生まれ変わってもまた忍びとして
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戦国時代、そこにはまだアイスもケーキも存在しない。
旦那の甘味といえば団子。いやね、十分嬉しそうに食べているからいいんだけどさ
俺様としては未来の菓子を食べた反応を見てみたい訳よ。
とはいえ、それを旦那が気に入ってくれるかどうかは別の問題で実に悩ましい。
「佐助ェ!そろそろ―――」
「はいはーい、団子の用意ならできてるよ」
「流石、我が忍!」
「いやいや、団子の用意くらいで褒めるなんて」
すごい、旦那は事あるごとに褒めてくれる。
あー、なんか仕事がんばろーって思えてくるんだよね。以前は褒めるより給料上げてほしいってばっかり思っていたけど
給料だけじゃなくて、こうしたやりがいもやっぱり有ると無いとじゃ大分違うと思うんだよ、うんうん。
「して、佐助…。最近何を悩んでおるのだ?戦の事とは違うようだが、随分と表情が暗いぞ」
「あー…ちょっとね。頑張ってる旦那に南蛮の菓子を用意してみようかなって思ってたんだけどさ。
口に合わなかったらどうしようかなって」
「そんなことはないぞ!佐助が用意してくれたものなら何でも喜んで食べるに決まっておろう!」
やだ、嬉しい事言ってくれるじゃない。ホント、旦那がいるとやる気のモチベーション上がるってもんよ。
「それじゃ、明日からいろいろ作ってみるよ」
材料を用意するところから始めないとな。席を立とうとすると、旦那に服を引っ張られた。
「……今日は、無いのか?」
「今日は無いね。いや、そんな悲しそうな目で見ないでって。仕方ないでしょ、今日は団子の予定で用意してたんだから」
あーもう!なんなんだよ、このおねだり顔は!クラっときちゃうじゃないか!
時代が時代なら旦那はアイドルとかやってそうだよな。絶対モテるって。いや、ダメだ。
芸能界なんて汚い世界に旦那を入れるわけにはいかない、悪い虫が着いたら困る。
もし入るなら俺がマネージャーだ!
「うむ…無理を言って済まない。なら明日から期待しておるぞ、佐助!」
「期待されると嬉しいね、俺様頑張っちゃう」
もう本当に、今の生活を失いたくない。
俺はかなり旦那をフォローする側で苦労していたと思っていたけど、それ以上に旦那という存在に救われていたんだなと実感する。
「さて、とはいえいきなり馴染みがなさすぎるものを出すのも驚かれるよな」
どら焼きがあるなら、ホットケーキでもいいかな。
……あれ、そういえばバターや生クリームがない…
俺が作らないといけないのか……今からで間に合うのか?
バターは余裕だ、問題は生クリーム。くそ、スマホがあれば調べられるのに。
思い出せ、戦国時代だったらどうやって再現すればいいかを考えていたんだから、記憶のどこかに残っているはずだ。
あー、レシピ本もってこっちに帰ってきたかった……。
いや、俺様ならできる。きっと覚えているはず!
今からオーブンを作るのは忙しい。石窯はやろうと思えば作れる。
問題は冷蔵庫だ。なんてことだ、俺のBASARAが氷だったらこの問題は解決だったのに…!
いや、待てよ……。前田のところの確か、まつさんは昔氷を扱っていたはずだ。氷を使うコツとか知っているかもしれない!
急いで前田の領地へ向かった――――
* * * * *
明け方になりやっと帰ってきた佐助は某のおやつを用意するため、何やら忙しそうだった。
つい何でもこなして見せる佐助に頼りすぎて、無理をさせていないか心配で声をかけるが「このくらい朝飯前だよ」と言って気にしていない様子だった。
あれは寝不足からくるから元気ではないのかとも思ったが、本人が楽しそうにしているのでそれ以上は何も言わなかった。
そして約束の時間。
「何やら甘い匂いがするでござる」
南蛮の菓子を再現すると言っておったが、佐助はいつそんな知識を手に入れたのだろうか。
「あ、旦那。ちょうど焼けたところだから。口に合うといいんだけど」
佐助が差し出してきたものは茶色い塊だった。
箸で固さを確認してみると、とても柔らかい。
「こっちはお好みで…っていっても困るか」
白い塊もやはり柔らかく、それのみで口に運んでみると、甘くふわりと蕩けるような感触だった。
「なんだこれは!」
「牛の乳から作った生クリームってものらしいよ。パンケーキと一緒に食べるんだ」
「ふむ、どちらも柔らかく……何という事だ。佐助!大きいのにあっという間に消えてしまった!」
「消えたんじゃなくて食べたんでしょ。まったく。……でも、まぁ不味くはなかったみたいで安心したよ」
ほっとしたように佐助は笑った。
「美味かった、食べたことがないものだったが気に入ったぞ佐助!」
