天下統一計画(仮)
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『次は甲斐に行こうか和海』
「いやいや、和海は俺と竜の爪を戴きにいく予定なんだよ」
「何を言っておる、四国をめぐるという予定だ」
なぜだ、俺はのんびりするといったのに翌日には次の予定について盛り上がっている。
俺が次にどこへ行く予定なのか決めているようだ。
「貴様ら聞いていなかったのか、和海は身を休めたいと言っているのだ、遠出は不向きであろう」
確かに毛利の言う事はありがたいけど、四国も近くはないからね。
甲斐に関しては、あの夢の所為でちょっと近づきたくない。
「あのさ、移動距離の限界を知りたいから北の方まで行こうと思うんだけど、どうかな」
『いきなりそんなに遠くへ移動して大丈夫なのかい?』
竹中の声からはこちらを心配する空気を感じられる。
「分からないけど、限界を知らないと戦場じゃ使えないだろう」
「和海、何の話だ」
「あ、チカは知らなかったんだな。俺は短時間で遠くに移動できるんだ。その最長距離を調べたくってね」
どうせ行けるなら、最北端に行くべきか。
いつきのいる村も調べておきたいからな。
「和海は一人でゆく心算か?」
「まぁ、行って帰ってくるだけだからな。まぁ…10~20分程度で帰ってくると思う」
刻での時間が良く分からないので、俺は分単位で話をさせてもらっている。スマホのお陰か分や時間でも伝わるのはありがたい。
「じゃあ、すぐに帰ってくるんだな。戻ってきたらどうする?」
……なるほど、俺はこの三人のいずれかと行動を共にしろって事なんだな。
「そうだな……のんびり四国巡りでもしようかな。戦うつもりじゃないし」
「よかろう、我が国を心して拝むがよい」
なんとなく毛利に後神がさして見える。日輪の申し子ってすごいな。
『それならこちらは甲斐への進軍の手配を進めるよ。もし余裕があればこちらへ来てくれると嬉しい』
「……竹中の方に行くのはなぁ、石田が怖いんだよな」
『君も三成君が苦手なのかい?でも、安心してくれ。三成君はその時北条家を攻めてもらう予定なんだ』
北条か……なら甲斐に行っても大丈夫かな。
「いつ頃ぶつかる予定だ?」
『おそらく甲斐での開戦は2月後、北条は1月後くらいかな。北条を狙う方が先になるね』
まあ兵を集め大移動となると日数がかかるな。
「それだけ先の予定なら、合流できると思うよ」
『それじゃあ、また戦が近づいたら連絡するからよろしく』
竹中との通話を切り、最北端への準備をしようとするとがっしり足を掴まれた。
「おい和海、俺もつれていけ」
「連れて行けって、最北に?すぐ帰ってくるのに?」
「当たり前だろ!竹中の野郎が仕掛ける作戦に参加して、毛利と遊ぶくせに俺は無視か!」
「いやいや、そういう訳じゃないけどさ。あんまり長い時間船に乗ってると飽きるじゃん。ここから奥州まで船で何日だよ」
「その点、四国は数日で済むからな。和海は長期風呂に浸かれぬのは好まぬから、仕方あるまい」
「流石毛利、よくわかってる」
四国の方って温泉あるのかな。あと海の幸がうまそうなイメージがある。
「それに、俺の能力じゃ大量に人は運べない。俺と奥州行くなら二人っきりで行くことになるぞ。宝を戴きに一人で殴りこんで勝てるのか?」
「そ、それは……おい、なんで俺一人で戦うことになってんだ?」
「いや、宝を欲しいのはチカだろ?俺は竜の爪とか興味ないし」
「お前たち、それより先の話は最北を見学してからにするがよい。気になるのであれば、最北からそのまま奥州も見学してくるといい。
和海、来週には船を出す予定だ。それまでに帰ってまいれ」
