奥州と燭台切と胃痛の審神者
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まだまだ審神者初心者の和海です。
この度めでたく燭台切光忠が我が本丸にやってきてくれました。
「やった、やったよ清光君!太刀だよ!」
「やったね主!短刀の育成がはかどるよ!」
うわーんと清光君と抱き合って喜んでいると、少し困ったような顔でよろしくねと声を掛けられた。
「我が本丸に来てくれて本当にありがとう!もう、今夜は宴だ」
「すごく喜んでもらえているみたいで、僕もうれしいよ」
固い握手を交わした時、ズキンと頭痛に襲われた。
「主?大丈夫」
「ああ…清光くん、大丈夫だよ。いや、ちょっと妙なものが見えただけだから」
「妙なもの?」
手を握られた光忠君は困ったような顔をしている。
私も同じように困った顔を浮かべてしまう。
「光忠君、私はまだまだ刀の歴史について詳しくないんだけど…君の元持ち主について教えてほしいんだ。誰が扱っていたの?」
「僕の持ち主は伊達政宗公だよ」
あー…だからなのかな。
私は予知夢を見ることや、物の歴史をサイコメトリーすることがたまにある。だけど、これはおかしい。
清光君の時は新選組の人が見えた。けれど、光忠君の手を握った際に見えたのは青い装束の武将。
……いやいや、歴史が違いますからね。
きっと気のせいだろう。そうであってほしい。
「もしかして、何か見えちゃった?」
「見えちゃった、まぁ問題はないと思うんだ」
サイコメトリーの影響でその日の夢は、夢の中で見たものを実体験化のように体感することになる。
今夜は光忠君の夢かな…そう思いながら、私は夕食の準備に取り掛かることにした。
「僕も何か手伝うよ」
「そんな、来てもらったばかりですし、ゆっくりしててください」
「僕も料理は得意なんだよ」
「……伊達政宗さんの影響ですかね?」
「かもしれないね」
人になったばかりだというのに本当に彼は料理が上手だった。
料理ができることが審神者として唯一誇れるところだったのにお株が奪われてしまう!
……他にも料理得意な刀剣もいるのかな?
不安になりながらも料理を終え、夕食を迎えることに。
自己紹介後、みんなで食事をする。
ただ、どうしても私は見えたものに納得できず、宴を抜け出して廊下で考えていた。
「君はもう食べないの?」
「ああ…光忠君。ごめん、ちょっと考え事」
「……僕の事で?」
背の高い彼が私に視線を合わせるためにしゃがんでくれる姿にきゅんとしてしまう。なんでホストのようにかっこいいの?
いや刀剣男子はみんなそれどれかっこいいんだけど……
「そうといえば、そうかな?新しい刀剣がくると、元持ち主の事を考えることが多くてね……」
そう呟きながら、本丸の異常に気付く。
襲撃…とも少し違う。だが、ゲートの周辺でゆがみを感じる。
「ちょっと調べてくる。光忠君、清光君呼んできて!」
「わかったよ」
急いでゲートに向かう、どこかへつなげようと歪んでいる。
向こうからアクセスしてこようというのか。
「主!」
「清光君、何か変なんだ」
「もー、こんのすけはどこ行ったんだ?」
「分かんない。もしかして、それが原因?」
「二人とも!」
装備を整えた光忠君も駆けつけてくれた。その時だった、ゲートに吸い込まれてしまった。
長い手をとっさに伸ばし光忠君が私をつかんだけど、吸い込む強さに勝てず、私と光忠君はどこへつながっているかもわからないゲートに飲み込まれた。
・・・・・・・・
目の前では戦の真っ最中だった。
「ここは戦国時代…だけど、何か違う」
戦国の刀である光忠君には何か感じるものがあるようだ。
何が違うのかは私には即わかって胃が痛くなった。
「君、大丈夫かい?」
「大丈夫じゃないよー…清光君たすけてー。帰りたいよー」
本丸にいる清光君に助けを求める念を送ったけど、届くわけがない。
