天下統一計画(仮)
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「和海……ちょっといいかな?」
話が終わり松永についての資料を見せてもらうために竹中の仕事部屋の方へ向かっているときだった。
俺は竹中の後ろを歩いていたので、急に立ち止まられたせいでぶつかりそうになる。
「な、なに?」
至近距離でみる竹中の顔は……うん、美人だ。
「ずいぶんと背が伸びたんじゃないかい?」
「そういえば」
ザビー城で竹中と過ごしていた時、俺の方が背は低かった。
けれど今はちょっとだけ竹中より背が高くなった気がする。真正面からというより、少し見下ろす感じだ。
「……偽物は一体どちらなんだろうね」
「なに?俺がアイツの身長でも奪ったって事か?」
「そしたらいずれは秀吉より大きくなるかもしれないね」
アイツの身長は150位だとして、それが足されたら…確かに豊臣といい勝負になるかもしれない。
「それはそれで楽しみだな。
―――ところで、背後からの殺気なんですけど、どうにかなりませんかね」
俺が竹中と歩いているのが気に入らないのか、角々に隠れながら俺をにらむ石田。
そんなに俺が嫌いか?
それを面白そうに眺めている刑部。なに、君ら暇なのか?
「どうにも、君が裏切るんじゃないかって不安なようでね……ほら、鳳凰寺と君が別人だって確証がなかったから」
「そういう事じゃなさそうだけど……まぁいいや。頑張って慣れるよ。
そうだ、今後の進軍の方針にかかわるかもしれないから相談しておきたいことがあったんだ。
あー…さっき思い出せばよかった」
そうすれば豊臣がいたから一回で話が済んだのに。
「めずらしい話だね。後で秀吉には僕から伝えておくよ」
「ありがとう。いやー、後々徳川と当たる予定ある?」
「そうだね。まだはっきり日程は決まっていないけど、徳川軍との戦いはおそらく避けられないだろうね」
だよな。どの順番で当たるかって程度の問題で、いずれは戦うだろう。
「徳川軍……取り込めないかな」
「……理由を聞いても?」
「単純な話。俺が気に入った、そんなところかな。
だーってさ、天下を取ったら次は世界を目指す豊臣だろ?
竹中だって豊臣と共に世界を目指すとなれば国内は誰を据えるつもりだ?
石田は間違いなくついていくだろう。そうなったとき、弱い存在達は誰にすがる?
さわやかな笑顔で絆という甘い言葉を説く徳川だと思うんだよな。
そうならない様に先に殺すって手もあるけど、こちらの味方に引き入れたほうが便利かなーって。
武力のみで民から反感かうより、生かさず殺さず民は上手く飼いならすべきだと思うんだよ」
「貴様ー!」
「な、なんでいきなり抜刀してんの!怖いってホントなんなのこの子!」
思わず竹中の背後に隠れる。
何かと石田は俺が気に入らないらしい。
「ああ、すまないね。三成君は同担拒否タイプらしいんだ。
僕と君が一緒にいるのも解釈違いで、君が家康君を気に入ったっていう事実も気に入らないみたいだね」
なんでもスマホを見るようになって現代的情報も拾えるらしい。いやほんと、この世界おかしいって。
「貴様が家康を語るなどおこがましい!今すぐその首を切り落としてくれる!」
「おちつけ三成。すまんな……少々空回りしやすいのよ」
丸い石のようなものを刑部は操り、石田の頭部にぶつけた。コツンっと軽く小突くような感じだ。
「いや……なんかすみません、俺の存在自体が石田さんの癇に障るようで……
取り合えず、もうちょっとしたら出ていくんでそれまで目を瞑っててくださいよ」
世の中居るのよ、何をされたわけじゃなくとも生理的に受け付けない人間っていうのはね。
悲しいけれど、石田にとってのソレは俺なのだろう。
「あ、そうだ。資料をまとめるのに少し時間が欲しいから、三成君と和海で手合わせでもしてきたらどうかな?」
そういって竹中はこそこそと石田に耳打ちをしている。
なんだ、何を言ったんだ?
