天下統一計画(仮)
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「和海」
「ん?どうしたんだ」
四国巡りを楽しみに、観光雑誌的な何かを一人で部屋で眺めていると、気まずそうな長曾我部が声をかけてきた。
「毛利の野郎と二人で四国に行くって話してただろう」
「うん」
「勘違いしてるみたいだから言っておくが、四国は俺の国だぞ」
……だから一緒に行くって言ったのか。
「何を言っておる!貴様が和海の配下になった以上、四国は我のものよ!」
「なんでだよ!っていうか、話聞いてたのかよ!」
スパーンといい音を立ててふすまを開けた毛利。
「確かに我は和海に負け、配下となったがザビー教の上では我のほうが立場は上よ。
和海の獲得した領地はザビー教のものとして献上される。ゆえに長曾我部、貴様の領地は我のものよ」
お前のものは俺のもの、久々にこんなジャイアニズム発言聞いたな。
「よって、此度の四国参りは布教活動よ」
「やーめーろーよー!やめてください…」
めっちゃ頭が低い長曾我部。
「えー、チカもザビー教入ろうよー」
「俺はそんな怪しい宗教に入信する気はない」
「怪しい宗教の城で暮らしてる癖に?」
俺の言葉に何か言いたそうだったが、俺と毛利を交互に見て口では勝てないと思ったのかがっくりと肩を落とした。
「……長曾我部よ、どうしても四国へ行きたいか?」
「当たり前だろう!」
「ならば、船に乗ることを許してやろう。明朝、遅れるでないぞ」
やっぱりサンデーになってから毛利は優しくなった気がするな。
「和海、ついたら俺の作った兵器を見せてやるぜ」
「やったー!楽しみだー!」
ワクワクしながら眠りについた。
明朝、非常に眠そうな長曾我部と共に毛利のもとへ向かうと、毛利の表情が暗い。
「どうしたんだ?」
「……なに、少々気になることがあってな。
一揆衆が南下してきているという話だ」
一揆衆といえばいつきちゃんだろうけど……もしかして毛利の高松城へ向かっているんだろうか?
「今はどの辺にいるんだ?」
連絡が来た時点では浅井領へ向かっている所だったらしい。
なんていうか、浅井は踏んだり蹴ったりだな。
「予定通り四国に向かって平気なのか?それこそ自国へ戻った方がいいんじゃねーのか毛利?」
「我が兵は一揆衆程度抑え込めぬような軟弱な兵ではないわ」
捨て駒と言わなくなったのか、偉いな毛利。
しかし一揆衆を無視するのも不安だよな。
最悪毛利を抱えて現地に飛べばいいか。
「ところで、アイツには言ってあるのか?」
「巫女はしばらくは雑賀と共に旅に出るそうだ」
「なら鉢合わせの心配はないか」
雑賀衆…時代的にいるだろうけど、BASARAに居たか?
記憶を探ってみるが思い出せない。そもそも俺自身の記憶も抜けがある。
何度もこの世界をやり直しているのに、その辺ほとんど記憶していない。かかわりがあった武将との接触で思い出すこともあるがたいていは死の記憶。
まず、どうしてこの世界にいるのかという部分についてはまだ何もわかっていない。
あのもう一人の俺が原因なんだろうか?