「了解。そんじゃ北を見学してくるか。それでもいいか、チカ」
「なーんか気に入らねぇけど……まぁいい。観光にでも行くか」
「じゃあ、支度してくるから1時間後にここに集合な」
長曾我部に声をかけ、俺は自室に戻って一応グローブと小刀を装備する。
そういえば小田原……戦は1か月後か。
「ジョシー黒田、ちょっといいか?」
部屋をノックすると、何か指南書のようなものを読んだり書いたりしていた。
「おう、どうしたんだ。小生の頭脳を借りたくなったか」
ハハハと笑っているので、彼の肩を叩いて小田原に飛んだ。
「は……?」
「ちょっと頼みがあってさ、北条を降伏させてくれない?ココ欲しいんだよ。
なにせ、ここは豊臣が狙っているんだよね。だからさ、先に俺らの仲間に引き入れたい訳よ……フフ、竹中驚かせようぜ」
「…お前さん、驚くどころか怒られるんじゃないのか」
「だってさ、ここの桜ってきれいじゃん?戦なんかしたらダメになるだろ。
あ、あとココに来るのは竹中じゃなくて石田三成らしいよ」
「なに!小生を拘束して閉じ込めた三成が来るのか!」
「そういう事。という訳で北条は任せたよ……。仕事が終わったらこれで連絡して。
直接竹中に電話してもいいよ」
俺はもう一台購入(まだ会計に請求書未計上)のスマホを黒田に渡した。
「お前さん、これこそバレたらまずいだろう」
「だって連絡がつかなきゃ困るだろう。使い方は分かるか?」
「まぁ、なんとなくは使っているのを見ていたからな」
「連絡貰ったら、俺が迎えに行くからさ。それじゃがんばれ!」
黒田を小田原に置き去りにして来たけど、まぁ大丈夫だろう。北条となんだかんだうまくやってくれそうな気がするからね。
「北は…寒いよな」
四季ではなく、北は寒く南は熱いこの世界…長曾我部、風邪ひかないかな?
寒かったら、向こうでどうにかしよう。というより、ここじゃ温かい服なんて手に入らないからな……。
それはそれとして、そろそろ俺も着るもの考えるべきだよな。信者と同じ服装の所為で城にいると他の信者と見分けがつかないって毛利に怒られたもんな。
服の仕立てって誰に頼んだらいいんだろうな。
とりあえず、長曾我部をあまり待たせるのも良くないだろうと思い、予定より早いが待ち合わせの部屋に向かった。
「おう、準備はいいか?」
「え…」
長曾我部はいつものお腹が見えるスタイルじゃない…衣装2のがっつり着込んだ格好になっている。
「ずるい、ずるい!畜生、チカあったかそうな格好でずるい!」
「仕方ねぇだろう、北は寒いんだから」
「ううー…向こうに行ったら熊でも狩って毛皮を手に入れてやる……」
「向こうに付いたらなんか着物見繕ってやるよ」
「……我から借りた金を返すのを忘れるな。返済期限は延ばさぬぞ」
「わ、わかってるっつーの!ほら、さっさと行くぞ和海」
差し出された手を掴んで最北を目指して陰に潜る。
地上より少し高い位置に出てしまったが、おかげで村の様子が飛び込んできた。
「マジか……」
「うっわー」
記憶にあるいつきの村だったが、ここは戦場になっていた。
「どういう状況だ?」
「織田軍に伊達軍、一揆集……。織田は北に領地はなかったはず、なら蹂躙戦か」
いつきのルートで織田軍に襲われる話があったはずだ、ただここでは伊達が助けに入っている。
「どうするチカ、観光って感じじゃないけど」
「ほっとくわけにいかねぇだろう!」
「……だよな」
ぎゅっとグローブを装備し、拳を打ち付ける。
若干左腕の力が弱いが、殴れないわけじゃない。
「農民の保護、織田軍の排除。伊達軍とは共闘できればいいな」
「任せろ」
長曾我部は武器に乗り移動していく。あれどうやって飛んでるんだろうな……聞いたらやり方教えてくれるだろうか?