めちゃくちゃ目がキラキラして嬉しそうなわんこみたいになってるぞ。
いや怖いぞこれ、絶対俺にとってはいい話じゃないぞ。
「主も苦労するな……」
刑部は俺を見ながら笑っている。
「いやぁ…慣れてます。あの、その包帯(恰好)についてお聞きしてもいいですか?」
「なに、病で皮膚が爛れておるのよ」
「あ、そういう事なんですね。いやミイラ男のコス……個性的な恰好だったので
豊臣軍に所属するなら個性的装いが必要なのかと」
「ヒッヒ…主は怖くないのか?」
「はっはー、無知に怖いものなんてないんですよ。怖いものすら分からないんですから。
それと、なんと及びしたら石田さんに殺されないで済みそうですか?
刑部さんって呼んだらめっちゃ怒られたんで」
「なに、刑部で構わぬ。ヌシが三成に追い回されるのを見るのは愉快、愉快」
ひどいな、でもまぁ本人がそれでいいというのならそう呼ばせてもらうしかないな。
「それじゃ刑部さん、改めましてよろしく」
手を差し出すと、驚いた表情を浮かべながらもまた笑い俺の手を取った。
特に彼とはかかわりがなかったのか、俺には何も見えなかった。あちらは握手を終えた手を不思議そうに見ていただけだった。
「ええーい、刑部になれなれしく触るな!」
ああーまた石田に怒られた。なんかこの後の手合わせ俺殺されそうなんだけど大丈夫?
「すいませんでした。……ところで、竹中は一体どんな条件を吹き込んだんだ?」
「手合わせで三成君が勝てたら、和海との同盟を解除するって言ったんだよ」
「うぅ…なんて責任重大なんだ。っていうか、そういう話は俺とするべきだよな?」
なんだよ、なんで無言で笑顔なんだよ。
なんか言ってくれよ。
「表へ出ろ。今すぐその首切り落としてやる」
「うわー納得いかねー!」
また首根っこを掴まれて引きずられていった。背が伸びたとはいえ身長で石田にはまだまだ勝てそうにない。
城の一角で手合わせをすることになったのだが……手合わせって殺し合いの事じゃないよな?
真田と伊達の時も思ったけど、手合わせって本当の刀使って打ち合うものでしたっけ?
「もしも貴様が私に勝てるなら、…………秀吉様と半兵衛様の後ろを歩くことを認めてやろう」
成程、俺が勝てば一応は実力を認めてくれるという訳か。
「わかりやすい、そんじゃこちらも手加減はしない」
ポケットから如意棒を取り出す。身の丈より少し長い棒を構え、石田の剣戟を交わす。
かなりの速さに初手こそ驚くが、少しすれば目が慣れる。
振りかざした刃に棒を叩きこみ、刀をへし折り石田の腹部に蹴りを入れる。
吹き飛んで壁にぶつかったけど、甲冑あるから大丈夫だろう。
「なるほど、豊臣の同盟相手としては問題ない実力よの」
「あ、刑部さん。一応これで石田さんは認めてくれますかね?」
「なに、賢人と約束したことゆえ守るであろう。その賢人より伝言よ
今宵はこちらで過ごすようにと。太閤も含め徳川をどうするかの話を進めたいらしい」
「了解しました。……とりあえず、石田さんの手当てお願いしてもいいですか?
多分俺に触られるの嫌だろうから」
俺は石田の面倒を任せて竹中のもとへ戻った。
松永に関しての書類はまとめられており、おそらく次の出現は本願寺ではないかという予想だった。
毛利と同じ見解なので、明日は本願寺へ向かおう。
夕食までの間に浅井の所に行く余裕はあるかな……。
「ねぇ和海……その背中の事は、いつになったら教えてもらえるのかな」
ぼーっと今後の予定を考えていると、竹中は悲しそうな声で問いかけてきた。
そういえばそのうち話すって言ったけど、何も伝えていなかったな。
でも合点がいくような顔をしていたって事は独自にすでに調べてあったんじゃないのか?