「敵襲!敵襲!!」
「ふぁ?」
思考していた俺は突然の敵襲報告でやっと現実に帰ってきた。
「敵は明智軍、突如現れたとの報告です」
「まてよ、あいつ等小田原にいたんだぞ?さすがにここまで来るのは――」
そこまで口を開き、長曾我部は俺を見た。
「鳳凰寺 がいるんだろ。ありえない話じゃない」
「成程、あちらの和海も陰による移動ができるという訳か。しかし…軍での移動となれば貴様より能力は上という事か」
「そうだな。軍で移動してくるって規格外だろ」
俺は思わずため息を漏らす。
「被害状況は?」
「早朝の為、警護に当たっていたものが少なく建築中のザビーランドへの被害が甚大です」
あー…まぁ建築中ならまた作ればいいからいいか。
「とりあえず出る」
俺が立ち上がると、毛利に引き留められる。
「あちらは武器を持っている、素手では不便であろう」
何か指示を出し、兵に長い箱を持ってこさせた。
「何これ」
「武器だ。素手よりはマシであろう」
桐箱の中にあったのは黒い金属製の棒。両端には金色の箍。鉄とは違う様な……。あれだ、如意棒みたいだ。
とはいえ、持ち歩くには長いな。
「お?」
ぽんと掌に収まる小さな棒になった。
原理はよく分からないが、とりあえず便利な棒が武器になった。重くないし、隠しておくこともできる。
「毛利、ありがとう」
「奇妙なモン武器にするんだな」
「錨を武器にしてるチカには言われたくないね」
俺は新しい武器を手に戦場へ向かった。
「こらひどい」
建てかけの建造物には火が上がっていた。
何人か兵たちも燃えている。
嫌な絵だ……頭が痛い。胸の内から不快感がこみ上げてくる。
「……織田に焼かれたときみたいだ」
ぼそっと零れた一言。
ああ……関係者に接触したときだけじゃなく、それに近い風景でも思い出すのか。
それとも、近くにアイツがいるからなのか。
「それは私の記憶。お前のじゃない」
バチバチ雷撃を纏わせながら近づいてくるのは鳳凰寺。
長曾我部の記憶にいる俺もあちらの姿だ。やはり少なからず動揺しているようだ。
「鳳凰寺和海、それは私の名前。お前のものじゃない。この世界にお前のものは何一つない。
かすめ取った力、返してもらう」
しなる刀を振り回し一気に距離を詰めてくる。
同時に周囲に雷撃が降り注ぐ。
鳳凰寺家の能力以外にしれっとBASARA使うの卑怯じゃないですかね?
「和海!」
長曾我部の言葉に鳳凰寺の瞳が揺れる。
俺をかばうために長曾我部が前に出たからだ。
「……元親様、なぜ」
泣きそうな目、俺の記憶にはない思い出があるのだろう。
一瞬攻撃の手が止まるが、すぐに武器を握り直し振り下ろしてくる。
長曾我部は武器で受け止めるが雷撃によりバランスを崩してしまう。
「お前がいる所為ですべてがおかしくなったんだ!」
「そんなこと言われても知るか!」
長曾我部を押しのけて、振りかぶってきた鳳凰寺の腹部に向けて武器を巨大化させてぶつける。
「俺は好きでここにいる訳じゃないし、能力を奪った訳でもない」
丸太のように巨大化させた武器を扱いやすい棒状に戻す。
これ完璧に如意棒だ。
「なぁ…本物っていうのなら教えてくれよ。なんでこの世界にいるのかを」
「何を言っている、鳳凰寺家の人間として私はこの世界に生まれたのだ」
もし本当なら、こいつは俺の祖先なのか?
いや、でもここはBASARAってゲームの世界だろ?
違うのか?いや分からん…
「殺す、お前さえ死ねばすべて私のものになる」
「いやならないって。お前の話が本当なら俺とは別もんだ!」
しなる刀を棒術で弾き飛ばしながら距離を詰めて相手を弾き飛ばす。
……そういや、俺は今は能力を使っていないのにこいつと互角にやりあってるのか?
それともあいつが弱いのか……
「おやおや、どうやら今日は調子が悪いようですね」
俺と鳳凰寺の間に飛び込んできたのは明智だった。
「いったん引きましょう」
一瞬鳳凰寺は俺を睨みつけたが明智の命に従いすっと闇の中に消えていった。
結局何もわからなかった。
いや、結局なんで俺はここに居るんだろう。
それになんだろう、この違和感。
アイツと切り結んでから気持ちが悪い。
「和海…その髪」
「へ?」
俺には見えないが、何かおかしい事になっているようだ。
「……あまり良くない状況のようだな」
「あ、毛利。やっと来たのかよ」
どうやら俺の髪色がまた変わったらしい。
先日髪色が茶色に寄ったが、今回はインナーカラー的な感じで内側が白くなっているらしい。
「どう良くないんだ毛利」
「貴様は……すべてを思い出したわけではないようだな。和海、貴様は意味は分かっているか?」
「いや、知らん。白くなったらまずいのか?」
「時々和海の髪が白くなる事だってあったぞ?」
毛利がすごい睨んでくる。
俺というより長曾我部に向けての視線だが。
「知らぬなら、まだ知る必要はない。……旅は我はついては行けぬ。そのバカと共に二人で行くがよい」
毛利は何か用事ができたらしい。俺と長曾我部の二人で四国旅行か。悪くないけど……なんか気持ちが悪いな。
いったい何を毛利は隠しているんだ?
