天下統一計画(仮)
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俺と真田の勝負は実に泥臭いものとなった。
リーチの長い槍とまともにやりあってもこちらが不利だ。そもそも俺はどちらかといえば一対一でも不意打ち狙いの攻撃がメインだ。
徳川のように一撃で地面をえぐれるわけでも、豊臣のようなパワーもリーチもない。
俺は真田の突きを地面に潜って交わして、背後に回って蹴り飛ばした。一瞬バランスを崩しても、すぐに立て直して反撃してくる。
いやだ、武将の皆さん体幹鍛えてある人ばっかりでなかなか倒れてくれない。
だが、その一瞬で十分だ。真田の懐に入り込み両腕を掴んで、あごに思いきり頭突きをした。下から上にドーンっといったので、下手したら舌を嚙んだかもしれないが、そんなこと考えている場合じゃない。
頭突きの勢いそのままに真田を押し倒して馬乗りになる。そのまま顔面に一発入れるつもりが、すぐさま槍を手放して俺の拳を防いだ。
もう一発と思ったが、両方止められてしまう。手が使えないならと、そのまま真田の額に頭突きを狙うが、向こうも同じことを考えていたようだ。
互いに額をぶつけ合う形になったが、負けたのは俺のほうだった。
「があっ!」
まさか額が割れるとは…。血が目に入り、思わず仰け反ってしまった。
その隙に顔を殴られた。衝撃で視界がブレるがまだ俺は真田に乗ったままだ。体重をかけて、真田の首に手をかける。
「はいはーい、その辺で。今日は和海の調子悪かったみたいだね」
ぽんっと方に手を置かれる。手合わせはここまでだと猿飛に止められた。
「あーあ、またひどい顔になっちゃって…」
額だけじゃなく、顔を殴られて鼻血もでて…今までで一番ひどい顔になってるんじゃないかこれ。
「真田さん丈夫すぎるんだよ…全然攻撃効かないし」
彼の上から退き、立てるように手を差し出すのだが真田は俺の手を取ろうとしない。
「そんなことはござらん。和海殿の一撃は殴られた表面より内側に直接抉られる様な痛みでござる。
すまん佐助、手を貸してくれ。立ち上がれそうにない」
どうやら真田のほうは脳震盪を起こして自力で起き上がることはできないようだ。
そう考えると、額が割れただけの俺のほうがマシなのかな。
「和海ー!」
「あー、怒るなよー!」
「派手にやられたな」
俺が怪我をすると見越していたのか、長曾我部の手にはきれいな布が握られている。
長曾我部が俺の手当をしてくれている間、猿飛は真田の介護。伊達は俺と真田を笑っている。後で殴る。
「まだ本調子じゃないんだろ。無理するな」
「……ごめん。でも真田と戦っておいてよかった。俺の弱点が分かったからな」
炎が怖いと長曾我部に伝えると、首を傾げられた。
「俺と手合わせしたときは平気だったじゃないか」
「それはチカの炎だからだよ。身内の攻撃にビビるようじゃ背中を任せられないだろう。
真田は今後確実に敵対する相手だからさ……。これは困ったな」
「そういう時は俺を呼べ。アンタの背中は俺が守ってやるからな」
ガシガシと頭をなでられた。なんだか小さな子供になった気分だ。
「……ありがとう。チカが味方でよかったよ」
「Hey!次は俺と勝負しな」
六本の刀を器用に構えている伊達のがら空きになってる腹に飛び蹴りをかましてやった。
「けが人を労われ!」
「けが人が暴れるな!」
追加で殴ってやろうと思ったのに長曾我部に羽交い絞めにされて止められた。
「うーん和海の方は大丈夫そうだね。
旦那は動けそう?」
「かたじけない、何とか落ち着いてきた。
和海殿、手合わせいただき感謝いたす。貴殿を佐助が引き抜きたいと言っていた理由が分かった。
確かに忍隊に勧誘したい気持ちはよくわかる」
猿飛、そんな風に思ってたのか。
でも忍びになるのはもう勘弁です。
「Ha!猿にやる位なら、俺が先に搔っ攫ってる」
どや顔で言うけど、伊達に攫われてもお前の兵をやる予定は今回はないぞ。
「なにいってんだ!和海は俺のもんだ」
「いつからチカの物になったんだ?」
「あ、いや…南の宝的な意味で?」
まぁ、南の大将だもんな。
伊達と猿飛は長曾我部のところをニヤニヤと笑いながら生暖かいまなざしを向けている。
まぁ恥ずかしいこと言ってたもんな。仕方ないね。
「まぁちょっと休憩にしましょうかね。旦那、お団子食べるでしょ?」
「うむ、頼む!和海殿も是非召し上がってくだされ。佐助の団子は特別美味いでござるよ!」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
……あれ?猿飛って仕事でしばらくここにいなかったんだよね。今から団子作って完成っていつだ?
