あの時の選択が間違えだったのか今でも答えは分からない。
大阪城で真田の大将が死んだ。
大将の首が落とされるのが耐えられなくて、俺は死体を隠した。
隠したところで、死んだ現実が変わる訳じゃない。
「やっぱり、俺が隠したりしたせいなのかなぁ」
「浮かない顔してるねー」
「あー、そう？」
気さくに声をかけてきたのは前田慶次。
生まれ変わりじゃないかと思うほど、そっくりそのまんまだった。
他にもよく似たやつはたくさんいた。
平和な世に、戦国時代の連中が全員生まれ変わってきたのかと思うほど、だれもかれもが似ていた。
俺も前世の記憶なんてなければ、こんな風に考えることもなかったんだろうけど、考え出すと止まらない。
のんきに学生生活を送っているけど、ずっと俺は探していた。
もしも生まれ変わっているのなら、きっと近くにいると思っていた。だけど真田の旦那だけはどうしても出会えなかった。
これは俺に対しての罰なのだろうか。
できる事なら、もう一度アンタに会いたいよ。
背中を守り切れなかった事、ずっと謝りたいと思っていた。

次に生まれ変わったら、その時こそは真田の旦那にまた会えるだろうか…。