「ん?どうしたんだ」
四国巡りを楽しみに、観光雑誌的な何かを一人で部屋で眺めていると、気まずそうな長曾我部が声をかけてきた。
「毛利の野郎と二人で四国に行くって話してただろう」
「うん」
「勘違いしてるみたいだから言っておくが、四国は俺の国だぞ」
……だから一緒に行くって言ったのか。
「何を言っておる!貴様が和海の配下になった以上、四国は我のものよ!」
「なんでだよ!っていうか、話聞いてたのかよ!」
スパーンといい音を立ててふすまを開けた毛利。
「確かに我は和海に負け、配下となったがザビー教の上では我のほうが立場は上よ。
和海の獲得した領地はザビー教のものとして献上される。ゆえに長曾我部、貴様の領地は我のものよ」
お前のものは俺のもの、久々にこんなジャイアニズム発言聞いたな。
「よって、此度の四国参りは布教活動よ」
「やーめーろーよー!やめてください…」
めっちゃ頭が低い長曾我部。
「えー、チカもザビー教入ろうよー」
「俺はそんな怪しい宗教に入信する気はない」
「怪しい宗教の城で暮らしてる癖に?」
俺の言葉に何か言いたそうだったが、俺と毛利を交互に見て口では勝てないと思ったのかがっくりと肩を落とした。
「……長曾我部よ、どうしても四国へ行きたいか?」
「当たり前だろう!」
「ならば、船に乗ることを許してやろう。明朝、遅れるでないぞ」
やっぱりサンデーになってから毛利は優しくなった気がするな。
「和海、ついたら俺の作った兵器を見せてやるぜ」
「やったー!楽しみだー!」
ワクワクしながら眠りについた。
明朝、非常に眠そうな長曾我部と共に毛利のもとへ向かうと、毛利の表情が暗い。
「どうしたんだ?」
「……なに、少々気になることがあってな。
一揆衆が南下してきているという話だ」
一揆衆といえばいつきちゃんだろうけど……もしかして毛利の高松城へ向かっているんだろうか?
「今はどの辺にいるんだ?」
連絡が来た時点では浅井領へ向かっている所だったらしい。
なんていうか、浅井は踏んだり蹴ったりだな。
「予定通り四国に向かって平気なのか?それこそ自国へ戻った方がいいんじゃねーのか毛利?」
「我が兵は一揆衆程度抑え込めぬような軟弱な兵ではないわ」
捨て駒と言わなくなったのか、偉いな毛利。
しかし一揆衆を無視するのも不安だよな。
最悪毛利を抱えて現地に飛べばいいか。
「ところで、アイツには言ってあるのか?」
「巫女はしばらくは雑賀と共に旅に出るそうだ」
「なら鉢合わせの心配はないか」
雑賀衆…時代的にいるだろうけど、BASARAに居たか?
記憶を探ってみるが思い出せない。そもそも俺自身の記憶も抜けがある。
何度もこの世界をやり直しているのに、その辺ほとんど記憶していない。かかわりがあった武将との接触で思い出すこともあるがたいていは死の記憶。
まず、どうしてこの世界にいるのかという部分についてはまだ何もわかっていない。
あのもう一人の俺が原因なんだろうか?