「それはよかった。ほかにもいろいろ出すつもりだから、どれが一番好きか今度教えてよ」
「なに、ほかにもあるのか。明日が楽しみでござる!」
旦那の甘味といえば団子。いやね、十分嬉しそうに食べているからいいんだけどさ
俺様としては未来の菓子を食べた反応を見てみたい訳よ。
とはいえ、それを旦那が気に入ってくれるかどうかは別の問題で実に悩ましい。
「佐助ェ!そろそろ―――」
「はいはーい、団子の用意ならできてるよ」
「流石、我が忍!」
「いやいや、団子の用意くらいで褒めるなんて」
すごい、旦那は事あるごとに褒めてくれる。
あー、なんか仕事がんばろーって思えてくるんだよね。以前は褒めるより給料上げてほしいってばっかり思っていたけど
給料だけじゃなくて、こうしたやりがいもやっぱり有ると無いとじゃ大分違うと思うんだよ、うんうん。
「して、佐助…。最近何を悩んでおるのだ?戦の事とは違うようだが、随分と表情が暗いぞ」
「あー…ちょっとね。頑張ってる旦那に南蛮の菓子を用意してみようかなって思ってたんだけどさ。
口に合わなかったらどうしようかなって」
「そんなことはないぞ!佐助が用意してくれたものなら何でも喜んで食べるに決まっておろう!」
やだ、嬉しい事言ってくれるじゃない。ホント、旦那がいるとやる気のモチベーション上がるってもんよ。
「それじゃ、明日からいろいろ作ってみるよ」
材料を用意するところから始めないとな。席を立とうとすると、旦那に服を引っ張られた。
「……今日は、無いのか?」
「今日は無いね。いや、そんな悲しそうな目で見ないでって。仕方ないでしょ、今日は団子の予定で用意してたんだから」
あーもう!なんなんだよ、このおねだり顔は!クラっときちゃうじゃないか!
時代が時代なら旦那はアイドルとかやってそうだよな。絶対モテるって。いや、ダメだ。
芸能界なんて汚い世界に旦那を入れるわけにはいかない、悪い虫が着いたら困る。
もし入るなら俺がマネージャーだ!
「うむ…無理を言って済まない。なら明日から期待しておるぞ、佐助!」
「期待されると嬉しいね、俺様頑張っちゃう」
もう本当に、今の生活を失いたくない。
俺はかなり旦那をフォローする側で苦労していたと思っていたけど、それ以上に旦那という存在に救われていたんだなと実感する。
「さて、とはいえいきなり馴染みがなさすぎるものを出すのも驚かれるよな」
どら焼きがあるなら、ホットケーキでもいいかな。
……あれ、そういえばバターや生クリームがない…
俺が作らないといけないのか……今からで間に合うのか?
バターは余裕だ、問題は生クリーム。くそ、スマホがあれば調べられるのに。
思い出せ、戦国時代だったらどうやって再現すればいいかを考えていたんだから、記憶のどこかに残っているはずだ。
あー、レシピ本もってこっちに帰ってきたかった……。
いや、俺様ならできる。きっと覚えているはず!
今からオーブンを作るのは忙しい。石窯はやろうと思えば作れる。
問題は冷蔵庫だ。なんてことだ、俺のBASARAが氷だったらこの問題は解決だったのに…!
いや、待てよ……。前田のところの確か、まつさんは昔氷を扱っていたはずだ。氷を使うコツとか知っているかもしれない!
急いで前田の領地へ向かった――――
* * * * *
明け方になりやっと帰ってきた佐助は某のおやつを用意するため、何やら忙しそうだった。
つい何でもこなして見せる佐助に頼りすぎて、無理をさせていないか心配で声をかけるが「このくらい朝飯前だよ」と言って気にしていない様子だった。
あれは寝不足からくるから元気ではないのかとも思ったが、本人が楽しそうにしているのでそれ以上は何も言わなかった。
そして約束の時間。
「何やら甘い匂いがするでござる」
南蛮の菓子を再現すると言っておったが、佐助はいつそんな知識を手に入れたのだろうか。
「あ、旦那。ちょうど焼けたところだから。口に合うといいんだけど」
佐助が差し出してきたものは茶色い塊だった。
箸で固さを確認してみると、とても柔らかい。
「こっちはお好みで…っていっても困るか」
白い塊もやはり柔らかく、それのみで口に運んでみると、甘くふわりと蕩けるような感触だった。
「なんだこれは!」
「牛の乳から作った生クリームってものらしいよ。パンケーキと一緒に食べるんだ」
「ふむ、どちらも柔らかく……何という事だ。佐助!大きいのにあっという間に消えてしまった!」
「消えたんじゃなくて食べたんでしょ。まったく。……でも、まぁ不味くはなかったみたいで安心したよ」
ほっとしたように佐助は笑った。
「美味かった、食べたことがないものだったが気に入ったぞ佐助!」
「それはよかった。ほかにもいろいろ出すつもりだから、どれが一番好きか今度教えてよ」
「なに、ほかにもあるのか。明日が楽しみでござる!」