やきもち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
最近、お互いに忙しくてなかなか会えていない
そんな時
一緒に病院で働いているサクラが話し掛けてきた
サク「――ねぇ瑞乃」
『はい』
サク「シカマルとどこまでいったの?」
『………………はい?』
思わぬ言葉にびっくりしてサクラを見ると、彼女はクスクス笑いながら小さく、ごめん、と言った
サク「だって、よく二人で並んで歩いてるのに手とかつながないから…
ちょっと聞いてみたかったのよ」
『……はぁ…』
サク「あはは、変なこと聞いてごめんなさい
それより、最近シカマルは暗号部にいるわよ
ちょっとのぞいてみたら?」
『暗号部?』
サク「自来也様の残した暗号の解読を任されたみたい」
『あぁ…』
そっか、だから里内を探してもいないわけだ
納得
その後、サクラが暗号部の場所を教えてくれた
明日、何か差し入れでも渡してみようかな
***
翌日
シカ「よぉ」
シホ「!!
お、おはようございます
シカマルさんっ」
シカ「今日も頼むな」
シホ「はいっ」
いつも通り暗号部室を訪れ、自来也様の残した暗号の解読に取り組む
なかなか進まないが、ナルトが里を出て修行をしている今、残った俺達はただ自分のやるべきことをやるだけだ
シホ「いったん休憩にしましょうか?」
シカ「あ?
あぁ…、そうだな」
隣で書類を整えるシホを横目に、ふと窓から見える空を見た
シカ「……。(最近瑞乃に会ってねーな…)」
晴れ渡っている空を見つめ、恋しい人に思いを馳せた
シホ「何か飲み物淹れますね」
シカ「悪ぃな
――…!」
シホ「?」
お茶を、と席を立った時、シカマルさんの表情が変わった
すごく優しくて穏やか、それに少し口元がゆるんでいる
普段の凛々しい顔つきとは違うその表情で、じっと入り口を見つめている
その時、誰かが来る足音が聞こえた
『――すみませーん…
……あ』
シホ「?」
入り口に現れたのは、珍しい青い髪の毛をした可愛らしい女性
首に巻かれている額あては、砂隠れのマークだ
誰だろう?
と眼鏡越しに彼女を見つめていると、椅子が音を立てた
シカ「――こんな所で何してんだ?
瑞乃」
『サクラに聞いて、ちょっとのぞきに来ました
―――こんにちは』
シホ「えっ?!
こっ、こんにちは!」
入り口でシカマルさんと親しげに話していた女性が、ふいに私の方に微笑みかけてきた
シカ「コイツはシホ、暗号部の奴だ
で、こっちは瑞乃
今は任務で木の葉に滞在してる
ちなみに砂の医療班、副班長」
『瑞乃です』
シホ「しっ、シホです
ていうか、えっ?!
ぶっちゃけアナタがあの砂忍さんですか?!」
『(ぶっちゃけ?)
……あの、って何ですか?』
シホ「砂から珍しい髪の毛のエリートくのいちが来てる、っていう噂があったんです!」
『「あー……」』
上司から聞いた噂の一つを口にすると、二人揃って苦笑いを浮かべた
『……とにかく、まだ仕事が残ってるので
私はこれで
あとコレ、差し入れです
シホさんも良かったらどうぞ!
少し多めに作ったので』
シカ「お、サンキューな」
シホ「あ…、ありがとうございます!」
手に持っていたバスケットをシカマルさんに渡すと、瑞乃さんは去っていった
―――――
シカ「…お?
焼き菓子だ」
シホ「美味しそうですね」
バスケットの中には焼き菓子と折り畳まれた紙
その紙をひょいと拾い上げ、開いた
――シカマルさんは甘いものがあんまりお好きではなさそうなので、甘くないものを作ってみました―
シカ「……。(アイツ…)」
自然と口元がゆるんだ
シホ「……いい彼女さんですね」
シカ「え?