「聞きたい…ですか?」
「是非とも、同盟を続ける以上君の事をもう少し知りたいんだ」
一応俺はかいつまんでだが、鳳凰寺という一族について。
血の契約による願いと代償などを話した。俺自身は誰かと契約していないが背中に契約紋が浮かんだことを伝えた。
「……もしかすると、鳳凰寺が誰かと契約した結果君の方にも家紋が浮かんだのかもしれないね」
「あー…そうなると、契約者は明智光秀なのか。アイツと同じ血の匂いがするって言われたんだよ」
俺の話を聞いて竹中は鳳凰寺がすでに誰かと契約したのだろうと結論付けた。
あちらさんの背中にも契約の証が浮かんでいるのだろうか。
「和海自身は誰かと契約するつもりはないんだね」
「ない。そもそも、俺はこの血が嫌いで。血族が俺だけになったとき死のうとしたんだよ」
さらりと口をついて出てきた言葉。
ほんの少しだけ過去を思い出したようだ。
「……それで戦場に出たがるのかい?」
「いや、死のうとしたけどさ。でも戦場にでて戦いたいって理由は別。
思ったんだよ、確かに呪われた血だけどそれに縛られるの嫌だなって。
やりたいこと我慢せず、好きにやった結果死のうって」
「結局は死にたがっているんだね」
「結果が同じでも過程が違うんだよ。
同じ死だとしても、夢を追って自分の限界まで戦うのと病によって何もせずに死ぬのじゃ
死の価値が違う。俺はそう思うけどね」
呆れた顔をするので俺も言い返してみた。
何か文句が出るかと思ったが、竹中は「知っていたんだね」と半ばあきらめたような笑顔を見せる。
「そうだね、安静にしていれば幾分かは延命できるだろうけど
それでは死んでいるのと変わらない。夢はまだ終わっていないからね」
「俺としては夢半ばで竹中が倒れてほしくないんだ。だから俺は同盟を希望してるんだよ」
驚いた顔をしたが、すぐに優しい笑顔を見せてくれた。
「なら存分に君をこき使わせてもらうよ」
……おっかしーなー。表情とセリフが合わないなー。
今後の俺の扱いどうなるの?すっごい不安しかなんだけど……。
話が終わり松永についての資料を見せてもらうために竹中の仕事部屋の方へ向かっているときだった。
俺は竹中の後ろを歩いていたので、急に立ち止まられたせいでぶつかりそうになる。
「な、なに?」
至近距離でみる竹中の顔は……うん、美人だ。
「ずいぶんと背が伸びたんじゃないかい?」
「そういえば」
ザビー城で竹中と過ごしていた時、俺の方が背は低かった。
けれど今はちょっとだけ竹中より背が高くなった気がする。真正面からというより、少し見下ろす感じだ。
「……偽物は一体どちらなんだろうね」
「なに?俺がアイツの身長でも奪ったって事か?」
「そしたらいずれは秀吉より大きくなるかもしれないね」
アイツの身長は150位だとして、それが足されたら…確かに豊臣といい勝負になるかもしれない。
「それはそれで楽しみだな。
―――ところで、背後からの殺気なんですけど、どうにかなりませんかね」
俺が竹中と歩いているのが気に入らないのか、角々に隠れながら俺をにらむ石田。
そんなに俺が嫌いか?
それを面白そうに眺めている刑部。なに、君ら暇なのか?
「どうにも、君が裏切るんじゃないかって不安なようでね……ほら、鳳凰寺と君が別人だって確証がなかったから」
「そういう事じゃなさそうだけど……まぁいいや。頑張って慣れるよ。
そうだ、今後の進軍の方針にかかわるかもしれないから相談しておきたいことがあったんだ。
あー…さっき思い出せばよかった」
そうすれば豊臣がいたから一回で話が済んだのに。
「めずらしい話だね。後で秀吉には僕から伝えておくよ」
「ありがとう。いやー、後々徳川と当たる予定ある?」
「そうだね。まだはっきり日程は決まっていないけど、徳川軍との戦いはおそらく避けられないだろうね」
だよな。どの順番で当たるかって程度の問題で、いずれは戦うだろう。
「徳川軍……取り込めないかな」
「……理由を聞いても?」
「単純な話。俺が気に入った、そんなところかな。
だーってさ、天下を取ったら次は世界を目指す豊臣だろ?