「はいはーい、用意できてるよ」
「佐助さんが増えた!」
「忍びのやることだよ?何でもありさ」
影分身なのか?もう一人の猿飛がお茶と団子を持ってきた。なんて便利な能力なのか……。
よっぽど羨ましそうに猿飛を見ていたのだろう。にっこりと猿飛は笑いながら「俺様の部下になるなら教えてあげるよ」なんて誘ってくる。
危ない、一瞬心が揺らぎそうになった。
「そいつはいい提案だ。分身覚えて、俺の所に来ないか?」
「いやいやありえないって。一応俺は南の大将なんだしさ、佐助さんの下につくわけにいかないし、分身できたとしても政宗の元に行くつもりはないよ。
なんだかんだザビー教のみんなといるの楽しいんだよね」
「パシリなのに?」
「……パシリだけどさ…。でも自分のやりたいこと、できるっていいよ。誰かに仕えるって……俺には向いていなかったんだと思う」
でもなぁ…パシリなんだよな。それに、雑用係みたいなところあるしな。
「和海殿はあの珍妙な教団の信者でござったか」
「まぁ珍妙なのは否定しないけどね。面白いから一度見に来てくださいよ、おもてなししますよ。観光業に勤しんでいるところあるんで」
アイスクリーム屋とか時代にそぐわないふわふわかき氷とかあるけど、まぁ南蛮となんでもあるバサラ屋の所為にしておこう。
甘いものが好みの真田にはその辺を一生懸命プレゼンしてみたら興味を持ってくれたので、そのうち遊びに来てくれるかな。
いや……遊びに来る前に俺ら戦だったな。
「……そういや、俺は誘われてないな。なんで遊びに来いって誘わないんだよ」
伊達の事を放置気味で真田と話をしていたらなんだか拗ねてしまったようだ。
「だってさ、政宗の場合はさ片倉さんが許可しないでしょ。俺説得するの嫌だよ?」
「そこは頑張れよ、勧誘しろよ!」
「絶対ヤダ。あの人怒らせたくない。怖いもん」
「……和海殿と政宗殿はずいぶんと仲が良いのでござるな」
「「……腐れ縁?」」
思わず声がハモった。仲がいいといっていいのだろうか?
「まぁ、遊びに来るなら歓迎はするからさ。楽しみに待ってるよ」
「土産に竜の爪持ってくるなら、歓迎してやってもいいぜ」
「ふざけんな!」
長曾我部と伊達が殴り合い始めたので、俺はお茶のお代わりをもらいつつそれを眺めていた。
「……その、和海殿。お聞きしてもいいのか悩んでいたのですが」
「ん?何でしょうか」
お団子を片手に真田は俺の顔をチラチラ見てくる。
「もしかして、目の事ですか?」
戦闘中は琥珀色だったのに、今の瞳は青色だという。
「え、手合わせ中琥珀色だった?」
「はい。しかし今は青く…某の見間違いかと思ったのですがやはり青く見えますな」
戦闘モードのなってない状態であれだけ真田と殴り合えたのは喜ぶべきなんだろうか?それとも戦闘モードに切り替えができなくなった?
