおっそーーーい!!!そしておはよぉぉぉ!!てっきり忘れられてるのかと思っちゃったよぉぉぉ!!」
「・・・朝っぱらから元気ですねィ。」俺あ、まだ寝みいや…と言いながら沖田は1枚の紙を差し出した。
「なぁに、これ?」
「何って、特訓のメニューでさァ。言ったろ?鍛えてやるって。徹夜して考えてやったんだから、感謝しなせェよ。」
「・・・!沖田クン!私なんかのために…!ありがとお!それで遅くなっちゃったんだね!怒ってゴメンネ!」
「いいってことでさァ。(まあ、嘘なんだけどねィ。ホントは朝テキトーに考えたやつでさァ。)」
どれどれ、と受け取った紙を見る、走り込み10km、スクワット100回、縄跳び100回、急所打ち込み練習2時間e.t.c...
「ご、ごめんなさい、無理です。すみません。ほんと、勘弁してください。どうにかもう少し、もう少しでいいんで、実現できそうなものにしてはいただけないでしょうか?」
沖田特製の特訓メニューはどう考えても実現不可能なものだったので、とりあえず交渉してみることにした。
「なあに甘っちょろいこと言ってんでさァ、だからアンタはいつまでたっても負け犬なんでィ。ったく仕方ねえなあ。貸してみな。」
はい、と紙を差し出すと、沖田は内容をさらさらと書き換えていった。
「これが最低ラインでィ。」
「・・・ありがとうございます!沖田クン!いや沖田様!これならなんとか、なんとか!!」
筋トレのきの字も経験の無い私にとっては十分キツイメニューではあるが、随分マシになった、と思う。
「じゃあまずは、走り込みからでさァ、今から公園100周な。」
「・・・へ?メニューと違、」
「いいから早く走りなせェ、この負け犬!!」
「行ってきまぁぁぁす!」メニューと違うんですけどぉぉぉ!!凄む沖田クン怖すぎるぅぅぅ!!
(あー、名前からかうのちょー面白れェ。)
※
ぜぇーーぜぇーー
スースー
ぜぇーーぜぇーー
スースー…パチ
「アリ?もう走り終わったんですかい?」目を覚ました沖田は独特な柄のアイマスクを外し、ぜーぜーと荒い息遣いで横に座っている名前に尋ねた。
「ぜー、ぜー、あと…70周…ぜー、残ってます。ちょ、ちょっとばかし休憩をば…」
「ふぅん。ま、いい時間なんで昼飯食って再開しやしょう。」分かりましたぁ!じゃ、また後で!とどこかに行こうとする名前のジャージの襟を沖田が掴んだ。
「ぐぇ。」
「どこ行くんでぃ。」
「あ、いや、家近いんで家で軽く「俺の飯は?」
・・・やめてぇぇぇ!?人のセリフを遮らないでぇぇぇ!?「なぁ、俺の飯は?」凄まないでぇぇぇ!ちょ、怖いからぁぁぁ!!
「・・・。あの、もしよかったらうちで一緒に食べますか…?」圧に屈した。ふん、最初からそう言いなせェ、と言ってパッと襟から手を離してくれた。でもまだちょっとふててるみたいだ。
(私には沖田クンがよく分からないよ…)
「そうと決まれば早く行きやしょう。」
「あ、うん。こっちだよー。」と言うと、へィ、と大人しく隣を歩いてくる沖田クン。へへ、なんか可愛い。「なにニヤけてるんでィ、気持ち悪いや。」・・・やっぱり可愛くはないかも。うん。
「ねえ沖田クン、何が食べたい?」
「・・・何があるんですかィ?」
「チャーハンならすぐできるかなぁ。」
「じゃあそれで。」
「はーい。」
(・・・ってあれ?流れでなんかうちに来ることになってるけど、大丈夫だよね…?え?部屋は…たぶんそんなに散らかってないハズ!ってか沖田クン可愛い顔してるけど、男の子だよね?え、まずいかな!?どうしよぉ!?でも今さら断れないしぃぃぃ。あぁぁぁ!なんで誘っちゃったんだ私!?でも家でゆっくりしたかったし…待って!?沖田クンいたらゆっくりできないよねぇ!?えぇぇぇ…やだぁぁぁ)
(あらら、百面相しちまってらァ。)
※
「どうぞ、散らかってますけど、てきとーに座っててください。」