「とりあえず、伊達が織田と、チカが蘭丸、いつきと濃姫か。じゃあ俺は細々と民家を守ればいいな」
近くで家を壊そうとしている兵を蹴散らしていく。
「あ、あんたはあの怪しい宗教の!」
「新しい敵か!」
「加勢しに来たんです、敵ではありません!今はとにかく民家を守ることを優先してください!」
何人かが俺に武器を向けたが、投げ飛ばされていく織田軍の兵をみて戦っても勝ち目がないと判断したようで奇妙な共闘関係は成立した。
しばらくしてどうやら織田軍が撤退していったようだ。あー、しんどい。やっぱり長距離移動の後は一気に疲労感が襲う。
そのうえで戦闘っていうのは本当に向いていない。雑兵相手じゃなかったら、厳しかったかもしれない。
肩で息をしながら周りの様子を伺う。
なんとか家は3軒とも守り切った。農民側もけが人はいるが、死人はいないようで一安心―――ともいかないな。
「怪我の酷い人をこちらに、余裕がある人は手当てを手伝ってください」
伊達といつきが何か話して…長曾我部も戻ってきたな。うん、なんか揉めてるけどほっとこう。それより手当てが先決だ。
医者じゃないので応急処置くらいしかできないが、何もしないよりはマシだろう。
「俺も手伝おう」
声をかけてきたのは片倉小十郎。それに軽傷の伊達軍も手当てを手伝ってくれる。
「ありがとうございます。……今のは賊、ではないですよね?」
「ああ、織田軍だ。北にまで手を伸ばしてきた……ところで、あなたはいつからここへ?」
「あー、少し前に。こちらに立ち寄ったところこの騒ぎでしたから。民が困っていましたので、思わず戦に飛び込んでおりました」
「小十郎様、この服装―――」
伊達軍も俺の服装でザビー教だと気付いたようだ。うん、やっぱり第二衣装的なものが欲しい!
「Hey!今回はザビー教か和海」
「政宗様の知り合いか?」
片倉に問われるが、俺の記憶にはない。今日が初対面のはずだ。
「誰かと勘違いされているのでは?」
愛想笑いを浮かべ何とか話題をそらそうとするが腕を掴まれて引き寄せられる。ぽすんと伊達に抱きかかえられるような形になる。
「そんな寂しい事言うなよ、知らないふりか、今回は覚えていないのか―――」
「ですから、一体何のことか…」
「独眼竜!まだ決着はついてねぇぞ!」
長曾我部に引きはがされて、今度は彼に抱きかかえられる。
「勝負はさっき着いただろう。山ほど話したい事がある。和海俺に付いてこい」
何故か、伊達の城に向かう事になった。
「いやいや、和海は俺と竜の爪を戴きにいく予定なんだよ」
「何を言っておる、四国をめぐるという予定だ」
なぜだ、俺はのんびりするといったのに翌日には次の予定について盛り上がっている。
俺が次にどこへ行く予定なのか決めているようだ。
「貴様ら聞いていなかったのか、和海は身を休めたいと言っているのだ、遠出は不向きであろう」
確かに毛利の言う事はありがたいけど、四国も近くはないからね。
甲斐に関しては、あの夢の所為でちょっと近づきたくない。
「あのさ、移動距離の限界を知りたいから北の方まで行こうと思うんだけど、どうかな」
『いきなりそんなに遠くへ移動して大丈夫なのかい?』
竹中の声からはこちらを心配する空気を感じられる。
「分からないけど、限界を知らないと戦場じゃ使えないだろう」
「和海、何の話だ」
「あ、チカは知らなかったんだな。俺は短時間で遠くに移動できるんだ。その最長距離を調べたくってね」
どうせ行けるなら、最北端に行くべきか。
いつきのいる村も調べておきたいからな。
「和海は一人でゆく心算か?」
「まぁ、行って帰ってくるだけだからな。まぁ…10~20分程度で帰ってくると思う」
刻での時間が良く分からないので、俺は分単位で話をさせてもらっている。スマホのお陰か分や時間でも伝わるのはありがたい。
「じゃあ、すぐに帰ってくるんだな。戻ってきたらどうする?」
