天下統一計画(仮)
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政宗公との面会日、城には客人が来ているという。
秀吉公と同盟を結び、元親を配下に置き、毛利とも手を組み南側を制圧したという和海……。
いかほどの男なのかと、会える機会を楽しみにしていた。
彼は今喉を傷めていると元親が言っていた。政宗公からも何かいい薬があればと代金は支払うから用意してほしいと頼んできた。
政宗公とも親しいようで、いったいどんな人物なのか期待が膨らむ一方であった。
実際に会ってみて、想像していたよりもずっと小柄な者だった。
勝手に秀吉公に並ぶ体格の者を想像していたが、彼はワシよりも小さかった。
見た目で強さはわかない、今は気を張っていないせいかただの子供に見える。
彼が自己紹介するまで少し疑っていたところもあった。
手渡された薬を何の迷いもなく口にする不用心さからも、元親が心配する理由もよく分かった。
ただ、彼の異常な回復力をもってすれば、毒など気にならないのかもしれない。
ワシの薬を飲み、すぐに効果が出て声が出せるようになるというのは少し異常だ。
提案したワシが言うのもなんだが、病み上がりで手合わせを望まれてすぐに受けてしまうあたりも自己管理ができていないのか、よほど自身の体調に自信があるのか……。
おそらく後者なのだろう。
しかし、南の総大将といううわさが流れてきていたが、元親に怒鳴られ小さくなり、その後政宗公にも怒鳴られ小さくなり…本当に人を導く器の中疑問に思った。
翌日、手合わせの機会を貰い、彼と拳を交えることになった。
軽い手合わせだからと、和海は部屋着のような装いだった。
後で聞いたが、一張羅が破け政宗公から借りていた客人用の着物だったらしい。
「無理すんなよ、やりすぎだと思ったら止めるからな」
「チカが?止められるの?」
和海は昨日より声が出やすくなったようで、普通に会話をしていた。
軽口を叩きあう、主従というより友のような関係に見えた。
「お待たせしました。今日はよろしくお願いします」
青い瞳がじっとこちらを見つめてくる。空のように澄んだ青はこちらを見透かすようだ。どう動こうとしているのか見切られているような気持になる。
手合わせということで素手同士だが、本当に大丈夫だろうか?
そんな考えは、拳を一度交えた瞬間に消え去った。
昨日の舞のような動きとは一変し、荒々しく攻め立ててくる拳の連撃に驚いた。当たってはいるが、さほど痛みがないのは、手加減をされているからだろう。
あくまで組手、そのように考えているのかもしれない。
「お前は何故戦に出る?」
「そうですね……早く戦が終わってほしいから」
「豊臣と同盟を組んだのもそういう理由なのか?」
「ええ。織田に天下を任せる訳にはいきませんし。俺が天下を治めるって器じゃないし。
なら可能性の高い人に協力して、早く国を一つにするべきかと思ったんですよ」
可能性のある人間。その言葉が少し、つらく感じた。
「まぁ、手っ取り早く国をまとめるには豊臣がいいんでしょうけど、あまり人に寄り添うタイプじゃないんで、そのあたりを考えれば徳川殿が手を貸してくれると大変ありがたいんですがね」
「なら、最初からワシに声を掛けたらよかったんじゃないか?」
「もしも、最初に貴方に会っていたら……そんな未来もあったかもしれませんね。
俺としてはでかい戦はあまりしたくないので。予算もかかるし、人員もいないし、多くの人が死ぬし…。
争わず、手を取り合えるのが最良だとは思っているんですよ。これでも」
彼は、寂しそうに笑った。
それが難しい世だと、わかっているからだろう。
「あ、同盟無理でもいいんで、今度俺の城に遊びに来てくださいよ。
ザビー教による愛の力で平和を願っていますんで」
「うーん、考えておこう。ザビー殿には迷惑を掛けられたからな…」
忠勝を異様に気に入っていた御仁だからな。忠勝と行ったら、またひと悶着ありそうだ。
「何が愛なんだか。教祖代理が毛利の時点でダメだろ」
「なにいってんだよ、サンデー毛利は愛に目覚めた素晴らしい教祖代理だぞ」
「殴り合いの時目の色変えて喜ぶ和海の言葉には説得力がないぜ」
……今日はなんだか元親は機嫌が悪いようだな。
やはりワシが和海と手合わせしているのが気に入らないのだろうか?
「いいね、いいね。手合わせに俺も混ぜろよ」
木刀を二本もち、政宗公が現れた。……片倉殿が大変そうだ。
受け取れと言って投げられた木刀を受け取った和海だったが、彼はワシや秀吉公のように素手で戦うのではないのか?
「和海は刀も扱えるのか?」
「ああ、槍でも刀でも手裏剣でも、必要なら何でも使う」
確かに、木刀を持つ構えも様になっている。
「俺の武器を使ってたこともあったな」
やはり見た目とはちがい、かなりの怪力のようだ。
「まぁ使ったって言えるか微妙だけどね。うーん、ただの手合わせってのもつまらないな。
何か報酬ありでさ、チカも見てるだけじゃつまらないだろう。
全員まとめてかかって来いよ。そんで勝ち残ったやつが、負けたやつに命令できるとかどう?
