木の葉襲撃
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
木の葉襲撃の目的は、うずまきナルトの生け捕りだ
ペイン六道と小南、トキの8人で乗り込み、ナルトを見つけ次第拘束
他の人間は、始末しろ
そんな作戦内容が、どこか遠くに聞こえた
涙はもう出なかった
眼下に広がる、懐かしい故郷
平穏という言葉がふさわしい、美しい里だ
「行くぞ」
木の葉の結界が破られた
リーダーのその言葉を皮切りに、一斉に飛び出す
目的は、九尾の人柱力であり、かつての仲間であるナルトただ一人
***
「暁の襲撃です!」
里中で爆発が起き、人々の叫びが響き渡る
暗号部にいた俺にも、外の様子はすぐに分かった
「敵の数は?!」
外に出て状況を把握しようと、報告に来た忍に尋ねた
「暁の衣をまとった人間が8人!
うち一人は、空目トキです!」
「!!」
あり得ない、と思った
あの日、あの森で俺に助けてと叫んだトキが、里を襲うとは思えなかった
「トキ…!」
探さなければ
アイツはまた、泣きながらその力を使っているのだろう
止めるのは自分の役目だ
***
ペインさんが口寄せした動物たちが、里中を荒らし回っている
建物は崩れ、倒され、潰され
栄えていた里の面影は無くなっていた
「トキ、私はここから別行動よ
貴方はどうする?」
『………ナルトの情報を探ります
それと少し調べたいこともあるので…』
「そう、ならここでお別れね
何かあれば連絡するわ」
『………小南さん』
瓦礫だらけの大通りを二人で歩く
周りからはいろんな声が聞こえて来た
『空目の跡地も、潰してしまって構いません』
「!
………空目一族の集落は、里のはずれにあるわ
あそこまで攻撃する予定はない」
『……そうですか』
「………私は行くわ、トキ、気をつけて」
『小南さんも』
そう言うと、バラバラと小南さんの身体は折り紙に変わり、その場から消えてしまった
あとに残った折り紙も、爆風で飛んで行ってしまった
『……行こう』
ざり、と歩き出す
私がいる事はもう気づかれているはずだ。私を見かけ次第、全員襲ってくるだろう
『………ほら、来た』
木の葉の額当てをした忍びたちが、一斉に周りを囲む
その中に見知った顔がなかった事に、少し安堵した
「空目トキ!貴様を拘束する!」
その掛け声とともに、一斉に飛び出してきた
『時遁』
***
「!」
里の中を走り、暁を探していた
一般人の避難もまばらで、犠牲者はもう出ているだろう
そんな中で、ふと立ち止まった
立ち止まらざるを得なかった
「………トキの、時遁の術」
目の前には、空中で不自然に制止する木の葉の忍びたちが何人もいた
トキの血継限界に違いなかった
忍びたちは全員同じ方向に向いて飛び込んでいる。おそらくその中心にトキがいたのだろう
身体の時間を止められているが、殺していない
この術は、トキが術を止めるまで一時的に仮死状態になるだけだ
つまりトキは、殺すつもりがないのだ
「近くにいる…!」
知らぬうちに、足は走っていた
***
『………。』
先ほどから、視界が霞む感覚がある
予知夢だ
この里で、私たちの襲撃によって死ぬ人間の姿が、断続的に視界に映されている
普通に歩いてる筈なのに、現実なのか夢の中なのか、分からなくなる
『…!
チョウジ!』
ざ、と目が霞み、視界にチョウジが映った
チョウザさんとカカシ先生もいる
声をあげても反応がないということは、これは夢の中だ
『………誰か、死ぬんだ』
チョウザさんか、カカシ先生か、チョウジか
またはペイン六道の一人か
この中の誰かが死ぬんだ
だがこの映像の合間にも、他の映像が重なってくる
他の場所で、子供が建物の崩落に巻き込まれる
老人が逃げ遅れる
小南さんに木の葉の忍者が殺される
ペインに殺される
その全てが、私の目に映ってくる
視界が代わる代わるするうちに、またチョウジたちに戻ってきた
『!!
