天下統一計画(仮)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「―――して、辞世の句は用意できたか?」
「すみません、でもほんと、今回に関しては俺悪くないのよ」
毛利の前で土下座する俺。
もう力関係は完全に覆らない。いや、武力なら俺の方が上になったはずなんだけど、メンタル的に勝てそうにない。
俺が土下座することになった理由は外出禁止を破ったから。
急いで戻ってきたけど、留守の瞬間を毛利に見られていたせいです。
なんで外出する必要ができたかというと、というかこれは俺が自分の意志で移動したというより気づいたら伊予にいたんですよ。
伊予に着いたら長曾我部は死にかけているし、伊予軍は死屍累々って感じだし、鳳凰寺は暴走しているし困惑しかないわけだ。
「和海さん…なんで?」
鶴姫の言葉に俺もほんとなんで?って顔で応じる。
まぁ、たぶん暴走した鳳凰寺が何かしたんじゃないかな。
あの状態って俺が過去に死の国を作った時みたいな状態だろうし……。原因は長曾我部の怪我だろう。
とりあえずまだ死んでいないが、虫の息。
この状態を見せられて、殺されたと勘違いして怒りのあまりの大暴走ってところかな。
うん、仕方ないか。
「どうするきだ?」
「なに、いろいろ聞きたいことがあるんでチカに死なれると困る」
「ダメです!」
鶴姫は必死の形相で俺を止める。
「力を使ってはダメです!こんな瀕死の状態…和海さんが危ないです」
「平気、平気。抜け道はあるから」
へらへら笑って彼女を落ち着かせる。
まぁ、成功するかは微妙なラインではあるが、やらないでこの国が死の国になっても困るしね。
長曾我部に触れ傷を癒す。浅かった呼吸は深くゆっくりとしたものになり、眠りに落ちたようだ。
ぐらりと倒れそうになるが、踏みとどまりなんでもない顔をする。
ここで弱った姿を見せたら、本格的に鶴姫が泣いてしまいそうだったからだ。
「さーて、いい加減面倒くさいからケリつけようか」
声を掛けても鳳凰寺は雄たけびを上げるだけで会話にならない。
でもいい。破けた服のおかげで背中が見える。
てっきり鳳凰寺は誰かと契約していると思ったが、紋は浮き上がっていないので無契約だと思う。
なら、俺の作戦の成功はほぼ確定だ。
地面に落ちていた日本刀を拾い上げ、暴れる鳳凰寺に向かって駆けだす。
『我は望む。我は欲する。
捧げよ、与えよ、願いを叶えよ』
俺の言葉に鳳凰寺の動きはさらに激化する。
『その身を捧げよ、汝は我への貢ぎ物。
汝は我の願いを叶えるための贄』
この言葉は契約に必要なものだ。記憶が抜け落ちていく中でなぜか忘れなかった祝詞。
『その血を、その命をもって、我の、和海の願いを叶えよ』
降り注ぐ雷撃や剣戟をいくらか喰らったが、鳳凰寺の懐に飛び込み肩口を切り付け、あふれる血を口に含み飲み込んだ。
うん、もう生で血を飲むようなことはしたくないね。まっずい!
二口、三口、飲み込むと鳳凰寺は動かなくなった。
気を失いその場に倒れた。
「和海さん……彼女を殺したんですか?」
「殺してない。力を失って気絶してるだけ」
自分の体の中に熱いものが駆け巡る。だるかった体は回復し、謎の無敵感を覚えた。
とりあえず死んでいない人たちを全員回復させ、鳳凰寺は縛り上げた。
「何をしたんですか」
「簡単な願いだよ。力を貰った。それを俺の生命力に変換した感じ。
削った寿命を回復しただけで呪いは貰ってないって感じだから安心していいよ。
鳳凰寺にはもう戦う力はない。能力での移動なんかも無理だろうね」
「それじゃあ……」
「俺の早死にの心配は無くなったってことだよ。あー、でも吸血衝動は起きるかもしれないからチカには鳳凰寺を連れて俺から遠い地にでも行ってもらいたいもんだね。うん、それがいい。それを命令としよう」
「……殺してしまってもいいんじゃないか」
雑賀さんを止めて、後処理を任せて俺は急いで元の場所へ戻ったけどダメでした。
それで冒頭に戻る。
「なぜ、鳳凰寺を殺してこなかった。貴様は知らぬだろうが、あの吸血衝動はひどく辛いぞ」
「まぁ……俺がマゾだから?」
スパーンっといい音でビンタされました。
え、待って。目にもとまらぬ速さだったよ?
