天下統一計画(仮)
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「……ここは?」
鈍い痛みが腹部に走る。そうだ、和海と手合わせをして負けたのだ。
「起きたか三成」
刑部がのぞき込んでくる。どうやらここは私の部屋らしい。
「……大口をたたいたのに、この体たらく。半兵衛様にも、秀吉様にも顔向けができない」
握りしめた拳を畳に叩きつける。
「なに、今日の主は頭に血が上りすぎておったのよ。普段の主なら後れを取ることもあるまい」
幼子を慰めるかのように刑部は私の頭を撫でた。
そういえば、和海は何のためらいもなく刑部に触れていたな。
「刑部、奴に何か言われたりはしなかったか?」
「ああ…南のは特に何も言ってはおらぬ。なに、豊臣に属する以上、豊臣らしい装いを知りたがっていたまでよ」
突然現れて、最初からいたかのように豊臣の者たちと親しく接する奴が気に入らなかった。
なにより、あの日見た光景がいまだに忘れられない。
あれは未来なのだろう。
徳川に付き従い、戦場で刑部を手にかけ私に殺される和海の姿。
先ほども家康に肩入れするかのような口ぶり。
たしかに…家康が共に戦場に立つのは心強くも思える。
けれど……家康は秀吉様を良しとしていない所を感じる。
「和海が徳川へ付くというのなら、その前に私が殺す。
刺し違えてでも、秀吉様と半兵衛様の邪魔だけはさせない」
私の言葉に刑部は笑う。
「はてさて、主の目にはあの南の童がどう映っておるのよな。
我の目に見える姿とは違うようだ」
……刑部になら、伝えても構わないだろうか。
少し思案し、和海に触れたときに見えた出来事を伝えた。
笑いもせず、茶化しもせず、私の話を聞いた後刑部も自身が見たものを聞かせてくれた。
刑部が見た和海は今の奴とあまり変わらない外見だったが、髪の色が真っ白だったという。
そして私と刑部を本田忠一の攻撃から庇って死んだ姿だったという。
……そういわれてふと、私が見た和海の外見が今のやつとは違う事に気づいた。
初めて会った時の奴と身長は同じくらいで髪は黒く長かった。
ゆえに未来の姿だと思っていたが、背丈も髪も……声色も違う。
「なら、私が見た姿はなんだ?」
「おそらく主が見た姿は、先日より賢人が気にかけている鳳凰寺という娘ではないか?」
つまり、刑部の見たものと私が見たものをつなげて考えると
あの和海は本田から私たちを守って死に、その後鳳凰寺の手によって刑部が殺され―――
「……こちらの味方ということは、お二人を裏切るわけではないのか」
断片的に見えた出来事を都合よく解釈しようとしているのかもしれない。
「なに……あの童に人の裏をかくような賢さはあるまい」
「それはそうだな」
思ったことは割とすぐに顔と態度に出ている。
私が敵意を剥き出しだということもあるが、あちらも一切表情を取り繕うことなく怒りも不快も恐怖も向けてくる。
手合わせで見せた琥珀色の瞳は正面から私を見据え、下に見るでもなく全力でぶつかってきた。
嘘や取り繕いをする人間は嫌いだった。
そういう意味では、和海の事は信じてもいいのかもしれない。
「……今更なんと言葉をかければいいかわからん」
「無理に言葉にする必要は無かろう。主が殺気さえ向けなければ共に戦場をかける事もあろう」
敵ではない、そう分かっただけ少しだけ気が楽になった。
……しかし、やはり和海に慣れそうにはない。
どこか存在自体が嘘の塊のように感じる所為だろう。だが刑部も気に入っている様子。
今まで程警戒する必要はないだろう。
鈍い痛みが腹部に走る。そうだ、和海と手合わせをして負けたのだ。
「起きたか三成」
刑部がのぞき込んでくる。どうやらここは私の部屋らしい。
「……大口をたたいたのに、この体たらく。半兵衛様にも、秀吉様にも顔向けができない」
握りしめた拳を畳に叩きつける。
「なに、今日の主は頭に血が上りすぎておったのよ。普段の主なら後れを取ることもあるまい」
幼子を慰めるかのように刑部は私の頭を撫でた。
そういえば、和海は何のためらいもなく刑部に触れていたな。
「刑部、奴に何か言われたりはしなかったか?」
「ああ…南のは特に何も言ってはおらぬ。なに、豊臣に属する以上、豊臣らしい装いを知りたがっていたまでよ」
突然現れて、最初からいたかのように豊臣の者たちと親しく接する奴が気に入らなかった。
なにより、あの日見た光景がいまだに忘れられない。
あれは未来なのだろう。
徳川に付き従い、戦場で刑部を手にかけ私に殺される和海の姿。
先ほども家康に肩入れするかのような口ぶり。
たしかに…家康が共に戦場に立つのは心強くも思える。
けれど……家康は秀吉様を良しとしていない所を感じる。
「和海が徳川へ付くというのなら、その前に私が殺す。
刺し違えてでも、秀吉様と半兵衛様の邪魔だけはさせない」
私の言葉に刑部は笑う。
「はてさて、主の目にはあの南の童がどう映っておるのよな。
我の目に見える姿とは違うようだ」
……刑部になら、伝えても構わないだろうか。
少し思案し、和海に触れたときに見えた出来事を伝えた。
笑いもせず、茶化しもせず、私の話を聞いた後刑部も自身が見たものを聞かせてくれた。
刑部が見た和海は今の奴とあまり変わらない外見だったが、髪の色が真っ白だったという。
そして私と刑部を本田忠一の攻撃から庇って死んだ姿だったという。
……そういわれてふと、私が見た和海の外見が今のやつとは違う事に気づいた。
初めて会った時の奴と身長は同じくらいで髪は黒く長かった。
ゆえに未来の姿だと思っていたが、背丈も髪も……声色も違う。
「なら、私が見た姿はなんだ?」
「おそらく主が見た姿は、先日より賢人が気にかけている鳳凰寺という娘ではないか?」
つまり、刑部の見たものと私が見たものをつなげて考えると
あの和海は本田から私たちを守って死に、その後鳳凰寺の手によって刑部が殺され―――
「……こちらの味方ということは、お二人を裏切るわけではないのか」
断片的に見えた出来事を都合よく解釈しようとしているのかもしれない。
「なに……あの童に人の裏をかくような賢さはあるまい」
「それはそうだな」
思ったことは割とすぐに顔と態度に出ている。
私が敵意を剥き出しだということもあるが、あちらも一切表情を取り繕うことなく怒りも不快も恐怖も向けてくる。
手合わせで見せた琥珀色の瞳は正面から私を見据え、下に見るでもなく全力でぶつかってきた。
嘘や取り繕いをする人間は嫌いだった。
そういう意味では、和海の事は信じてもいいのかもしれない。
「……今更なんと言葉をかければいいかわからん」
「無理に言葉にする必要は無かろう。主が殺気さえ向けなければ共に戦場をかける事もあろう」
敵ではない、そう分かっただけ少しだけ気が楽になった。
……しかし、やはり和海に慣れそうにはない。
どこか存在自体が嘘の塊のように感じる所為だろう。だが刑部も気に入っている様子。
今まで程警戒する必要はないだろう。