任務依頼
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここは火の国、木の葉隠れの里
大国の忍里であり、優秀な忍びを多く保有している大きな里でもある
「シカマル、任務の依頼だ
隊長として、任務を遂行せよ」
綱手様の命を受け、ある任務に当たることになった
「……?
護衛任務?」
「ただの護衛任務とは違う
火の国の大名の1人が、現在大病を患っている
医療忍術や薬を用いて治療を行っているのだが、なかなか成果が無くてな
そこでその大名が、どこからか聞きつけたある医者に診てもらいたいと言い出したのだ」
「はぁ…
で、その医者ってのは?」
「素性は不明だ
だがその大名によると、どんな病も治すことが出来る凄腕の医者らしい
そしてその医者がいる場所も、噂で聞いたそうだ」
そう言って綱手様が渡してきたのは、その大名が話していた噂の詳細を記した資料だ
どの国にも属していない、波の国にほど近い貧しい里に住むというその医者は、大の人嫌いで人前に出ることを拒むという
だが腕は確かで、どんな病も一瞬で治せるという
「………胡散臭すぎやしませんか」
「まぁな
だが大名はこの医者に賭けている
そのために多額の報酬を払うとも言っている
受けないわけにはいかないだろう」
「………仮にこの話がただの噂で、そんな医者がいなかったらどうするんですか?」
「それについてはもう話をつけてある
いない事が分かれば、潔く諦めるそうだ
ま、本心かどうかは知らんがな」
ふん、と綱手様が苛立ったように鼻を鳴らす
俺は呆れたようにため息を吐くしか出来なかった
「ま、要するに、だ
病床の大名は自分で動くことは出来ないから、その噂の医者を探し出し、大名のもとまで連れて来いという依頼だ
便宜上は護衛任務としている
噂の医者が本当に存在していたら、大名の治療を依頼し、木の葉まで護衛しながら連れて来いということだ」
「なるほど……、了解っす」
「任せたぞ」
「任されるのはいいんすけど、その医者とやらがいなくても責任は取れませんよ」
ぺこ、と頭を下げ、火影室を後にする
背中越しに綱手様が、「いる方が奇跡だろう」と笑った声が聞こえた
***
大名が話していた噂をたどり、その医者とやらを探す任務が始まる
護衛任務ではあるが、実際はただの人探しだ。ランクも低い、簡単な任務
「シカマル先輩が出るほどの任務ですか?これ」
同じ任務のチームになった後輩の1人からは、そんなことを言われた
「忍び連合の部隊長を務めたほどの方が、いるかどうかも分からない人を探すなんて…
中忍になりたての新人とかに隊長やらせても良かったんじゃないっすか」
「んな事言ったってしゃーねーだろ、大戦以降はどの隠れ里も人手不足なんだ
いちいちゴネてられねーっての」
「そりゃそうですけど…」
第四次忍界大戦のあと、各里は著しい人手不足に襲われた
そのため、任務の内容よりも空いてる忍びを当てることを優先しているのが現状だ
「さっさと探すぞ
いなけりゃいないで報告上げるだけだ」
「「「はい」」」
噂によると、その医者がいるのは国境付近の貧しい里の中
いくつもの山を越えた、秘境とも言えるほど認知が薄い場所にいるという
どの国にも属していないその場所は、地図にも載っていないとか
先は長そうだ、と人知れずため息をついた
***
奥山の小さな村では、ばたばたと村民たちが走り回っていた
話を聞くと、忍びが来たという
「先生、どうしよう?忍者って怖いんでしょ?!」
「やだよ!怖いよぼく!」
「先生助けて!」
村の小さな子ども達が、怯えながら集まってくる
村の大人たちは、村長や男たちを筆頭に、忍者の対応をしているそうだ
『……大丈夫、きっと迷子になっちゃったのよ
この村は地図にも載っていない場所、道を間違えてたどり着いてしまっただけよ、きっと』
子どもたちの頭を撫で、心を落ち着かせる
大戦を知らない子どもたちにとって、忍者という存在は物語に出てくる存在でしかないのだ
だから、"都合が良かった"
子どもたちと民家に身を隠していると、見知った村の男が1人、民家に入ってきた
神妙な面持ちに、嫌な予感がする
「………先生
忍たちは、先生を探しに来たみたいだ」
『!!
どこの忍ですか?』
知り合いの男に尋ねると、彼は口を開いた
「火の国、木の葉隠れの里の忍たちだ」
『!!!』
心臓が、嫌な音を立てた
.
1/1ページ