「敵襲!敵襲!!」
「ふぁ?」
思考していた俺は突然の敵襲報告でやっと現実に帰ってきた。
「敵は明智軍、突如現れたとの報告です」
「まてよ、あいつ等小田原にいたんだぞ?さすがにここまで来るのは――」
そこまで口を開き、長曾我部は俺を見た。
「
「成程、あちらの和海も陰による移動ができるという訳か。しかし…軍での移動となれば貴様より能力は上という事か」
「そうだな。軍で移動してくるって規格外だろ」
俺は思わずため息を漏らす。
「被害状況は?」
「早朝の為、警護に当たっていたものが少なく建築中のザビーランドへの被害が甚大です」
あー…まぁ建築中ならまた作ればいいからいいか。
「とりあえず出る」
俺が立ち上がると、毛利に引き留められる。
「あちらは武器を持っている、素手では不便であろう」
何か指示を出し、兵に長い箱を持ってこさせた。
「何これ」
「武器だ。素手よりはマシであろう」
桐箱の中にあったのは黒い金属製の棒。両端には金色の箍。鉄とは違う様な……。あれだ、如意棒みたいだ。
とはいえ、持ち歩くには長いな。
「お?」
ぽんと掌に収まる小さな棒になった。
原理はよく分からないが、とりあえず便利な棒が武器になった。重くないし、隠しておくこともできる。
「毛利、ありがとう」
「奇妙なモン武器にするんだな」
「錨を武器にしてるチカには言われたくないね」
俺は新しい武器を手に戦場へ向かった。
「こらひどい」
建てかけの建造物には火が上がっていた。
何人か兵たちも燃えている。
嫌な絵だ……頭が痛い。胸の内から不快感がこみ上げてくる。
「……織田に焼かれたときみたいだ」
ぼそっと零れた一言。
ああ……関係者に接触したときだけじゃなく、それに近い風景でも思い出すのか。
それとも、近くにアイツがいるからなのか。
「それは私の記憶。お前のじゃない」
バチバチ雷撃を纏わせながら近づいてくるのは鳳凰寺。
長曾我部の記憶にいる俺もあちらの姿だ。やはり少なからず動揺しているようだ。
「鳳凰寺和海、それは私の名前。お前のものじゃない。この世界にお前のものは何一つない。
かすめ取った力、返してもらう」
しなる刀を振り回し一気に距離を詰めてくる。
同時に周囲に雷撃が降り注ぐ。
鳳凰寺家の能力以外にしれっとBASARA使うの卑怯じゃないですかね?
「和海!」
長曾我部の言葉に鳳凰寺の瞳が揺れる。
俺をかばうために長曾我部が前に出たからだ。
「……元親様、なぜ」
泣きそうな目、俺の記憶にはない思い出があるのだろう。
一瞬攻撃の手が止まるが、すぐに武器を握り直し振り下ろしてくる。
長曾我部は武器で受け止めるが雷撃によりバランスを崩してしまう。
「お前がいる所為ですべてがおかしくなったんだ!」
「そんなこと言われても知るか!」
長曾我部を押しのけて、振りかぶってきた鳳凰寺の腹部に向けて武器を巨大化させてぶつける。
「俺は好きでここにいる訳じゃないし、能力を奪った訳でもない」
丸太のように巨大化させた武器を扱いやすい棒状に戻す。
これ完璧に如意棒だ。
「なぁ…本物っていうのなら教えてくれよ。なんでこの世界にいるのかを」
「何を言っている、鳳凰寺家の人間として私はこの世界に生まれたのだ」
もし本当なら、こいつは俺の祖先なのか?
いや、でもここはBASARAってゲームの世界だろ?
違うのか?いや分からん…
「殺す、お前さえ死ねばすべて私のものになる」
「いやならないって。お前の話が本当なら俺とは別もんだ!」
しなる刀を棒術で弾き飛ばしながら距離を詰めて相手を弾き飛ばす。
……そういや、俺は今は能力を使っていないのにこいつと互角にやりあってるのか?
それともあいつが弱いのか……
「おやおや、どうやら今日は調子が悪いようですね」
俺と鳳凰寺の間に飛び込んできたのは明智だった。
「いったん引きましょう」
一瞬鳳凰寺は俺を睨みつけたが明智の命に従いすっと闇の中に消えていった。
結局何もわからなかった。
いや、結局なんで俺はここに居るんだろう。
それになんだろう、この違和感。
アイツと切り結んでから気持ちが悪い。
「和海…その髪」
「へ?」
俺には見えないが、何かおかしい事になっているようだ。
「……あまり良くない状況のようだな」
「あ、毛利。やっと来たのかよ」
どうやら俺の髪色がまた変わったらしい。
先日髪色が茶色に寄ったが、今回はインナーカラー的な感じで内側が白くなっているらしい。
「どう良くないんだ毛利」
「貴様は……すべてを思い出したわけではないようだな。和海、貴様は意味は分かっているか?」
「いや、知らん。白くなったらまずいのか?」
「時々和海の髪が白くなる事だってあったぞ?」
毛利がすごい睨んでくる。
俺というより長曾我部に向けての視線だが。
「知らぬなら、まだ知る必要はない。……旅は我はついては行けぬ。そのバカと共に二人で行くがよい」
毛利は何か用事ができたらしい。俺と長曾我部の二人で四国旅行か。悪くないけど……なんか気持ちが悪いな。
いったい何を毛利は隠しているんだ?