SSS

書きかけ供養

2025/03/27 23:32

 初年は例外として除くとして、その後二年続けてインターン先はジーニアスを選んだくらいだから、袴田としてはもう本決まりくらいのつもりでいたのだが、爆豪はジーニアスへの入所を渋った。まったく予想外だった。
「うちよりホワイトデニムな事務所もそうないぞ」
「いやそりゃわかってっけど。稼ぎてえんだよな」
 驚いた。うちでもできるだろうがそんなことは。
「ちなみに他の事務所からのスカウトは?」
「来てるけど教えねえよ。なんかやな予感する」
 予感は正解だ。一つひとつネガティブキャンペーンくらいはおそらくできるししかねない。
「年棒についての交渉次第ということか?」
「まあそうだな」
 事務所は共同体だ。所長といえども、ベストジーニスト個人の裁量で全てが決められるわけではない。一旦引き取ってまた話し合いの場を設けることにする。可能ならそれまでにイレイザーヘッドをこちらに取り込み話を進めたいなと頭の片隅で考える。エッジショットは結構爆豪の意志を尊重するから下手な説明では味方になってくれないだろう。スケジュールを突き合わせつつ、一つ問いかける。
「ちなみに希望年収は」
「可能な限り、どれだけでも高く」
「馬鹿にしている?」
「本気で言ってる」
 目を見れば事実本気の顔をしているのだった。これは交渉に失敗するかもしれないな、と少しだけよぎった。
「どうしてそんなに金が欲しいんだ」
 金銭面でコンプレックスでもあったかな、と絶対に口には出せないことが頭をよぎるが、爆豪のねじくれた部分がそれに由来しないことくらいは見ていればわかる。余計に謎だった。
「……目標があって、かかる金が青天井」
 払ってやろうか、と一瞬自分が口に出すかと思った。袴田はこの子どものヒーローとしてのあり方を眩く思っている。金で解決できることならそれなりに力にはなれるだろう。言葉を発するのを踏みとどまれたのは、何か理由があるということを表情の切実さから読み取れたからだ。施しともいえるものを素直に受け取るとは思えないのもある。

追記
たぶんペイパー(略)と同じ話すぎるからボツにしたんだと思うんだけどマジで記憶がない

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