……なるほど、俺はこの三人のいずれかと行動を共にしろって事なんだな。
「そうだな……のんびり四国巡りでもしようかな。戦うつもりじゃないし」
「よかろう、我が国を心して拝むがよい」
なんとなく毛利に後神がさして見える。日輪の申し子ってすごいな。
『それならこちらは甲斐への進軍の手配を進めるよ。もし余裕があればこちらへ来てくれると嬉しい』
「……竹中の方に行くのはなぁ、石田が怖いんだよな」
『君も三成君が苦手なのかい?でも、安心してくれ。三成君はその時北条家を攻めてもらう予定なんだ』
北条か……なら甲斐に行っても大丈夫かな。
「いつ頃ぶつかる予定だ?」
『おそらく甲斐での開戦は2月後、北条は1月後くらいかな。北条を狙う方が先になるね』
まあ兵を集め大移動となると日数がかかるな。
「それだけ先の予定なら、合流できると思うよ」
『それじゃあ、また戦が近づいたら連絡するからよろしく』
竹中との通話を切り、最北端への準備をしようとするとがっしり足を掴まれた。
「おい和海、俺もつれていけ」
「連れて行けって、最北に?すぐ帰ってくるのに?」
「当たり前だろ!竹中の野郎が仕掛ける作戦に参加して、毛利と遊ぶくせに俺は無視か!」
「いやいや、そういう訳じゃないけどさ。あんまり長い時間船に乗ってると飽きるじゃん。ここから奥州まで船で何日だよ」
「その点、四国は数日で済むからな。和海は長期風呂に浸かれぬのは好まぬから、仕方あるまい」
「流石毛利、よくわかってる」
四国の方って温泉あるのかな。あと海の幸がうまそうなイメージがある。
「それに、俺の能力じゃ大量に人は運べない。俺と奥州行くなら二人っきりで行くことになるぞ。宝を戴きに一人で殴りこんで勝てるのか?」
「そ、それは……おい、なんで俺一人で戦うことになってんだ?」
「いや、宝を欲しいのはチカだろ?俺は竜の爪とか興味ないし」
「お前たち、それより先の話は最北を見学してからにするがよい。気になるのであれば、最北からそのまま奥州も見学してくるといい。
和海、来週には船を出す予定だ。それまでに帰ってまいれ」
「了解。そんじゃ北を見学してくるか。それでもいいか、チカ」
「なーんか気に入らねぇけど……まぁいい。観光にでも行くか」
「じゃあ、支度してくるから1時間後にここに集合な」
長曾我部に声をかけ、俺は自室に戻って一応グローブと小刀を装備する。
そういえば小田原……戦は1か月後か。
「ジョシー黒田、ちょっといいか?」
部屋をノックすると、何か指南書のようなものを読んだり書いたりしていた。
「おう、どうしたんだ。小生の頭脳を借りたくなったか」
ハハハと笑っているので、彼の肩を叩いて小田原に飛んだ。
「は……?」
「ちょっと頼みがあってさ、北条を降伏させてくれない?ココ欲しいんだよ。
なにせ、ここは豊臣が狙っているんだよね。だからさ、先に俺らの仲間に引き入れたい訳よ……フフ、竹中驚かせようぜ」
「…お前さん、驚くどころか怒られるんじゃないのか」
「だってさ、ここの桜ってきれいじゃん?戦なんかしたらダメになるだろ。
あ、あとココに来るのは竹中じゃなくて石田三成らしいよ」
「なに!小生を拘束して閉じ込めた三成が来るのか!」
「そういう事。という訳で北条は任せたよ……。仕事が終わったらこれで連絡して。
直接竹中に電話してもいいよ」
俺はもう一台購入(まだ会計に請求書未計上)のスマホを黒田に渡した。
「お前さん、これこそバレたらまずいだろう」
「だって連絡がつかなきゃ困るだろう。使い方は分かるか?」
「まぁ、なんとなくは使っているのを見ていたからな」
「連絡貰ったら、俺が迎えに行くからさ。それじゃがんばれ!」
黒田を小田原に置き去りにして来たけど、まぁ大丈夫だろう。北条となんだかんだうまくやってくれそうな気がするからね。
「北は…寒いよな」
四季ではなく、北は寒く南は熱いこの世界…長曾我部、風邪ひかないかな?