竹中だって豊臣と共に世界を目指すとなれば国内は誰を据えるつもりだ?
石田は間違いなくついていくだろう。そうなったとき、弱い存在達は誰にすがる?
さわやかな笑顔で絆という甘い言葉を説く徳川だと思うんだよな。
そうならない様に先に殺すって手もあるけど、こちらの味方に引き入れたほうが便利かなーって。
武力のみで民から反感かうより、生かさず殺さず民は上手く飼いならすべきだと思うんだよ」
「貴様ー!」
「な、なんでいきなり抜刀してんの!怖いってホントなんなのこの子!」
思わず竹中の背後に隠れる。
何かと石田は俺が気に入らないらしい。
「ああ、すまないね。三成君は同担拒否タイプらしいんだ。
僕と君が一緒にいるのも解釈違いで、君が家康君を気に入ったっていう事実も気に入らないみたいだね」
なんでもスマホを見るようになって現代的情報も拾えるらしい。いやほんと、この世界おかしいって。
「貴様が家康を語るなどおこがましい!今すぐその首を切り落としてくれる!」
「おちつけ三成。すまんな……少々空回りしやすいのよ」
丸い石のようなものを刑部は操り、石田の頭部にぶつけた。コツンっと軽く小突くような感じだ。
「いや……なんかすみません、俺の存在自体が石田さんの癇に障るようで……
取り合えず、もうちょっとしたら出ていくんでそれまで目を瞑っててくださいよ」
世の中居るのよ、何をされたわけじゃなくとも生理的に受け付けない人間っていうのはね。
悲しいけれど、石田にとってのソレは俺なのだろう。
「あ、そうだ。資料をまとめるのに少し時間が欲しいから、三成君と和海で手合わせでもしてきたらどうかな?」
そういって竹中はこそこそと石田に耳打ちをしている。
なんだ、何を言ったんだ?
めちゃくちゃ目がキラキラして嬉しそうなわんこみたいになってるぞ。
いや怖いぞこれ、絶対俺にとってはいい話じゃないぞ。
「主も苦労するな……」
刑部は俺を見ながら笑っている。
「いやぁ…慣れてます。あの、その包帯(恰好)についてお聞きしてもいいですか?」
「なに、病で皮膚が爛れておるのよ」
「あ、そういう事なんですね。いやミイラ男のコス……個性的な恰好だったので
豊臣軍に所属するなら個性的装いが必要なのかと」
「ヒッヒ…主は怖くないのか?」
「はっはー、無知に怖いものなんてないんですよ。怖いものすら分からないんですから。
それと、なんと及びしたら石田さんに殺されないで済みそうですか?
刑部さんって呼んだらめっちゃ怒られたんで」
「なに、刑部で構わぬ。ヌシが三成に追い回されるのを見るのは愉快、愉快」
ひどいな、でもまぁ本人がそれでいいというのならそう呼ばせてもらうしかないな。
「それじゃ刑部さん、改めましてよろしく」
手を差し出すと、驚いた表情を浮かべながらもまた笑い俺の手を取った。
特に彼とはかかわりがなかったのか、俺には何も見えなかった。あちらは握手を終えた手を不思議そうに見ていただけだった。
「ええーい、刑部になれなれしく触るな!」
ああーまた石田に怒られた。なんかこの後の手合わせ俺殺されそうなんだけど大丈夫?
「すいませんでした。……ところで、竹中は一体どんな条件を吹き込んだんだ?」
「手合わせで三成君が勝てたら、和海との同盟を解除するって言ったんだよ」
「うぅ…なんて責任重大なんだ。っていうか、そういう話は俺とするべきだよな?」
なんだよ、なんで無言で笑顔なんだよ。
なんか言ってくれよ。
「表へ出ろ。今すぐその首切り落としてやる」
「うわー納得いかねー!」
また首根っこを掴まれて引きずられていった。背が伸びたとはいえ身長で石田にはまだまだ勝てそうにない。
城の一角で手合わせをすることになったのだが……手合わせって殺し合いの事じゃないよな?