あんまり無茶な命令なしで」
「そんじゃ、俺が勝ったら和海には伊達の兵として働いてもらうか」
「いきなり無理な命令が来たんだが?」
「なに、お前の下の者たちもまとめて受け入れてやるよ」
……お遊びでいうような命令ではないな。だが、本当にそれを命じる様子はなさそうだ。それは和海も理解しているが、元親はやきもきしているな。
「へへ…もし俺が勝ったら、政宗と徳川殿。連絡先を交換しよう!
自腹でスマホ買ってくれよ」
「そんなんでいいのか?」
「それは構わないが…連絡が取れるようになるのはこちらとしてもありがたいが」
スマホは和海に見せてもらったり、元親にかりてみてほしいと思っていたものだから購入自体は予定にあったことだが…。
「家康……資金に余裕はあんのかよ」
ぼそっと元親が耳打ちをしてくる。一台当たりの値段を聞いてめまいがした。それを和海は5台も購入したというのだから、かなりの資金を持っているのだろう。
「まぁ、俺が勝てたらって話だし。軽く考えていいよ~。あ、チカは俺の着物買ってくれよな」
「そんなもん、和海が勝たなくたって買ってやるよ」
――――――――
もしも勝てていたら…政宗公のように和海へ徳川軍に下るように命じていたかもしれない。
惜しい人材だった。もっと早く、豊臣軍より先にワシが出会えていたらと思うと悔しかった。
乱戦形式の手合わせだったが、勝ちをもぎ取ったのは元親だった。
あとから聞いたが、ワシたちと和海が連絡先を交換するのを阻止したかったからだという。思った以上に元親は和海の事を好いているようで、見ていてほほえましくなってきた。
「そろそろ帰らないとな」
「今日は貴重なお時間、ありがとうございました」
和海が見送りにあいさつに来てくれたのだが、瞳の色が変わっていた。
「何か俺の顔についていますか?」
「あ、いや…昼間見たときは瞳が青かったような気がするんだが」
「今は琥珀色かな?本来はこっちの色なんですけどね。なんかその…気分?」
うまく説明できないと言っていたが、こちらの瞳の方が見ていてほっとする。
「忠勝待たせたな。それでは和海、また会おう」
「はい、できれば戦場以外で会いたいですね」
豊臣に下るつもりはないが……和海とは停戦関係くらいは結べたらいいなとは思った。
しかし、この乱世…そう上手くはいかないだろうな。
秀吉公と同盟を結び、元親を配下に置き、毛利とも手を組み南側を制圧したという和海……。
いかほどの男なのかと、会える機会を楽しみにしていた。
彼は今喉を傷めていると元親が言っていた。政宗公からも何かいい薬があればと代金は支払うから用意してほしいと頼んできた。
政宗公とも親しいようで、いったいどんな人物なのか期待が膨らむ一方であった。
実際に会ってみて、想像していたよりもずっと小柄な者だった。
勝手に秀吉公に並ぶ体格の者を想像していたが、彼はワシよりも小さかった。
見た目で強さはわかない、今は気を張っていないせいかただの子供に見える。
彼が自己紹介するまで少し疑っていたところもあった。
手渡された薬を何の迷いもなく口にする不用心さからも、元親が心配する理由もよく分かった。
ただ、彼の異常な回復力をもってすれば、毒など気にならないのかもしれない。
ワシの薬を飲み、すぐに効果が出て声が出せるようになるというのは少し異常だ。
提案したワシが言うのもなんだが、病み上がりで手合わせを望まれてすぐに受けてしまうあたりも自己管理ができていないのか、よほど自身の体調に自信があるのか……。
おそらく後者なのだろう。
しかし、南の総大将といううわさが流れてきていたが、元親に怒鳴られ小さくなり、その後政宗公にも怒鳴られ小さくなり…本当に人を導く器の中疑問に思った。
翌日、手合わせの機会を貰い、彼と拳を交えることになった。
軽い手合わせだからと、和海は部屋着のような装いだった。
後で聞いたが、一張羅が破け政宗公から借りていた客人用の着物だったらしい。
「無理すんなよ、やりすぎだと思ったら止めるからな」
「チカが?止められるの?」
和海は昨日より声が出やすくなったようで、普通に会話をしていた。
軽口を叩きあう、主従というより友のような関係に見えた。
「お待たせしました。今日はよろしくお願いします」
青い瞳がじっとこちらを見つめてくる。空のように澄んだ青はこちらを見透かすようだ。どう動こうとしているのか見切られているような気持になる。
手合わせということで素手同士だが、本当に大丈夫だろうか?