そしてめちゃくちゃ痛い!
「喜べ、痛みの褒美ぞ?」
「すんません、馬鹿言いました。もう叩かないで、痛い!」
にっこにこしながら再び手を持ち上げる毛利。いや、ほんとバカ言ってごめんなさいね!
「いやねー……俺の中の感傷みたいなもんだよ。
結局さ、長曾我部と幸せになるなんて夢をわずかでも俺も見たわけだよ。
ただね……南の総大将の俺は夢見る乙女じゃいられないんだ。だから―――代わりを用意しただけ。
あれはあり得たかもしれない俺ってこと」
馬鹿だと言われると思った。
だけど、罵詈雑言が降り注ぐことも、掌がお見舞いされることも無い。
気づいたら毛利に抱きしめられていた。
「我の他に誰もおらぬ。こうしていれば和海の顔は見えぬ」
暖かい毛利の腕の中で俺は、自分が泣いていることにやっと気づいた。
「はは……毛利の一発がきつすぎたんだよ」
「そうかも知れぬな……後で腫れが引くように冷やすものを要しよう」
「はー……今日の毛利は優しいなぁ」
そっか、悲しいんだ。
俺がそっちを選ばなかったこと。長曾我部と生きる道を捨てたこと。
なんで天下を欲しているのか……それが、平和に生きる未来が欲しかったから。
隣にいてほしい人を自分で諦めたことに悲しさをちゃんと感じられたことに少しだけほっとしていた。
「いつか俺も、毛利みたいに自分を駒にするくらい感情を管理できるようになるかな」
「貴様は十分できている。その気になればすべての感情を殺すだろう。しかしする必要はない。
貴様は南の総大将よ。望むままに生きればいい、我らを使うのが将の勤めよ」
「そっか……じゃあ、今だけ。もう少しでいいからこうして側にいてくれる?」
今は毛利の暖かさがうれしかった。
今日だけは甘えさせてほしい。明日からはまた頑張るから。
「すみません、でもほんと、今回に関しては俺悪くないのよ」
毛利の前で土下座する俺。
もう力関係は完全に覆らない。いや、武力なら俺の方が上になったはずなんだけど、メンタル的に勝てそうにない。
俺が土下座することになった理由は外出禁止を破ったから。
急いで戻ってきたけど、留守の瞬間を毛利に見られていたせいです。
なんで外出する必要ができたかというと、というかこれは俺が自分の意志で移動したというより気づいたら伊予にいたんですよ。
伊予に着いたら長曾我部は死にかけているし、伊予軍は死屍累々って感じだし、鳳凰寺は暴走しているし困惑しかないわけだ。
「和海さん…なんで?」
鶴姫の言葉に俺もほんとなんで?って顔で応じる。
まぁ、たぶん暴走した鳳凰寺が何かしたんじゃないかな。
あの状態って俺が過去に死の国を作った時みたいな状態だろうし……。原因は長曾我部の怪我だろう。
とりあえずまだ死んでいないが、虫の息。
この状態を見せられて、殺されたと勘違いして怒りのあまりの大暴走ってところかな。
うん、仕方ないか。
「どうするきだ?」
「なに、いろいろ聞きたいことがあるんでチカに死なれると困る」
「ダメです!」
鶴姫は必死の形相で俺を止める。
「力を使ってはダメです!こんな瀕死の状態…和海さんが危ないです」
「平気、平気。抜け道はあるから」
へらへら笑って彼女を落ち着かせる。
まぁ、成功するかは微妙なラインではあるが、やらないでこの国が死の国になっても困るしね。
長曾我部に触れ傷を癒す。浅かった呼吸は深くゆっくりとしたものになり、眠りに落ちたようだ。
ぐらりと倒れそうになるが、踏みとどまりなんでもない顔をする。
ここで弱った姿を見せたら、本格的に鶴姫が泣いてしまいそうだったからだ。
「さーて、いい加減面倒くさいからケリつけようか」
声を掛けても鳳凰寺は雄たけびを上げるだけで会話にならない。
でもいい。破けた服のおかげで背中が見える。
てっきり鳳凰寺は誰かと契約していると思ったが、紋は浮き上がっていないので無契約だと思う。
なら、俺の作戦の成功はほぼ確定だ。
地面に落ちていた日本刀を拾い上げ、暴れる鳳凰寺に向かって駆けだす。
『我は望む。我は欲する。
捧げよ、与えよ、願いを叶えよ』
俺の言葉に鳳凰寺の動きはさらに激化する。
『その身を捧げよ、汝は我への貢ぎ物。
汝は我の願いを叶えるための贄』
この言葉は契約に必要なものだ。記憶が抜け落ちていく中でなぜか忘れなかった祝詞。
『その血を、その命をもって、我の、和海の願いを叶えよ』
降り注ぐ雷撃や剣戟をいくらか喰らったが、鳳凰寺の懐に飛び込み肩口を切り付け、あふれる血を口に含み飲み込んだ。
うん、もう生で血を飲むようなことはしたくないね。まっずい!
