戦場
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
シカマルさんと分かれ、私は病院で普段通りに働いていた
ちなみに今日は紅さんの定期検診
それも終わり、紅さんと談笑していたその時
突然、ものすごい轟音が木の葉の里内に響き渡った
―――――
『――…!!
紅さんっ!!大丈夫ですか?!』
紅「…えぇ、私は大丈夫……
でも…」
『……!!』
轟音と激しい地震によりその場に転んだ
すぐに立ち上がり、紅さんに駆け寄った
彼女は無事そうだが、お腹の赤ちゃんは…
一抹の不安が頭をよぎった
『……!
大丈夫、赤ちゃんは無事です!』
紅「!
よかった……」
ホッと一息つく紅さんに手を貸し、なんとか立たせる
病院は騒然としていた
「――瑞乃さん!!
たくさん怪我人が運び込まれています!
手を貸してくださいっ!!」
『!!
分かりました!!』
紅「私は大丈夫よ瑞乃、避難場所があるからそこに向かうわ」
『一人では危険です!
私も「あなたは怪我人の手当てをしなさい」…!』
紅さんに言葉を力強く遮られた
それに怯んだ私を見て、彼女は微笑んだ
紅「ほら、行きなさい
私は大丈夫だから」
『……。
分かりました
――…口寄せの術!』
紅「!」
ぼぼん!と激しい煙を起こし、契約を結んでいる忍鳥たちを口寄せした
その数は自分でも分からない
『……あいにく、患者を放置するようなくそったれではないので』
紅「…あなたって時々口が悪くなるわね」
『そこら辺はサクラ達に似ました』
そう、と小さく笑う紅さんを鳥の上に乗せた
その他にも病院内にいる歩けない人達を一緒に乗せた
『フウ、とにかく早く安全に避難場所にみんなを連れてって』
フウ「了解いたしました」
紅「気をつけてね瑞乃!」
バサッ
と大きな翼を広げ、フウが飛び立った
紅さん達はフウに任せれば大丈夫だろう
空高くにいるフウ達を見届け、私はまだ控えている忍鳥たちに目を向けた
『…今から全員木の葉の里の上空を飛び、怪我人を病院へ
忍ではない一般人を避難場所へ運びなさい!
戦闘には一切参加しないこと!
敵を確認したら火影様へ連絡すること!
――以上!
散っ!!!』
一気にまくしたてるとすぐに病院内へ走った
後ろからは無数の翼の音
状況を把握していない今、医療忍者が優先すべきは人命救助だ
―――――
サク「――瑞乃!こっちよ!」
『!
ごめん!』
病院内の至るところには怪我人が溢れていた
紅さんと話している間にこんなに増えたのか、と時間を無駄にした自分を悔いた
しかしすぐに頭を振り払い、腕をまくり、額あてを着け直した
今からここは戦場になる
覚悟を決めなければ
『――…今、シズネさんはいません
ですから、今からは私の指示に従ってもらいます!
いいですか、ここからは時間が命
ここは戦場になります
覚悟を決めてください!!』
「「「はい!!」」」
「瑞乃さん!こっち重傷です!」
「心肺停止!危険です!」
『!!(くそっ…!これじゃ間に合わない……!!)
すぐ行きます!
とにかく止血してください!!』
バタバタと至るところで医療忍者が走り回っている
サクラも大声を出して頑張ってくれている
さっきから怪我人の数は減らない
そして増えていくのは
―――死者の数
『……殉職された方を、別室の安全な場所へ…』
「はい…」
一人、また一人と人が病院からいなくなる
それは回復した人がいるからだが、それと同時に死者もいるからだ
フウ「瑞乃様!
里内の怪我人、一般人はおおかた救出出来ました!」
『…!!』
サク「瑞乃の口寄せ?」
病院の窓の外に降り立ったフウの情報は、病院にいた医療忍者全員を安堵させた
『……とりあえず情報が少な過ぎる
私は外に出ます、皆さんは中にいて怪我人の手当てに当たってください
フウは中の人達を避難場所へ』
フウ「了解いたしました」
サク「それなら私も!」
自ら志願したサクラを引き連れ、外に出た
―――――
シカ「――…って…!」
シホ「シカマルさん!大丈夫ですか?!」
シカ「なんとかな、お前は?」
シホ「何ともないです!」
激しい轟音の後、すぐに外に出てみた
暁が
直接攻め入ってきたんだ
シカ「(瑞乃は無事なのか…?)」
もはや見るも無残な光景へと変わった里を見て、彼女の安否が気になった
そんなとき、先ほどよりも大きな轟音が轟いた
何が起きたのか、全く分からなかった
―――――
『サクラは向こうをお願い、私はこっちに行く
いい?戦闘に参加しては駄目
まずは「人命救助でしょう?」
……言うまでも無かったですね』
サク「私は綱手様の弟子よ?
そのくらい分かってる
―――気をつけてね瑞乃」
『……サクラも
―――――散!』
サクラと目配せをし、すぐにその場から消えた
そのすぐ後に、先ほどよりも大きな轟音が轟いた
―――――
『―――……痛っ!!』
ガラガラと瓦礫を退かし、なんとか外気に触れる
そしてまわりを見渡して
言葉を失った
『……木の葉が…
ない……』
里が消えた
そうとしか言えなかった
『……!』
ふと、遠くに人の気配を感じ
急いで向かった
―――――
シカ「――…今度はなんだ?」
シホ「ぶっちゃけ木の葉の原形がなくなってます!」
轟音の後に目を開ければ、変わり果てた里の姿
何が起きているんだ
シカ「っつ……(チィ……、骨が折れてる)」
シホ「大丈夫ですか?」
シカ「あぁ…」
足が折れてる、これではまともに動けない
どうしたものかと思案していると、後ろから誰かがくる気配がした
―――――
『……シカマルさんっ!!』
シカ「!
瑞乃!!」
後ろから来たのは瑞乃だった
シホ「――…!
瑞乃さん!血が…!」
シカ「!」
瑞乃の姿を見て安心したのも束の間、彼女の服には所々血が着いていた
『大丈夫、これは私の血ではありません』
シカ「……そうか」
『二人とも怪我は?』
シホ「シカマルさんが…」
シホさんの言葉を聞き、すぐに見抜いた
左足を骨折している
『……応急措置しか出来ませんが、患部を固定します』
近くに転がっている真っ直ぐな木を数本取り、額に着けている額あてを取った
――――ビリッ!!
シカ・シホ「「!!!!」」
突然瑞乃が額あての布の部分を引き裂いた
シカ「おい!お前いきなり何を…!」
『額あてなんて砂に帰ればまた貰えます
今はこうするしか無いんです』
シホ「……。(すごい…)」
シホはただ圧倒されていた
額あてを躊躇なく引き裂く瑞乃の潔さもそうだが
なにより手当てがてきぱきと無駄が無く、彼女の優秀さがよく分かった
『―――……よし
とりあえずこれで大丈夫です
でも絶対に動かないでください、ただ固定しているだけなのですぐに取れます』
シカ「分かった」
『シホさんはどこか怪我されてますか?』
シホ「私は大丈夫です!」
『…それなら一安心です』
そうやってふわりと笑った彼女の顔には疲れが見てとれて、今まで彼女がしていたことの大変さが分かった
今ごろ病院は怪我人でごった返している
それの対応に追われていたんだろう
すると瑞乃が立ち上がった
シカ「――…!」
『お二人はここにいてください』
そういって笑うお前の顔に、心臓が嫌な音を立てた
.