天下統一計画(仮)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
伊達は一度開きかけた口を閉じ、笑う。
「……辛くなったら、ここに逃げてこい。和海の過去の事も含め受入れてやるよ」
意味はよく分からんが、なんか多分良い事言ってくれているんだろう。
「ははっ、流石伊達政宗!懐が広いね、ありがとう。
逃げ場があるっていうのは、いいね。それじゃ行ってくるよ」
とりあえず、竹中に怒られたり、石田が怖かったら奥州に逃げてこよう。
ううーん、武田軍との戦闘…俺が小田原取っちゃったから石田も参加するだろうね。いやでも広い戦場だから背後を狙って追いかけてくることは無いだろう、無いと思う。無いって切に願ってる。
「……しっかし、浅井夫婦はいずこ?」
浅井の領地へ赴いたのはいいが、夫婦の姿は見えず。
アポなしだから留守だったようだ。しかし、なんだか慌てているようだな。
「何かあったんでしょうか?」
忙しそうな人にそっと声をかけてみると、なんでも織田家に呼び出されたらしい。
近々戦になるかもしれないと領地の者たちは準備を進めているんだとか。
戦か……どことやるんだろう。俺は忙しいので、九州攻めは勘弁してほしい所だ。まぁつい最近明智が来たからまた来るとしても少し時間が空いてからになると思いたい。
「浅井さんに会えないなら……小田原にでも行くか」
織田家がどこにあるか分からないし、そこまでは聞いても教えてもらえないだろう。
とりあえず、ジョシー黒田の様子も見ておかないとな。あの出血だったんだ、何か後遺症があるかもしれない。
「……ここは空気が違うんだよなぁ」
縁側に座り、用意された茶菓子を口にしながらぼんやりしていた。
なんか、ここは平和というか戦の臭いがしないんだよ。どちらかと言えば田舎の祖父母の家って感じだ。
「ははっ、お前さんもやっと肩の力を抜ける場所を見つけたか」
「肩の力どころか全身の力が抜けて動くのすら面倒になってきた。ここはいけない……堕落してしまう」
座っているのも面倒になり、隣にいるジョシー黒田に寄りかかる。
「いいじゃないか、ここに居る時くらい」
「そうじゃのう、黒田殿から聞いたがお主はずっと動き回っているそうじゃないか。
若さゆえかもしれんが、休む時に休まんと身が持たんぞ」
追加の茶菓子入りました。いかん…ここに居たら肥えてしまう……。
「へぇー和海もそんなに気の抜けた顔するんだな」
上からのぞき込んできたのは前田慶次。そういえば小田原に居たんだった。
「やぁ…。いつぞやは世話になったな」
「ん?俺何かしたっけ?」
「ほら、かすがさんに殺されかけてた時、前田のおかげで助かったからさ」
ううーんと前田は考え込んで、やっと思い出してくれた。前田的には殺されかけてるとも思ってなかったし、助けたとも思っていなかったそうだ。
「それより、前田って呼ぶの止めてくれよ。俺の事は慶次でいいって」
「そう?じゃあ慶次。最近布教活動はどう?信者増えそうかな?」
「全く駄目だな!いやぁー謙信にも声をかけてみたけど鼻で笑われたし、まつ姉ちゃんたちにも怒られたしな。
伊達にも声をかけたけど塩を撒かれるし、家康にも声をかけたけど間に合っているって門前払い。
なかなか布教活動って難しいもんだな」
「いやいや、思った以上に活動してもらっていて頭が上がらない……ヤバい、俺本当に布教活動してないんで、このままじゃ俺の首が飛ぶかも」
「……本当に和海って南の総大将って肩書でいいんだよな?」
「最近不安でしかない。だって南は実質ザビー教に占拠されて、トップは毛利だし……」
いや、頭首の様な難しいことは俺は出来ないと投げ出している時点で総大将の名前をもらっている事すらおこがましいのでは?