二口、三口、飲み込むと鳳凰寺は動かなくなった。
気を失いその場に倒れた。
「和海さん……彼女を殺したんですか?」
「殺してない。力を失って気絶してるだけ」
自分の体の中に熱いものが駆け巡る。だるかった体は回復し、謎の無敵感を覚えた。
とりあえず死んでいない人たちを全員回復させ、鳳凰寺は縛り上げた。
「何をしたんですか」
「簡単な願いだよ。力を貰った。それを俺の生命力に変換した感じ。
削った寿命を回復しただけで呪いは貰ってないって感じだから安心していいよ。
鳳凰寺にはもう戦う力はない。能力での移動なんかも無理だろうね」
「それじゃあ……」
「俺の早死にの心配は無くなったってことだよ。あー、でも吸血衝動は起きるかもしれないからチカには鳳凰寺を連れて俺から遠い地にでも行ってもらいたいもんだね。うん、それがいい。それを命令としよう」
「……殺してしまってもいいんじゃないか」
雑賀さんを止めて、後処理を任せて俺は急いで元の場所へ戻ったけどダメでした。
それで冒頭に戻る。
「なぜ、鳳凰寺を殺してこなかった。貴様は知らぬだろうが、あの吸血衝動はひどく辛いぞ」
「まぁ……俺がマゾだから?」
スパーンっといい音でビンタされました。
え、待って。目にもとまらぬ速さだったよ?
そしてめちゃくちゃ痛い!
「喜べ、痛みの褒美ぞ?」
「すんません、馬鹿言いました。もう叩かないで、痛い!」
にっこにこしながら再び手を持ち上げる毛利。いや、ほんとバカ言ってごめんなさいね!
「いやねー……俺の中の感傷みたいなもんだよ。
結局さ、長曾我部と幸せになるなんて夢をわずかでも俺も見たわけだよ。
ただね……南の総大将の俺は夢見る乙女じゃいられないんだ。だから―――代わりを用意しただけ。
あれはあり得たかもしれない俺ってこと」
馬鹿だと言われると思った。
だけど、罵詈雑言が降り注ぐことも、掌がお見舞いされることも無い。
気づいたら毛利に抱きしめられていた。
「我の他に誰もおらぬ。こうしていれば和海の顔は見えぬ」
暖かい毛利の腕の中で俺は、自分が泣いていることにやっと気づいた。
「はは……毛利の一発がきつすぎたんだよ」
「そうかも知れぬな……後で腫れが引くように冷やすものを要しよう」
「はー……今日の毛利は優しいなぁ」
そっか、悲しいんだ。
俺がそっちを選ばなかったこと。長曾我部と生きる道を捨てたこと。
なんで天下を欲しているのか……それが、平和に生きる未来が欲しかったから。
隣にいてほしい人を自分で諦めたことに悲しさをちゃんと感じられたことに少しだけほっとしていた。
「いつか俺も、毛利みたいに自分を駒にするくらい感情を管理できるようになるかな」
「貴様は十分できている。その気になればすべての感情を殺すだろう。しかしする必要はない。
貴様は南の総大将よ。望むままに生きればいい、我らを使うのが将の勤めよ」
「そっか……じゃあ、今だけ。もう少しでいいからこうして側にいてくれる?」
今は毛利の暖かさがうれしかった。
今日だけは甘えさせてほしい。明日からはまた頑張るから。