ここは歴史が違う。改編ではない、そもそも世界が違う。
「光忠君、全力でこの戦場から逃げよう。私につかまって」
「え、うん」
懐から折り紙を取り出し、すでに折ってある鶴を具現化して飛び乗った。
上空から戦場を見下ろし、戦とあまり関係がなさそうな場所を目指すが飛び上がったのは失敗だった。
「くぅ!」
とっさに光忠君が攻撃を受け流してくれたが、飛んできたのは手裏剣。
迷彩柄の忍者、そして地上では赤と青の武将がぶつかり合っている。
「やっぱBASARAワールドじゃん!」
先輩本丸などにも聞いていた、ゲートの異常で他の世界につながったりしてトリップしてしまう事案。
まさか自分が経験するなんて。
「オタクら、伊達の忍び…ってわけでもなさそうだね」
「ここに伊達政宗公が?」
「光忠君、その辺後で説明するから今は逃げるよー!」
折り紙の手裏剣を佐助に投げつけ、隙をついて人気のない森に姿を隠した。
「あのね……ここは戦国時代なんだけど、私たちの歴史とは違う並行世界というか異世界というか、まるで違う生態系の日本の戦国なの」
「日本であることには違いないのかい?」
「うーん、多分?ただ、ここに居る武将たちはBASARA技というかね、特殊能力を持っているんだ。
光忠君の主、伊達政宗さんは雷属性で雷撃とかなんか出せるよ」
「そんな、すごい事を!」
あ、目をキラキラさせて喜んでいる。
でもこの世界だと燭台切光忠ってあったっけ?
伊達というつながりだけで呼ばれたのかな。
「とにかく、こんのすけと連絡とる方法と本丸への帰還方法を考えないと」
「……少しだけ、政宗公を見ることはできないかな」
「別人だからやめておいた方がいいんじゃないかな」
私も見てみたいけど、近づく勇気はない。
特に今は盛り上がっている最中だったし。
ここはどこだろう、奥州なのかな。
何もわからないし、だれとも連絡がつかない。
光忠君ともまだ主従関係はできていないというのに、心細すぎる。
……私、帰れるのかな。
この度めでたく燭台切光忠が我が本丸にやってきてくれました。
「やった、やったよ清光君!太刀だよ!」
「やったね主!短刀の育成がはかどるよ!」
うわーんと清光君と抱き合って喜んでいると、少し困ったような顔でよろしくねと声を掛けられた。
「我が本丸に来てくれて本当にありがとう!もう、今夜は宴だ」
「すごく喜んでもらえているみたいで、僕もうれしいよ」
固い握手を交わした時、ズキンと頭痛に襲われた。
「主?大丈夫」
「ああ…清光くん、大丈夫だよ。いや、ちょっと妙なものが見えただけだから」
「妙なもの?」
手を握られた光忠君は困ったような顔をしている。
私も同じように困った顔を浮かべてしまう。
「光忠君、私はまだまだ刀の歴史について詳しくないんだけど…君の元持ち主について教えてほしいんだ。誰が扱っていたの?」
「僕の持ち主は伊達政宗公だよ」
あー…だからなのかな。
私は予知夢を見ることや、物の歴史をサイコメトリーすることがたまにある。だけど、これはおかしい。
清光君の時は新選組の人が見えた。けれど、光忠君の手を握った際に見えたのは青い装束の武将。
……いやいや、歴史が違いますからね。
きっと気のせいだろう。そうであってほしい。
「もしかして、何か見えちゃった?」
「見えちゃった、まぁ問題はないと思うんだ」
サイコメトリーの影響でその日の夢は、夢の中で見たものを実体験化のように体感することになる。
今夜は光忠君の夢かな…そう思いながら、私は夕食の準備に取り掛かることにした。
「僕も何か手伝うよ」
「そんな、来てもらったばかりですし、ゆっくりしててください」
「僕も料理は得意なんだよ」
「……伊達政宗さんの影響ですかね?」
「かもしれないね」
人になったばかりだというのに本当に彼は料理が上手だった。
料理ができることが審神者として唯一誇れるところだったのにお株が奪われてしまう!