「ううーん、帰りたくなくなってきた」
「そういえば、今日は長曾我部は一緒じゃないのか?」
ぐんにゃり脱力していると、ジョシー黒田が思い出したように問いかけてきた。
「ああ…っていうか、別に四六時中一緒にいる訳じゃないし、今ちょっと一緒に居ずらい空気なんだよ」
「へぇ~、良かったら話きくよ!」
慶次はコイバナ大好きって顔で俺を見るんじゃない。
「はぁ~、別に大した理由じゃない。急な敵襲で旅行が中止。だから俺はその間に野暮用済ませるんであっちこっち移動してんの」
「そういえば近々武田軍との戦だと言っていたな。その前に所用を済ませているって感じか」
「そういうこと。で、ジョシー黒田はそろそろ九州に帰りたいかなともおもってさ。
でも……ここの空気を知ってしまうと帰るの嫌じゃない?」
ほら、北条さん優しいし。毛利みたいに辛辣じゃないし。
「本音を言えばここの居心地がよくて戻りたくない。用事があればすまほで話ができるからここに居ても困らんからな」
「だよねー……それに、北条の土地はいまだ織田に狙われているっていうのがあるからジョシー黒田にはまだいてほしいんだ」
「おう、任せな」
という事で、しばらくジョシー黒田は北条家でお世話に。
一応世話になっているので、生活費として少し金子を置いていく。
「なんじゃ、もう行くのか?」
「俺まで世話になるのは申し訳ないですし」
結局夕方までだらだらしてしまって、申し訳なかった。
「なぁ、次はどこへ行く予定なんだ?」
お風呂に入ってまったりモードの慶次。なんかもう、自分の家みたいなノリになってないか?
「上杉さんの所に行って挨拶。あと、本願寺に行って資金稼ぎかな」
「資金稼ぎね……それじゃあ、本願寺じゃなくて京に行かないか?ほら、前に話した喧嘩祭り!」
そういえは、そんな話をしていたことがあったな。
「いいけど……慶次も一緒に行くのか?」
「勿論だ。俺がいなきゃ始まんないからな!」
なんて自信満々なんだ。
「ってわけで、北条のじーちゃん、和海お泊りで」
「ほっほ、そのつもりで用意しとったわい」
なんか寝巻一式と、布団を敷いた部屋が用意されている。あ、風魔がいないと思ったら用意してくれていたんだ。
「ってなわけで!こんばんは語ろうぜ」
「何を?」
「恋についてさ!」
……やっぱ帰ればよかったな。
――――――――――――――――
食事を頂いて、風呂まで入らせてもらってなんかほんと至れり尽くせりだったよ。
ほへーっと布団の上でくつろいでいると慶次がやってきた。
「いやー、ずいぶんとお疲れみたいだな」
「そう見えるか?まぁ……ここだと気を張らなくていいって感じはするからだらけて見えるかもな」
しかし、本当にコイバナする気なのか?俺の視線に気づいたのか慶次は苦笑いを浮かべる。
「前にあったときは忙しそうで話する時間もなかっただろう?
最近の様子とかさ、近況報告したいと思ってたんだよ」
「ああ、そういう事か」
布団に座って慶次と離れていた間のあらすじを伝えると青い顔になった。
「よく生きていたな」
「本当だよな、運がよかったよ」
「……そのさ、鳳凰寺って子は和海にとってなんなんだい?」
「俺の過去であり原点でもあり、最も近い他人」
突拍子もない話をしている自覚はある。俺もよく分かんないし聞かされている方もなんだか分からないだろう。
「俺であって俺じゃない。だからちょっと面倒くさい事になっている自覚はある」
「西海の鬼、元親の事だろう」
「まあね。チカが俺に向ける感情は過去に引っ張られているから、正確には俺に対してのものじゃない。
そう簡単に過去って割り切れるもんじゃないだろ?」
慶次は胸元のお守りを握りしめて「そうだな」と小さくつぶやいた。
「まぁ本来感情を向けるべき相手が生きていたんだから、そっちとくっつくならくっついたらいいんじゃないか?」
「なんだか他人事だな。元親は和海の仲間なんだろう。それに……和海自身は元親の事をどう思っているんだ?」
どう…と言われてもな。
「チカはアニキだよ。もっとも背中を預けられる相手ではあるけど、そこに恋愛感情が絡むかと言われると分からないね。
あくまで、信頼できる存在なんだ」
「そうか……なんか、悪かった。気軽に聞いていい話じゃなかったな」
