開戦
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ナルト達と別れ、アジトに戻る
そこではトビが待っていた
「帰ったか……
何をしていた?」
『………少し、話していただけです
私のかつての仲間も、私を殺す覚悟を決めたようなので、いつでも来ればいいと布告してきました』
「………っふ、そうか
それでこそ、"暁"の空目トキだ」
仮面の奥の目を細め、笑うのが分かった
その眼を見つめ、すぅ、と息を吸う
『トビさん、あなたはうちはマダラじゃないですよね?』
「……………何故そう思う?」
三尾の亡骸が骸骨と化し、その上にトビが座っている
彼を見上げながら、トキはまた口を開いた
『さっき……、ダンゾウから逃げる際に貴方の過去が見えました
小さい頃のカカシ先生と、見知らぬ女の子が、1人の男の子に話しかけていた』
「………。」
『トビさん
貴方の本当の名前は
………うちは、オビト』
トキがその名を口にした途端、ザァッと強い風が吹き抜ける
あまりの風に一瞬だけ目を閉じ、次に目を開けた時、トビは居なくなっていた
「それで、どうする?」
『!』
「お前の言う通り、俺はマダラではない
……もう暁も、正規メンバーは俺とお前と鬼鮫、そしてゼツだけになった
いつか正体は打ち明けるつもりだったが、まさか先に過去を見られるとは…
空目の力を侮っていたな」
背後から聞こえるその声に、トキは微動だにしない
トビの構えるクナイは、彼女の首筋にあてがわれているが、そのクナイが自分を傷つけることはないと分かっているからだ
『……あなたがマダラかどうかなんて、私にはどうでもいいこと…
あなたの正体を知っても、私は暁に変わりはありません』
「………その言葉を待っていた」
す、とクナイが首から離れる
それを分かっていたかのように、トキは微動だにすることはなく、静かに彼を振り返った
『第四次忍界大戦、私も戦います
全ての敵として』
真っ直ぐにトビ、もといオビトを見上げる青い瞳を見て、彼はニヤリと仮面の下で笑う
「あぁ……、期待しているぞ」
自分にとって必要不可欠な最終兵器
無限月読の切り札となる空目の生き残り
彼女が自分の側にいる限り、この戦いは勝ったも同然だ
トキの本当の狙いなんてつゆ知らず、オビトは目の前の少女に笑いかける
***
所変わって、木の葉隠れの里
サクラが一人でサスケを殺そうとし、失敗したところをナルトが救出
そして、ナルトは一人でサスケと戦う事を伝えた
「それと、トキの事なんだけど」
サスケと一人で戦うことに納得していない同期もいたが、ナルトはまた口を開いた
自然とナルトに目を向けた
「トキは、この戦いで死ぬつもりだってばよ」
静かにつむがれた言葉は、俺たちから言葉を奪うには十分すぎた
「………どういう意味だ」
声のトーンが下がる
それに気づいたチョウジが、不安げな顔を見せた
ざり、と地面を踏みしめてナルトの前に立つ
ナルトは静かに顔を上げた
「"自分が全てを終わらせる"、って言ってた
自分の命を犠牲にして、全部終わらせるつもりだってばよ」
ちらりとサクラを見る
サクラはナルトと同じような表情をしながら、静かに頷いた
「……トキは、自分が生きたからこの戦いが生まれたと思ってる
自分がいなければ起こらなかった、だから自分が終わらせないといけないって
それが、本来なら死んでたはずなのに生きてしまった自分のやるべき事だと思ってる」
サクラが補うようにそう続ける
その声はわずかに震えていた
「シカマル」
「!
何だ」
「トキの呪いって何だってばよ」
「………呪い?」
ナルトの口から出た物騒な言葉に顔をしかめる
ナ「カカシ先生が言ってたんだ、詳しい意味はよく分かんねーけど、空目一族の夢見の呪い、みたいな事を」
サ「私も聞いてたけど、何のことか分からなかったわ
トキは、もうすぐ夢に飲み込まれて自分は死ぬ、って言ってて……」
い「!
待って、それトキが木の葉を襲撃してきた時にも言ってた…!
夢に飲み込まれる、ってどういうことなのかしら……
シカマル、アンタ何か知らないの?」
シ「……………いや、知らねえ」
空目一族は10年前に滅び、主要な文献や資料も炎に焼かれて大部分が消失した
そして生き残りはトキだけ
空目の情報は謎の部分が多いのが現状だ
「……空目一族の事は、トキでさえ知らないこともある
だから俺が知ってる事なんざ、たかが知れてる
だから」
シカマルの言葉に、同期たちが顔を上げる
「知ってる奴に、聞くしか無い」
「「「!」」」
知ってる奴、それが誰を意味するのか、分からない仲間たちでは無かった
「トキを探そう
そして、アイツを止める」
第四次忍界大戦の開戦まで、あと少し
世界は大きく動き出していた
世界を救うために、破滅を望む者
破滅から世界を守ろうとする者
生きるために戦う者
そして、自分の世界を守るために死を覚悟した者
色々な志が錯綜する中
第四次忍界大戦
開戦
.