……他にも料理得意な刀剣もいるのかな?
不安になりながらも料理を終え、夕食を迎えることに。
自己紹介後、みんなで食事をする。
ただ、どうしても私は見えたものに納得できず、宴を抜け出して廊下で考えていた。
「君はもう食べないの?」
「ああ…光忠君。ごめん、ちょっと考え事」
「……僕の事で?」
背の高い彼が私に視線を合わせるためにしゃがんでくれる姿にきゅんとしてしまう。なんでホストのようにかっこいいの?
いや刀剣男子はみんなそれどれかっこいいんだけど……
「そうといえば、そうかな?新しい刀剣がくると、元持ち主の事を考えることが多くてね……」
そう呟きながら、本丸の異常に気付く。
襲撃…とも少し違う。だが、ゲートの周辺でゆがみを感じる。
「ちょっと調べてくる。光忠君、清光君呼んできて!」
「わかったよ」
急いでゲートに向かう、どこかへつなげようと歪んでいる。
向こうからアクセスしてこようというのか。
「主!」
「清光君、何か変なんだ」
「もー、こんのすけはどこ行ったんだ?」
「分かんない。もしかして、それが原因?」
「二人とも!」
装備を整えた光忠君も駆けつけてくれた。その時だった、ゲートに吸い込まれてしまった。
長い手をとっさに伸ばし光忠君が私をつかんだけど、吸い込む強さに勝てず、私と光忠君はどこへつながっているかもわからないゲートに飲み込まれた。
・・・・・・・・
目の前では戦の真っ最中だった。
「ここは戦国時代…だけど、何か違う」
戦国の刀である光忠君には何か感じるものがあるようだ。
何が違うのかは私には即わかって胃が痛くなった。
「君、大丈夫かい?」
「大丈夫じゃないよー…清光君たすけてー。帰りたいよー」
本丸にいる清光君に助けを求める念を送ったけど、届くわけがない。
ここは歴史が違う。改編ではない、そもそも世界が違う。
「光忠君、全力でこの戦場から逃げよう。私につかまって」
「え、うん」
懐から折り紙を取り出し、すでに折ってある鶴を具現化して飛び乗った。
上空から戦場を見下ろし、戦とあまり関係がなさそうな場所を目指すが飛び上がったのは失敗だった。
「くぅ!」
とっさに光忠君が攻撃を受け流してくれたが、飛んできたのは手裏剣。
迷彩柄の忍者、そして地上では赤と青の武将がぶつかり合っている。
「やっぱBASARAワールドじゃん!」
先輩本丸などにも聞いていた、ゲートの異常で他の世界につながったりしてトリップしてしまう事案。
まさか自分が経験するなんて。
「オタクら、伊達の忍び…ってわけでもなさそうだね」
「ここに伊達政宗公が?」
「光忠君、その辺後で説明するから今は逃げるよー!」
折り紙の手裏剣を佐助に投げつけ、隙をついて人気のない森に姿を隠した。
「あのね……ここは戦国時代なんだけど、私たちの歴史とは違う並行世界というか異世界というか、まるで違う生態系の日本の戦国なの」
「日本であることには違いないのかい?」
「うーん、多分?ただ、ここに居る武将たちはBASARA技というかね、特殊能力を持っているんだ。
光忠君の主、伊達政宗さんは雷属性で雷撃とかなんか出せるよ」
「そんな、すごい事を!」
あ、目をキラキラさせて喜んでいる。
でもこの世界だと燭台切光忠ってあったっけ?
伊達というつながりだけで呼ばれたのかな。
「とにかく、こんのすけと連絡とる方法と本丸への帰還方法を考えないと」
「……少しだけ、政宗公を見ることはできないかな」
「別人だからやめておいた方がいいんじゃないかな」
私も見てみたいけど、近づく勇気はない。
特に今は盛り上がっている最中だったし。
ここはどこだろう、奥州なのかな。
何もわからないし、だれとも連絡がつかない。
光忠君ともまだ主従関係はできていないというのに、心細すぎる。
……私、帰れるのかな。
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