真田と伊達の時も思ったけど、手合わせって本当の刀使って打ち合うものでしたっけ?
「もしも貴様が私に勝てるなら、…………秀吉様と半兵衛様の後ろを歩くことを認めてやろう」
成程、俺が勝てば一応は実力を認めてくれるという訳か。
「わかりやすい、そんじゃこちらも手加減はしない」
ポケットから如意棒を取り出す。身の丈より少し長い棒を構え、石田の剣戟を交わす。
かなりの速さに初手こそ驚くが、少しすれば目が慣れる。
振りかざした刃に棒を叩きこみ、刀をへし折り石田の腹部に蹴りを入れる。
吹き飛んで壁にぶつかったけど、甲冑あるから大丈夫だろう。
「なるほど、豊臣の同盟相手としては問題ない実力よの」
「あ、刑部さん。一応これで石田さんは認めてくれますかね?」
「なに、賢人と約束したことゆえ守るであろう。その賢人より伝言よ
今宵はこちらで過ごすようにと。太閤も含め徳川をどうするかの話を進めたいらしい」
「了解しました。……とりあえず、石田さんの手当てお願いしてもいいですか?
多分俺に触られるの嫌だろうから」
俺は石田の面倒を任せて竹中のもとへ戻った。
松永に関しての書類はまとめられており、おそらく次の出現は本願寺ではないかという予想だった。
毛利と同じ見解なので、明日は本願寺へ向かおう。
夕食までの間に浅井の所に行く余裕はあるかな……。
「ねぇ和海……その背中の事は、いつになったら教えてもらえるのかな」
ぼーっと今後の予定を考えていると、竹中は悲しそうな声で問いかけてきた。
そういえばそのうち話すって言ったけど、何も伝えていなかったな。
でも合点がいくような顔をしていたって事は独自にすでに調べてあったんじゃないのか?
「聞きたい…ですか?」
「是非とも、同盟を続ける以上君の事をもう少し知りたいんだ」
一応俺はかいつまんでだが、鳳凰寺という一族について。
血の契約による願いと代償などを話した。俺自身は誰かと契約していないが背中に契約紋が浮かんだことを伝えた。
「……もしかすると、鳳凰寺が誰かと契約した結果君の方にも家紋が浮かんだのかもしれないね」
「あー…そうなると、契約者は明智光秀なのか。アイツと同じ血の匂いがするって言われたんだよ」
俺の話を聞いて竹中は鳳凰寺がすでに誰かと契約したのだろうと結論付けた。
あちらさんの背中にも契約の証が浮かんでいるのだろうか。
「和海自身は誰かと契約するつもりはないんだね」
「ない。そもそも、俺はこの血が嫌いで。血族が俺だけになったとき死のうとしたんだよ」
さらりと口をついて出てきた言葉。
ほんの少しだけ過去を思い出したようだ。
「……それで戦場に出たがるのかい?」
「いや、死のうとしたけどさ。でも戦場にでて戦いたいって理由は別。
思ったんだよ、確かに呪われた血だけどそれに縛られるの嫌だなって。
やりたいこと我慢せず、好きにやった結果死のうって」
「結局は死にたがっているんだね」
「結果が同じでも過程が違うんだよ。
同じ死だとしても、夢を追って自分の限界まで戦うのと病によって何もせずに死ぬのじゃ
死の価値が違う。俺はそう思うけどね」
呆れた顔をするので俺も言い返してみた。
何か文句が出るかと思ったが、竹中は「知っていたんだね」と半ばあきらめたような笑顔を見せる。
「そうだね、安静にしていれば幾分かは延命できるだろうけど
それでは死んでいるのと変わらない。夢はまだ終わっていないからね」
「俺としては夢半ばで竹中が倒れてほしくないんだ。だから俺は同盟を希望してるんだよ」
驚いた顔をしたが、すぐに優しい笑顔を見せてくれた。
「なら存分に君をこき使わせてもらうよ」
……おっかしーなー。表情とセリフが合わないなー。
今後の俺の扱いどうなるの?すっごい不安しかなんだけど……。