天下統一計画(閑話)
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夢を見た。
ただ一人、赤い夕焼けを眺めながら戦場に立つ夢。
ああ、どこもかしこも赤一色だ。
足元には無数の亡骸が転がっている。
それよりも一番俺が赤い色をしている。
頭の天辺から足の先まで、鉄臭い赤にまみれて立っている。
俺は笑った。ああ、この国で一番強いのは俺なんだと。
そして、泣いた。
ああ、この国にもう……誰もいないのかと―――
「最悪だ……」
まだ朝焼けすら見えない早朝に目が覚めてしまった。
長曾我部と天下について話をしたせいだろうか。一人きりの天下はつまらない。
戦う時の高揚感に飲まれて、ただただ戦って……。
残ったのは俺一人。
なんて空しい夢だろう。
甲板の上で朝日を待つ。暗い船内じゃ、気持ちが滅入りそうだったからだ。
「ずいぶんと早起きじゃねーか」
「早起きは三文の徳っていうだろ……。三文程度じゃ大したことないけどな。
三途の川の渡し賃にすらなりゃしない」
起きてきた長曾我部に笑って声をかけるが、どうやら俺の顔は笑えていなかったらしい。
「なんつー顔してんだ」
「どんな顔?」
「泣きそうだ……悪い夢でも見たのか?」
「まぁ……そんなもんかな。それより、体調はどう。今日はザビー城へ向かう日だ。
やる気がなくても構わない、足を引っ張ることだけはやめてくれ。邪魔しなければ、後をついてくるだけでいい」
軽く会話をして部屋に戻ろうと踵を返す。
「和海こそ、戦なんかできるのか」
すれ違いざまに問いかけられた。
「……できなきゃ死ぬだけさ」
――――――
そういう捨て鉢的な態度だったのもいけないんでしょうね。
長曾我部の看病はもうね、ほんとべったりでしたよ。
「ほっとけねぇよ」
そういって四六時中俺の面倒を見ようとする。
何度かの戦後、もう長曾我部には俺の傷を隠さず見せることにした。
こんだけ傷があるんだから、今更一つ二つ増えても変わりはしないと。
「……余計にほっとけねぇよ。どの傷も軽傷じゃねえだろう」
俺の傷跡を指でなぞりながら長曾我部は痛そうな顔をした。
「なんでチカが痛そうな顔するんだよ。変な奴」
ただ一人、赤い夕焼けを眺めながら戦場に立つ夢。
ああ、どこもかしこも赤一色だ。
足元には無数の亡骸が転がっている。
それよりも一番俺が赤い色をしている。
頭の天辺から足の先まで、鉄臭い赤にまみれて立っている。
俺は笑った。ああ、この国で一番強いのは俺なんだと。
そして、泣いた。
ああ、この国にもう……誰もいないのかと―――
「最悪だ……」
まだ朝焼けすら見えない早朝に目が覚めてしまった。
長曾我部と天下について話をしたせいだろうか。一人きりの天下はつまらない。
戦う時の高揚感に飲まれて、ただただ戦って……。
残ったのは俺一人。
なんて空しい夢だろう。
甲板の上で朝日を待つ。暗い船内じゃ、気持ちが滅入りそうだったからだ。
「ずいぶんと早起きじゃねーか」
「早起きは三文の徳っていうだろ……。三文程度じゃ大したことないけどな。
三途の川の渡し賃にすらなりゃしない」
起きてきた長曾我部に笑って声をかけるが、どうやら俺の顔は笑えていなかったらしい。
「なんつー顔してんだ」
「どんな顔?」
「泣きそうだ……悪い夢でも見たのか?」
「まぁ……そんなもんかな。それより、体調はどう。今日はザビー城へ向かう日だ。
やる気がなくても構わない、足を引っ張ることだけはやめてくれ。邪魔しなければ、後をついてくるだけでいい」
軽く会話をして部屋に戻ろうと踵を返す。
「和海こそ、戦なんかできるのか」
すれ違いざまに問いかけられた。
「……できなきゃ死ぬだけさ」
――――――
そういう捨て鉢的な態度だったのもいけないんでしょうね。
長曾我部の看病はもうね、ほんとべったりでしたよ。
「ほっとけねぇよ」
そういって四六時中俺の面倒を見ようとする。
何度かの戦後、もう長曾我部には俺の傷を隠さず見せることにした。
こんだけ傷があるんだから、今更一つ二つ増えても変わりはしないと。
「……余計にほっとけねぇよ。どの傷も軽傷じゃねえだろう」
俺の傷跡を指でなぞりながら長曾我部は痛そうな顔をした。
「なんでチカが痛そうな顔するんだよ。変な奴」