そんな考えは、拳を一度交えた瞬間に消え去った。
昨日の舞のような動きとは一変し、荒々しく攻め立ててくる拳の連撃に驚いた。当たってはいるが、さほど痛みがないのは、手加減をされているからだろう。
あくまで組手、そのように考えているのかもしれない。
「お前は何故戦に出る?」
「そうですね……早く戦が終わってほしいから」
「豊臣と同盟を組んだのもそういう理由なのか?」
「ええ。織田に天下を任せる訳にはいきませんし。俺が天下を治めるって器じゃないし。
なら可能性の高い人に協力して、早く国を一つにするべきかと思ったんですよ」
可能性のある人間。その言葉が少し、つらく感じた。
「まぁ、手っ取り早く国をまとめるには豊臣がいいんでしょうけど、あまり人に寄り添うタイプじゃないんで、そのあたりを考えれば徳川殿が手を貸してくれると大変ありがたいんですがね」
「なら、最初からワシに声を掛けたらよかったんじゃないか?」
「もしも、最初に貴方に会っていたら……そんな未来もあったかもしれませんね。
俺としてはでかい戦はあまりしたくないので。予算もかかるし、人員もいないし、多くの人が死ぬし…。
争わず、手を取り合えるのが最良だとは思っているんですよ。これでも」
彼は、寂しそうに笑った。
それが難しい世だと、わかっているからだろう。
「あ、同盟無理でもいいんで、今度俺の城に遊びに来てくださいよ。
ザビー教による愛の力で平和を願っていますんで」
「うーん、考えておこう。ザビー殿には迷惑を掛けられたからな…」
忠勝を異様に気に入っていた御仁だからな。忠勝と行ったら、またひと悶着ありそうだ。
「何が愛なんだか。教祖代理が毛利の時点でダメだろ」
「なにいってんだよ、サンデー毛利は愛に目覚めた素晴らしい教祖代理だぞ」
「殴り合いの時目の色変えて喜ぶ和海の言葉には説得力がないぜ」
……今日はなんだか元親は機嫌が悪いようだな。
やはりワシが和海と手合わせしているのが気に入らないのだろうか?
「いいね、いいね。手合わせに俺も混ぜろよ」
木刀を二本もち、政宗公が現れた。……片倉殿が大変そうだ。
受け取れと言って投げられた木刀を受け取った和海だったが、彼はワシや秀吉公のように素手で戦うのではないのか?
「和海は刀も扱えるのか?」
「ああ、槍でも刀でも手裏剣でも、必要なら何でも使う」
確かに、木刀を持つ構えも様になっている。
「俺の武器を使ってたこともあったな」
やはり見た目とはちがい、かなりの怪力のようだ。
「まぁ使ったって言えるか微妙だけどね。うーん、ただの手合わせってのもつまらないな。
何か報酬ありでさ、チカも見てるだけじゃつまらないだろう。
全員まとめてかかって来いよ。そんで勝ち残ったやつが、負けたやつに命令できるとかどう?
あんまり無茶な命令なしで」
「そんじゃ、俺が勝ったら和海には伊達の兵として働いてもらうか」
「いきなり無理な命令が来たんだが?」
「なに、お前の下の者たちもまとめて受け入れてやるよ」
……お遊びでいうような命令ではないな。だが、本当にそれを命じる様子はなさそうだ。それは和海も理解しているが、元親はやきもきしているな。
「へへ…もし俺が勝ったら、政宗と徳川殿。連絡先を交換しよう!
自腹でスマホ買ってくれよ」
「そんなんでいいのか?」
「それは構わないが…連絡が取れるようになるのはこちらとしてもありがたいが」
スマホは和海に見せてもらったり、元親にかりてみてほしいと思っていたものだから購入自体は予定にあったことだが…。
「家康……資金に余裕はあんのかよ」
ぼそっと元親が耳打ちをしてくる。一台当たりの値段を聞いてめまいがした。それを和海は5台も購入したというのだから、かなりの資金を持っているのだろう。
「まぁ、俺が勝てたらって話だし。軽く考えていいよ~。あ、チカは俺の着物買ってくれよな」
「そんなもん、和海が勝たなくたって買ってやるよ」
――――――――
もしも勝てていたら…政宗公のように和海へ徳川軍に下るように命じていたかもしれない。
惜しい人材だった。もっと早く、豊臣軍より先にワシが出会えていたらと思うと悔しかった。
乱戦形式の手合わせだったが、勝ちをもぎ取ったのは元親だった。
あとから聞いたが、ワシたちと和海が連絡先を交換するのを阻止したかったからだという。思った以上に元親は和海の事を好いているようで、見ていてほほえましくなってきた。
「そろそろ帰らないとな」
「今日は貴重なお時間、ありがとうございました」
和海が見送りにあいさつに来てくれたのだが、瞳の色が変わっていた。
「何か俺の顔についていますか?」
「あ、いや…昼間見たときは瞳が青かったような気がするんだが」
「今は琥珀色かな?本来はこっちの色なんですけどね。なんかその…気分?」
うまく説明できないと言っていたが、こちらの瞳の方が見ていてほっとする。
「忠勝待たせたな。それでは和海、また会おう」
「はい、できれば戦場以外で会いたいですね」
豊臣に下るつもりはないが……和海とは停戦関係くらいは結べたらいいなとは思った。
しかし、この乱世…そう上手くはいかないだろうな。