「いや、人に話せたお陰でなんかすっきりした。いやーチカはいい男だけど俺にはもったいないって。
チカだけじゃないな……どんな奴が相手も俺にはもったいない、必要ない」
「……変なところは秀吉に似ているんだな」
「そうか?似てないと思うけどな……。っていうかさ、さっきから俺の話ばっかりじゃん。
慶次こそ、なんかないのか?」
「俺?……ああ、実はさ、素敵な人に出会ったんだ」
世間は狭い。慶次が気になる女性とは雑賀孫一だった。モテモテですな、あのお姉さま。
いかに素敵な女性かを熱く語っている所で、俺は付き合いきれずに寝落ちした。
「……辛くなったら、ここに逃げてこい。和海の過去の事も含め受入れてやるよ」
意味はよく分からんが、なんか多分良い事言ってくれているんだろう。
「ははっ、流石伊達政宗!懐が広いね、ありがとう。
逃げ場があるっていうのは、いいね。それじゃ行ってくるよ」
とりあえず、竹中に怒られたり、石田が怖かったら奥州に逃げてこよう。
ううーん、武田軍との戦闘…俺が小田原取っちゃったから石田も参加するだろうね。いやでも広い戦場だから背後を狙って追いかけてくることは無いだろう、無いと思う。無いって切に願ってる。
「……しっかし、浅井夫婦はいずこ?」
浅井の領地へ赴いたのはいいが、夫婦の姿は見えず。
アポなしだから留守だったようだ。しかし、なんだか慌てているようだな。
「何かあったんでしょうか?」
忙しそうな人にそっと声をかけてみると、なんでも織田家に呼び出されたらしい。
近々戦になるかもしれないと領地の者たちは準備を進めているんだとか。
戦か……どことやるんだろう。俺は忙しいので、九州攻めは勘弁してほしい所だ。まぁつい最近明智が来たからまた来るとしても少し時間が空いてからになると思いたい。
「浅井さんに会えないなら……小田原にでも行くか」
織田家がどこにあるか分からないし、そこまでは聞いても教えてもらえないだろう。
とりあえず、ジョシー黒田の様子も見ておかないとな。あの出血だったんだ、何か後遺症があるかもしれない。
「……ここは空気が違うんだよなぁ」
縁側に座り、用意された茶菓子を口にしながらぼんやりしていた。
なんか、ここは平和というか戦の臭いがしないんだよ。どちらかと言えば田舎の祖父母の家って感じだ。
「ははっ、お前さんもやっと肩の力を抜ける場所を見つけたか」
「肩の力どころか全身の力が抜けて動くのすら面倒になってきた。ここはいけない……堕落してしまう」
座っているのも面倒になり、隣にいるジョシー黒田に寄りかかる。
「いいじゃないか、ここに居る時くらい」
「そうじゃのう、黒田殿から聞いたがお主はずっと動き回っているそうじゃないか。
若さゆえかもしれんが、休む時に休まんと身が持たんぞ」
追加の茶菓子入りました。いかん…ここに居たら肥えてしまう……。
「へぇー和海もそんなに気の抜けた顔するんだな」
上からのぞき込んできたのは前田慶次。そういえば小田原に居たんだった。
「やぁ…。いつぞやは世話になったな」
「ん?俺何かしたっけ?」
「ほら、かすがさんに殺されかけてた時、前田のおかげで助かったからさ」
ううーんと前田は考え込んで、やっと思い出してくれた。前田的には殺されかけてるとも思ってなかったし、助けたとも思っていなかったそうだ。
「それより、前田って呼ぶの止めてくれよ。俺の事は慶次でいいって」
「そう?じゃあ慶次。最近布教活動はどう?信者増えそうかな?」
「全く駄目だな!いやぁー謙信にも声をかけてみたけど鼻で笑われたし、まつ姉ちゃんたちにも怒られたしな。
伊達にも声をかけたけど塩を撒かれるし、家康にも声をかけたけど間に合っているって門前払い。
なかなか布教活動って難しいもんだな」
「いやいや、思った以上に活動してもらっていて頭が上がらない……ヤバい、俺本当に布教活動してないんで、このままじゃ俺の首が飛ぶかも」
「……本当に和海って南の総大将って肩書でいいんだよな?」
「最近不安でしかない。だって南は実質ザビー教に占拠されて、トップは毛利だし……」
いや、頭首の様な難しいことは俺は出来ないと投げ出している時点で総大将の名前をもらっている事すらおこがましいのでは?