「怪我をすると、俺って目の色変わるらしいです。自分で見たことないんでわかんないんですけどね」
「不思議な体質でござるな」
「炎を纏う真田さんに言われたくないですね」
「……先ほどは誘ってくださり感謝いたす。しかし我らは近々豊臣軍との戦を控えております。
おそらく、貴殿の誘いにこたえることは難しいかと思うのでござる」
猿飛の方も困った笑顔を見せる。
「そうそう武田軍が負けるとは思わないけど、まぁ……負けた時は諦めて遊びに来てよ。豊臣も武田騎馬隊ほしいと思っているし
優秀な忍びと虎を失いたくはないからね」
「豊臣は武田を潰すつもりなんじゃないの?」
「まさか。使えるものは大切に使うよ。それに―――俺はまた真田さんと手合わせしたいし。今度は武器持ってきますから」
手を差し伸べると、力強く「是非!」と握り返してくれた。
「……和海殿」
ああ…真田の下に居たこともあるのか。まぁ死ぬんだけどね……。
「それじゃそろそろ俺たちは帰ります。急に押しかけてすいませんでした」
「いえ、こうして話ができて感謝しております。それではまたお会いする時まで」
殴り合ってる二人の首根っこを掴んで奥州へ飛んだ。
奥州へ戻ると鬼の形相でお出迎えしてくれた片倉からのお説教が待っていた。
リーチの長い槍とまともにやりあってもこちらが不利だ。そもそも俺はどちらかといえば一対一でも不意打ち狙いの攻撃がメインだ。
徳川のように一撃で地面をえぐれるわけでも、豊臣のようなパワーもリーチもない。
俺は真田の突きを地面に潜って交わして、背後に回って蹴り飛ばした。一瞬バランスを崩しても、すぐに立て直して反撃してくる。
いやだ、武将の皆さん体幹鍛えてある人ばっかりでなかなか倒れてくれない。
だが、その一瞬で十分だ。真田の懐に入り込み両腕を掴んで、あごに思いきり頭突きをした。下から上にドーンっといったので、下手したら舌を嚙んだかもしれないが、そんなこと考えている場合じゃない。
頭突きの勢いそのままに真田を押し倒して馬乗りになる。そのまま顔面に一発入れるつもりが、すぐさま槍を手放して俺の拳を防いだ。
もう一発と思ったが、両方止められてしまう。手が使えないならと、そのまま真田の額に頭突きを狙うが、向こうも同じことを考えていたようだ。
互いに額をぶつけ合う形になったが、負けたのは俺のほうだった。
「があっ!」
まさか額が割れるとは…。血が目に入り、思わず仰け反ってしまった。
その隙に顔を殴られた。衝撃で視界がブレるがまだ俺は真田に乗ったままだ。体重をかけて、真田の首に手をかける。
「はいはーい、その辺で。今日は和海の調子悪かったみたいだね」
ぽんっと方に手を置かれる。手合わせはここまでだと猿飛に止められた。
「あーあ、またひどい顔になっちゃって…」
額だけじゃなく、顔を殴られて鼻血もでて…今までで一番ひどい顔になってるんじゃないかこれ。
「真田さん丈夫すぎるんだよ…全然攻撃効かないし」
彼の上から退き、立てるように手を差し出すのだが真田は俺の手を取ろうとしない。
「そんなことはござらん。和海殿の一撃は殴られた表面より内側に直接抉られる様な痛みでござる。
すまん佐助、手を貸してくれ。立ち上がれそうにない」
どうやら真田のほうは脳震盪を起こして自力で起き上がることはできないようだ。
そう考えると、額が割れただけの俺のほうがマシなのかな。
「和海ー!」
「あー、怒るなよー!」
「派手にやられたな」
俺が怪我をすると見越していたのか、長曾我部の手にはきれいな布が握られている。
長曾我部が俺の手当をしてくれている間、猿飛は真田の介護。伊達は俺と真田を笑っている。後で殴る。
「まだ本調子じゃないんだろ。無理するな」
「……ごめん。でも真田と戦っておいてよかった。俺の弱点が分かったからな」
炎が怖いと長曾我部に伝えると、首を傾げられた。
「俺と手合わせしたときは平気だったじゃないか」
「それはチカの炎だからだよ。身内の攻撃にビビるようじゃ背中を任せられないだろう。
真田は今後確実に敵対する相手だからさ……。これは困ったな」
「そういう時は俺を呼べ。アンタの背中は俺が守ってやるからな」
ガシガシと頭をなでられた。なんだか小さな子供になった気分だ。
「……ありがとう。チカが味方でよかったよ」
「Hey!次は俺と勝負しな」
六本の刀を器用に構えている伊達のがら空きになってる腹に飛び蹴りをかましてやった。
「けが人を労われ!」
「けが人が暴れるな!」
追加で殴ってやろうと思ったのに長曾我部に羽交い絞めにされて止められた。
「うーん和海の方は大丈夫そうだね。
旦那は動けそう?」
「かたじけない、何とか落ち着いてきた。
和海殿、手合わせいただき感謝いたす。貴殿を佐助が引き抜きたいと言っていた理由が分かった。
確かに忍隊に勧誘したい気持ちはよくわかる」
猿飛、そんな風に思ってたのか。
でも忍びになるのはもう勘弁です。
「Ha!猿にやる位なら、俺が先に搔っ攫ってる」
どや顔で言うけど、伊達に攫われてもお前の兵をやる予定は今回はないぞ。
「なにいってんだ!和海は俺のもんだ」
「いつからチカの物になったんだ?」
「あ、いや…南の宝的な意味で?」
まぁ、南の大将だもんな。
伊達と猿飛は長曾我部のところをニヤニヤと笑いながら生暖かいまなざしを向けている。
まぁ恥ずかしいこと言ってたもんな。仕方ないね。
「まぁちょっと休憩にしましょうかね。旦那、お団子食べるでしょ?」
「うむ、頼む!和海殿も是非召し上がってくだされ。佐助の団子は特別美味いでござるよ!」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
……あれ?猿飛って仕事でしばらくここにいなかったんだよね。今から団子作って完成っていつだ?