「おじゃましまーす。」
5分もかからずうちに到着してしまった。もう考えるのは止めた。たぶん沖田クンは昼飯のことしか考えてないのだから。さくっとチャーハンを食べて、さくっと特訓を再開すればいいのだ。テーブルに沖田を案内し調理を開始した。
(ふーん、一人暮らしの女の家ってこんな感じなんですねィ。)普段から掃除なんかは小まめにやっているのだろう、キレイなものだ。屯所とは何もかもが違う。それに何かは分からないが甘いような、いい匂いがする…目を閉じて大きく息を吸うと居心地が良くてそのまま眠ってしまいそうだ。
(にしても、警戒心が欠如してますねぃ。昨日今日会ったばかりの男を家にあげるなんて。)仮にも警察という身分の自分が何かすることは絶対に有り得ないが。若干呆れながら部屋をぐるりと見渡すと元カレとの思い出の品だろう物が至る所に置かれているのが目に映った。
「チッ、早く捨てちまえばいいのに。」
「ん?何か言った?」
「いえ、何にも。」
そおー?と言いながら出来たてのチャーハンとスープをお盆に乗せて名前がこちらにやって来た。
「早かったですねィ。」
「やだなあ、チャーハンとスープくらいチョチョイのちょいだよぉ、どうぞ召し上がれ。」
「はい、いただきやす。」そう言って沖田は両手を合わせた後、パクパクと食べ始めた。「ん、美味いです。料理、上手なんですねィ。」
「へ、あ、ありがとー…」
(驚いた…わざわざ手を合わせていただきす、だなんて。)
「食べねぇんですかィ?」
「あ!いや、いただきます!」もぐもぐ…
(こんなに嬉しいことだったんだ…)
「「ごちそうさまでした!」」
※
「よし、じゃあ再開しやすぜ。」
うん、そしてスパルタ再開ってね!知ってたよ!
「じゃあ続き走って「まあ待ちなせえ。」・・・だから、セリフ遮らないでぇぇぇ!
「走り込みはアンタ1人でも出来るんで、別の特訓をやりまさぁ。」
「な、何を…?」
「ふ、急所への打ち込みでさあ…」沖田クン!その不敵な笑みはとっても怖いよ!?
「いいですかィ。相手は男です。つまり狙うべきは…分かりやすね?」
「き、金的…ですか?」ゴクリ…
「・・・ズバリ、そうでさァ!」やったぁぁぁ!正解だぁぁぁ!どんどんぱふぱふぅ!
「相手がどんな体制であろうと的確に的を打つべし!!」「打つべし!!」いぇーーい!ハイタッチィ!
「という訳で、的を用意しやした。」
「え?的?なんの的?ねぇ、ちょっと!怖いんだけど!聞いてる!?答えて!総一郎くん!?」
「旦那、総悟でさァ。」
「銀ちゃーーん頑張ってェ!」
「銀さーーん、久々の依頼なんですからね!しっかり頼みますよォ!?」
(・・・誰?)
突然現れた銀髪のオニィさんたち御一行。銀時サン、新八クン、神楽チャンと言うらしい。なんでも万事屋という何でも屋をやっているとか。え!?私今からこの人の金的を狙うってコト!?そうなの!?そうなのね!?沖田クン!?
「旦那、はいこれ。」
「ん?ナニコレ?嫌な予感しかしねーよ!?これ!?」
「金的カップでさぁ。」
「だよね!?そうだよね!?それでしかないもんね!?え、何!?今から金的狙われんの!?あのコに!?」勘弁してくれよォ、どんな拷問だよこれェ、と嘆く銀時に沖田が耳打ちする。
「旦那、依頼料はコレくらいで…」
「・・・。よっしゃあああ!!!見てろよ新八ィ!神楽ァ!銀さんやったるからなァァァ!ちょっと装着してくるんで、待っててくださいィィィ!」
(チョロいもんでさァ。)
「おい、負け犬。」
「何ですか、沖田クン。」
「あの人見た目はあんな感じですが、なかなかやるお人ですから、遠慮せずいきなせェ。」
「分かりました、沖田クン。」
(あらら、目が据わっちまってまさァ。)
ーィヨッシャァァ!どっからでも来いやァァァ!
ーこっちももう負けられないんだぁぁぁ!!
ー2人ともよく吠えてらァ