「ううーん、帰りたくなくなってきた」
「そういえば、今日は長曾我部は一緒じゃないのか?」
ぐんにゃり脱力していると、ジョシー黒田が思い出したように問いかけてきた。
「ああ…っていうか、別に四六時中一緒にいる訳じゃないし、今ちょっと一緒に居ずらい空気なんだよ」
「へぇ~、良かったら話きくよ!」
慶次はコイバナ大好きって顔で俺を見るんじゃない。
「はぁ~、別に大した理由じゃない。急な敵襲で旅行が中止。だから俺はその間に野暮用済ませるんであっちこっち移動してんの」
「そういえば近々武田軍との戦だと言っていたな。その前に所用を済ませているって感じか」
「そういうこと。で、ジョシー黒田はそろそろ九州に帰りたいかなともおもってさ。
でも……ここの空気を知ってしまうと帰るの嫌じゃない?」
ほら、北条さん優しいし。毛利みたいに辛辣じゃないし。
「本音を言えばここの居心地がよくて戻りたくない。用事があればすまほで話ができるからここに居ても困らんからな」
「だよねー……それに、北条の土地はいまだ織田に狙われているっていうのがあるからジョシー黒田にはまだいてほしいんだ」
「おう、任せな」
という事で、しばらくジョシー黒田は北条家でお世話に。
一応世話になっているので、生活費として少し金子を置いていく。
「なんじゃ、もう行くのか?」
「俺まで世話になるのは申し訳ないですし」
結局夕方までだらだらしてしまって、申し訳なかった。
「なぁ、次はどこへ行く予定なんだ?」
お風呂に入ってまったりモードの慶次。なんかもう、自分の家みたいなノリになってないか?
「上杉さんの所に行って挨拶。あと、本願寺に行って資金稼ぎかな」
「資金稼ぎね……それじゃあ、本願寺じゃなくて京に行かないか?ほら、前に話した喧嘩祭り!」
そういえは、そんな話をしていたことがあったな。
「いいけど……慶次も一緒に行くのか?」
「勿論だ。俺がいなきゃ始まんないからな!」
なんて自信満々なんだ。
「ってわけで、北条のじーちゃん、和海お泊りで」
「ほっほ、そのつもりで用意しとったわい」
なんか寝巻一式と、布団を敷いた部屋が用意されている。あ、風魔がいないと思ったら用意してくれていたんだ。
「ってなわけで!こんばんは語ろうぜ」
「何を?」
「恋についてさ!」
……やっぱ帰ればよかったな。
――――――――――――――――
食事を頂いて、風呂まで入らせてもらってなんかほんと至れり尽くせりだったよ。
ほへーっと布団の上でくつろいでいると慶次がやってきた。
「いやー、ずいぶんとお疲れみたいだな」
「そう見えるか?まぁ……ここだと気を張らなくていいって感じはするからだらけて見えるかもな」
しかし、本当にコイバナする気なのか?俺の視線に気づいたのか慶次は苦笑いを浮かべる。
「前にあったときは忙しそうで話する時間もなかっただろう?
最近の様子とかさ、近況報告したいと思ってたんだよ」
「ああ、そういう事か」
布団に座って慶次と離れていた間のあらすじを伝えると青い顔になった。
「よく生きていたな」
「本当だよな、運がよかったよ」
「……そのさ、鳳凰寺って子は和海にとってなんなんだい?」
「俺の過去であり原点でもあり、最も近い他人」
突拍子もない話をしている自覚はある。俺もよく分かんないし聞かされている方もなんだか分からないだろう。
「俺であって俺じゃない。だからちょっと面倒くさい事になっている自覚はある」
「西海の鬼、元親の事だろう」
「まあね。チカが俺に向ける感情は過去に引っ張られているから、正確には俺に対してのものじゃない。
そう簡単に過去って割り切れるもんじゃないだろ?」
慶次は胸元のお守りを握りしめて「そうだな」と小さくつぶやいた。
「まぁ本来感情を向けるべき相手が生きていたんだから、そっちとくっつくならくっついたらいいんじゃないか?」
「なんだか他人事だな。元親は和海の仲間なんだろう。それに……和海自身は元親の事をどう思っているんだ?」
どう…と言われてもな。
「チカはアニキだよ。もっとも背中を預けられる相手ではあるけど、そこに恋愛感情が絡むかと言われると分からないね。
あくまで、信頼できる存在なんだ」
「そうか……なんか、悪かった。気軽に聞いていい話じゃなかったな」
「いや、人に話せたお陰でなんかすっきりした。いやーチカはいい男だけど俺にはもったいないって。
チカだけじゃないな……どんな奴が相手も俺にはもったいない、必要ない」
「……変なところは秀吉に似ているんだな」
「そうか?似てないと思うけどな……。っていうかさ、さっきから俺の話ばっかりじゃん。
慶次こそ、なんかないのか?」
「俺?……ああ、実はさ、素敵な人に出会ったんだ」
世間は狭い。慶次が気になる女性とは雑賀孫一だった。モテモテですな、あのお姉さま。
いかに素敵な女性かを熱く語っている所で、俺は付き合いきれずに寝落ちした。