「はいはーい、用意できてるよ」
「佐助さんが増えた!」
「忍びのやることだよ?何でもありさ」
影分身なのか?もう一人の猿飛がお茶と団子を持ってきた。なんて便利な能力なのか……。
よっぽど羨ましそうに猿飛を見ていたのだろう。にっこりと猿飛は笑いながら「俺様の部下になるなら教えてあげるよ」なんて誘ってくる。
危ない、一瞬心が揺らぎそうになった。
「そいつはいい提案だ。分身覚えて、俺の所に来ないか?」
「いやいやありえないって。一応俺は南の大将なんだしさ、佐助さんの下につくわけにいかないし、分身できたとしても政宗の元に行くつもりはないよ。
なんだかんだザビー教のみんなといるの楽しいんだよね」
「パシリなのに?」
「……パシリだけどさ…。でも自分のやりたいこと、できるっていいよ。誰かに仕えるって……俺には向いていなかったんだと思う」
でもなぁ…パシリなんだよな。それに、雑用係みたいなところあるしな。
「和海殿はあの珍妙な教団の信者でござったか」
「まぁ珍妙なのは否定しないけどね。面白いから一度見に来てくださいよ、おもてなししますよ。観光業に勤しんでいるところあるんで」
アイスクリーム屋とか時代にそぐわないふわふわかき氷とかあるけど、まぁ南蛮となんでもあるバサラ屋の所為にしておこう。
甘いものが好みの真田にはその辺を一生懸命プレゼンしてみたら興味を持ってくれたので、そのうち遊びに来てくれるかな。
いや……遊びに来る前に俺ら戦だったな。
「……そういや、俺は誘われてないな。なんで遊びに来いって誘わないんだよ」
伊達の事を放置気味で真田と話をしていたらなんだか拗ねてしまったようだ。
「だってさ、政宗の場合はさ片倉さんが許可しないでしょ。俺説得するの嫌だよ?」
「そこは頑張れよ、勧誘しろよ!」
「絶対ヤダ。あの人怒らせたくない。怖いもん」
「……和海殿と政宗殿はずいぶんと仲が良いのでござるな」
「「……腐れ縁?」」
思わず声がハモった。仲がいいといっていいのだろうか?
「まぁ、遊びに来るなら歓迎はするからさ。楽しみに待ってるよ」
「土産に竜の爪持ってくるなら、歓迎してやってもいいぜ」
「ふざけんな!」
長曾我部と伊達が殴り合い始めたので、俺はお茶のお代わりをもらいつつそれを眺めていた。
「……その、和海殿。お聞きしてもいいのか悩んでいたのですが」
「ん?何でしょうか」
お団子を片手に真田は俺の顔をチラチラ見てくる。
「もしかして、目の事ですか?」
戦闘中は琥珀色だったのに、今の瞳は青色だという。
「え、手合わせ中琥珀色だった?」
「はい。しかし今は青く…某の見間違いかと思ったのですがやはり青く見えますな」
戦闘モードのなってない状態であれだけ真田と殴り合えたのは喜ぶべきなんだろうか?それとも戦闘モードに切り替えができなくなった?
「怪我をすると、俺って目の色変わるらしいです。自分で見たことないんでわかんないんですけどね」
「不思議な体質でござるな」
「炎を纏う真田さんに言われたくないですね」
「……先ほどは誘ってくださり感謝いたす。しかし我らは近々豊臣軍との戦を控えております。
おそらく、貴殿の誘いにこたえることは難しいかと思うのでござる」
猿飛の方も困った笑顔を見せる。
「そうそう武田軍が負けるとは思わないけど、まぁ……負けた時は諦めて遊びに来てよ。豊臣も武田騎馬隊ほしいと思っているし
優秀な忍びと虎を失いたくはないからね」
「豊臣は武田を潰すつもりなんじゃないの?」
「まさか。使えるものは大切に使うよ。それに―――俺はまた真田さんと手合わせしたいし。今度は武器持ってきますから」
手を差し伸べると、力強く「是非!」と握り返してくれた。
「……和海殿」
ああ…真田の下に居たこともあるのか。まぁ死ぬんだけどね……。
「それじゃそろそろ俺たちは帰ります。急に押しかけてすいませんでした」
「いえ、こうして話ができて感謝しております。それではまたお会いする時まで」
殴り合ってる二人の首根っこを掴んで奥州へ飛んだ。
奥州へ戻ると鬼の形相でお出迎えしてくれた片倉からのお説教が待っていた。