………死ぬのは、貴方でしたか
カカシ先生』
私の視界には、力なくうなだれるカカシ先生の姿が
目を閉じて一度暗闇を映し、再び目を開ける
目を開けたそこには、夢と同じ光景が広がっていた
『チョウジを守るためにチャクラを使い切ったんですね
おかげでチョウジは生き延びましたよ』
生気を失ったカカシに近づき、その身体を横にする
仰向けにさせ、服の汚れを軽く払った
『………きっとチョウジがここに戻ってくる
だからそれまでは、先生を守ります』
時遁、と呟き、印を結ぶ
カカシの時間を止めたのだ
こうすることで、トキが術を解くその瞬間までカカシの時間は止まり、外部からの攻撃や忍術は効果が無くなる
『さようなら、カカシ先生
どうか安らかに』
黄緑色のチャクラに包まれ、カカシが安らかに目を閉じている
トキはそれを一度見つめ、そしてそのままチョウザのもとに向かった
チョウザに付いていたカツユがそんなトキを見て、驚いている
「チョウザさんに近づかないでください!それにカカシさんにも、何をしたのです?!」
『……綱手様の口寄せ…、カツユ様でしたね
危害は加えません』
チョウザの傍らに立ち、医療忍術でチョウザを回復させる
カツユは驚きつつも、その様子を見守った
『綱手様のその術、かなり身体に負荷がかかるはず
だから、一人分くらいは楽させてあげますよ』
チョウザの治療を済ませると、彼の意識が戻る前に立ち去ろうとした
「トキさん!貴方の目的はなんなのですか
襲撃に来てるはずなのに、なぜ助けるのですか?」
カツユのその問いに、トキは空色の髪をふわりとなびかせ、振り向いた
『私は、私の世界のために動いてる
もう誰にも、邪魔はさせない』
凛とした表情と声の中に、仄暗い闇と、大きな悲しみを抱えてトキははっきりと答える
それ以上、カツユは問いかけることは出来なかった
***
チョウジが綱手にペインの特徴を告げると、綱手はわかった、と厳しい表情で答えた
「!
チョウジ、チョウザのところへ行け。奴は助かるぞ」
「!
父ちゃん…!」
「………加えて、カツユからの報告だ
トキが、チョウザの治療をして去って行ったと」
「!!」
は、とチョウジが息を呑む
綱手の言葉を聞くや否や、チョウジはすぐさま踵を返し、チョウザのもとへ向かった
その目的は父の安否の確認か、それとも、かつての仲間の行方を追うためか
それは誰も分からなかったが、チョウジの行く手を阻むことは誰もしなかった
「"私の世界のために"、か
どういう意味だ?トキ」
ゆっくりと空を仰ぎ見る
彼女の髪と同じ色が、空に広がっていた
***
ザリ、と木の葉の地を歩く
爆発は少なくなったものの、それに反比例するように、道端に倒れる人間の数が増えて行っている
『………栄華を極めた木の葉も、こんなに変わるものなのね』
瓦礫の中から見える赤に、ふいと視線を逸らした
目の前には、火影室がある建物
ここに来たくて、小南と別行動を取ったのだ
よし、と意気込むのと同時に、どこかで戦闘してる気配がする
それは奇しくも自分の行きたい方向で、仕方ない、とそちらに歩いて向かった
「シズネさん!」
『…!』
あと少しで、戦闘中の場所に出るといったところで聞こえてきた、懐かしい声
間違えるはずない
同じ班の仲間だったのだから
『………いの』
ちらりと覗き込めば、ペイン六道の一人とシズネさん、いのをはじめとした数人の木の葉の忍びたちが戦闘中だった
「ナルトの居場所はどこだ?」
ペインの問いかけに、シズネさんの表情がわずかに曇る
だがいのは変わりがない
つまり、いのはナルトの居場所を知らず、逆にシズネさんは知っているのだ
『シズネさん』
「!
あなたは……!」
「………トキ…
嘘でしょ、何でいるのよ…!」
ペインと木の葉の間に割って入り、対峙する
私を見たシズネさんは目を見開くが、すぐに警戒する
いのは私を見て、悲しげに顔を歪めた
『……ナルトの居場所を教えてください
でなければ、木の葉はより大きな被害を受ける事になります
綱手様の付き人の貴方なら、知っていますよね』
「………知らないわ」
『……私に嘘は通用しませんよ』
にこりと小さく笑うと、トキの身体がその場から消える
そして次の瞬間、シズネの目の前にトキが現れた
「っ、な」
『あなたの過去、見せてもらいます』
トン、と人差し指をシズネの額に当たる
すると、トキの頭の中に映像が流れてきた
シズネがここ数週間でした会話、行動、読んだもの
全てが入ってくる
その中で、綱手と話してるシズネの過去を見ることが出来た
『………妙木山…、そこがナルトの居場所ですね』
「!
術式もないのに…?!」
『リーダーに伝達を、ここは私に任せてください』
ペインに告げると、ざ、とその場を去り、リーダーのもとに向かった
用は済んだ、とシズネの額から手を離そうとした時、ふいに違う景色が見えた
「空目トキの事ですが、どうするおつもりですか?」
「………トキか…
予知夢の力を持って生まれてしまった以上、アイツの時間はそう長くないだろう」
「?
どういう事ですか?」
シズネのその問いに、綱手は深く息を吐いてから、静かに告げた
「トキはいずれ、自分の自我を夢に奪われる
歴代の予知夢の能力者と同じようにな」
『…!』
この過去は、自分が求めていたものだ
見なければいけないと、意識をシズネに集中させた
.