終末
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『………………!』
刃が首に届くまであとわずかというところで、身体が動かなくなった
『邪魔しないで
これですべて終わるの』
自分の影から伸びる、もう1つの影
シカマルの影真似だ
「終わらせるわけねぇだろ!
お前はこの先も、俺たちと一緒に生きていくんだ!!」
『駄目なの!
私は生きてちゃいけない!
今ここで死ねば、世界は壊れずに済む!』
「その世界にお前がいなくてどうするんだよ!!!」
シカマルの叫びがこだまする
彼がここまで怒鳴り声を上げるのは初めてだった
「これ以上、無駄な時間を割く余裕は無い」
「『!!!』」
影真似で動きを止めたトキのもとに、マダラが一瞬で飛んでくる
そのまま影真似をやぶり、トキに瞳術をかけた
がくん、とトキの身体から力が抜ける
そのままトキを横抱きにすると、マダラはトビのもとに戻った
「まったく、厄介な小娘だ
何か企んでいるとは思ったが、まさか自死を選ぶとは…
油断も隙もない」
「無限月読が発動するまで眠らせておけ
その娘に意思を持たせると厄介だ」
どさ、とトキの身体はマダラとトビの足元に寝かせられる
敵の足元にいる彼女を助けるのは、かなり難しい
「そんなに死にたいのなら、あとで殺してやろう
ただし、無限月読にお前の夢見の能力を取り込ませたあとで…だ」
「お前が守りたがった世界は、お前の能力のせいでさらなる崩壊を迎える
残念だ
お前の顔が後悔に歪むところを見てみたかった」
マダラはニヤリと笑い、その手をトキにかざした
***
意識が深いところに沈んでいるのが自分でも分かった
起きなければ、と自分の意識が訴えかけている
外はどうなっている
シカマルたちはどうなっている
世界はどうなっている
どのくらいの時間が経過したのかは分からないが、キラリと光るものが見えた
必死にその光に手を伸ばすと、視界がそのまま光に包まれた
『………………えっ?』
意識を取り戻し、身体を起こす
周りに広がる景色に、思わず言葉を失った
周りには大木が生え、その大木からは何かがぶら下がっている
マユのようなものがぶら下がっているが、それが何か分かってしまった
『無限、月読……』
は、と気がついて空を見上げる
月に、写輪眼が写り込んでいた
『シカマル………』
あたりを伺っても、どのマユに誰がいるのかまでは分からなかった
私が月を見上げても何も変化が起こらないのは、おそらく空目一族の血のおかげだろう
千手とうちはにも引けを取らなかった我が一族の血の力は、どんな血継限界よりも強力だ
加えて、トビとマダラはこの力を取り込むつもりでいた
それがうまくいかなかったのだろう
ナルトという、救世主の妨害によって、だ
『………ナルト、任せたよ』
救世主はナルト
自来也様はきっと、私とナルトの2人が救世主であることを望んだのだろうけど、私は救う側にはなれない
私は、破壊をする側にいた
だからあとは、本当の救世主たるナルトに任せるしか出来ない
『………未来を見たい』
この戦いがどうなるのか
私の予知夢の力で見れないだろうか
自分の意思で予知夢を見ようとしたことはなかった
だが今なら、夢見の力に乗っ取られかけている今なら、それを逆手にとって未来を見ることが出来るのではないか
『………よし』
自分から予知夢を見ようとすることは、さらに夢見の力に乗っ取られるということ
自分で自分の首を絞めることになるが、それでも構わない
もともと捨てるつもりだった命だ
どうなっても構わない
目を閉じてチャクラを練る
自分のチャクラとは別の、何かの力が目に集まるのが分かった
そう、この感覚だ
『………見えた』
目を開ける
そこは、この世とは思えない場所だった
辺りを見回してすぐに、2人の影を見つける
その2人には腕が無かったが、2人とも笑っていた
『………ナルトとサスケが、本当の救世主だったんだ』
笑う2人は、ボロボロのナルトとサスケだった
片腕こそ無くしているものの、その笑顔を見て、私は勝ちを確信した
『それがわかれば、あとは私の仕事をするだけだ』
生きてしまったせめてもの償いとして、この力を使おう
トキは再び目を閉じると、静かに両手を合わせた
.