寒かったら、向こうでどうにかしよう。というより、ここじゃ温かい服なんて手に入らないからな……。
それはそれとして、そろそろ俺も着るもの考えるべきだよな。信者と同じ服装の所為で城にいると他の信者と見分けがつかないって毛利に怒られたもんな。
服の仕立てって誰に頼んだらいいんだろうな。
とりあえず、長曾我部をあまり待たせるのも良くないだろうと思い、予定より早いが待ち合わせの部屋に向かった。
「おう、準備はいいか?」
「え…」
長曾我部はいつものお腹が見えるスタイルじゃない…衣装2のがっつり着込んだ格好になっている。
「ずるい、ずるい!畜生、チカあったかそうな格好でずるい!」
「仕方ねぇだろう、北は寒いんだから」
「ううー…向こうに行ったら熊でも狩って毛皮を手に入れてやる……」
「向こうに付いたらなんか着物見繕ってやるよ」
「……我から借りた金を返すのを忘れるな。返済期限は延ばさぬぞ」
「わ、わかってるっつーの!ほら、さっさと行くぞ和海」
差し出された手を掴んで最北を目指して陰に潜る。
地上より少し高い位置に出てしまったが、おかげで村の様子が飛び込んできた。
「マジか……」
「うっわー」
記憶にあるいつきの村だったが、ここは戦場になっていた。
「どういう状況だ?」
「織田軍に伊達軍、一揆集……。織田は北に領地はなかったはず、なら蹂躙戦か」
いつきのルートで織田軍に襲われる話があったはずだ、ただここでは伊達が助けに入っている。
「どうするチカ、観光って感じじゃないけど」
「ほっとくわけにいかねぇだろう!」
「……だよな」
ぎゅっとグローブを装備し、拳を打ち付ける。
若干左腕の力が弱いが、殴れないわけじゃない。
「農民の保護、織田軍の排除。伊達軍とは共闘できればいいな」
「任せろ」
長曾我部は武器に乗り移動していく。あれどうやって飛んでるんだろうな……聞いたらやり方教えてくれるだろうか?
「とりあえず、伊達が織田と、チカが蘭丸、いつきと濃姫か。じゃあ俺は細々と民家を守ればいいな」
近くで家を壊そうとしている兵を蹴散らしていく。
「あ、あんたはあの怪しい宗教の!」
「新しい敵か!」
「加勢しに来たんです、敵ではありません!今はとにかく民家を守ることを優先してください!」
何人かが俺に武器を向けたが、投げ飛ばされていく織田軍の兵をみて戦っても勝ち目がないと判断したようで奇妙な共闘関係は成立した。
しばらくしてどうやら織田軍が撤退していったようだ。あー、しんどい。やっぱり長距離移動の後は一気に疲労感が襲う。
そのうえで戦闘っていうのは本当に向いていない。雑兵相手じゃなかったら、厳しかったかもしれない。
肩で息をしながら周りの様子を伺う。
なんとか家は3軒とも守り切った。農民側もけが人はいるが、死人はいないようで一安心―――ともいかないな。
「怪我の酷い人をこちらに、余裕がある人は手当てを手伝ってください」
伊達といつきが何か話して…長曾我部も戻ってきたな。うん、なんか揉めてるけどほっとこう。それより手当てが先決だ。
医者じゃないので応急処置くらいしかできないが、何もしないよりはマシだろう。
「俺も手伝おう」
声をかけてきたのは片倉小十郎。それに軽傷の伊達軍も手当てを手伝ってくれる。
「ありがとうございます。……今のは賊、ではないですよね?」
「ああ、織田軍だ。北にまで手を伸ばしてきた……ところで、あなたはいつからここへ?」
「あー、少し前に。こちらに立ち寄ったところこの騒ぎでしたから。民が困っていましたので、思わず戦に飛び込んでおりました」
「小十郎様、この服装―――」
伊達軍も俺の服装でザビー教だと気付いたようだ。うん、やっぱり第二衣装的なものが欲しい!
「Hey!今回はザビー教か和海」
「政宗様の知り合いか?」
片倉に問われるが、俺の記憶にはない。今日が初対面のはずだ。
「誰かと勘違いされているのでは?」
愛想笑いを浮かべ何とか話題をそらそうとするが腕を掴まれて引き寄せられる。ぽすんと伊達に抱きかかえられるような形になる。
「そんな寂しい事言うなよ、知らないふりか、今回は覚えていないのか―――」
「ですから、一体何のことか…」
「独眼竜!まだ決着はついてねぇぞ!」
長曾我部に引きはがされて、今度は彼に抱きかかえられる。
「勝負はさっき着いただろう。山ほど話したい事がある。和海俺に付いてこい」
何故か、伊達の城に向かう事になった。