なんで……」
シホの言葉に驚いていると、隣でにこりと笑った
シホ「…最近、木の葉の方々の間では有名ですよ?
あの砂忍に彼氏が出来たって」
シカ「……。」
一気にかーっと顔を赤く染めるシカマルさんを見て確信した
瑞乃さんの彼氏はシカマルさんだと
胸がずきりと痛んだ
―――――
『……。』
暗号部室を出て一人病院に向かう
その間、自然と眉にしわが寄っていた
サク「――…あら、瑞乃?
どっか行ってたの?」
『あ、サクラ
シカマルさんのとこ行ってきたんです』
サク「へぇ?
にしては暗い顔ね~…、何かあったの?」
『……いえ、別に「嘘。」…。』
うっ、と言い淀むと、サクラが肩に手を起き
サク「終わったら一緒にご飯食べましょ!
その時に話聞くわね」
と、にこりと笑った
―――――
サク「――…で?
何かあったの?」
お昼
適当に入ったお店で席につくと、サクラが心配そうな眼差しで尋ねてきた
『……。
その……』
サク「うん?」
―――――
シカ「ふわぁ~あ……」
夕方
あまり成果は無かったが、今日は終わろうというシホに言われ、帰路についている
で、人通りが多い道を歩いていたら
ふいに肩を叩かれた
サク「シカマル」
シカ「んあ?
なんだ、サクラか」
サクラだ
サク「なんだとは失礼ね
それより、ちょっと話あんだけど」
シカ「?
はぁ…」
隣に並んだサクラを一瞥し、また歩き出す
するとサクラが口を開いた
サク「瑞乃がね、アンタにはやっぱ木の葉の人の方が良いんじゃないかって言ってたの」
シカ「………は?」
思わずサクラを凝視してしまった
サク「だから、いずれ遠い砂に帰る自分よりも、そばにいてくれる人の方が良いんじゃないかって言ってたの!
アンタ、何かしたの?」
シカ「いや、別に「暗号部に女の人いる?」
……シホのことか?」
サク「いるのね」
ふー、とため息を漏らすサクラ
意味が分からない
てか、なんで瑞乃がそんなことを
サク「多分、瑞乃はそのシホさんを見て思ったのよ
そばにいられない自分よりも、そばにいてくれる人の方が良いって」
沸々と感情が高ぶってくる
何の感情かは分からないが、とにかく瑞乃に会わなければいけないと思った
シカ「悪ぃサクラ
瑞乃のとこ行ってくる」
サク「……まぁいーわ、行ってきなさい!」
後ろで楽しそうに笑うサクラを一瞥し、俺は走り出した
何アイツは余計なことを考えてんだ
―――――
コンコンっ
『!
はい!』
仕事が早めに終わり、今はアパートの自分の部屋で読書をしていた
そんな時、扉がノックされた
『どちら様――…っ?!』
ガチャリと扉を開けると同時に誰かに腕を引かれ、そのまま中に引っ張られた
一瞬の出来事で軽くパニック
何が起きたのか分からない
私の部屋の扉はガチャリと閉まり、そして相手を確認する前に抱き締められた
視界に入るのは、玄関の横に設置してある棚の上に飾ってある写真
そして、今ではすっかり見慣れた木の葉の中忍ベスト
『……シ、カマルさん?』
シカ「……。」
名前を呼ぶと、彼は少し腕の力を強めた
『……どうしたんですか?』
シカ「……。」
どきどきと心臓の動きが早まっていく
それはシカマルさんも同じで
いろいろと突然すぎて、何がなんだか分からなくなってきた
『…シカ「サクラに聞いた」………?』
シカ「俺はお前がいーんだよ」
『……!
えっ…?』
どくんと胸が高鳴った
シカ「お前が砂の忍なのは分かってる
だけど、そんなの関係ねぇよ
つか変な心配すんなバカ」
『……。
バカじゃないです…』
シカ「バカだよこのバカ
ったく、もう少し素直にやきもち妬けよなー
ややこしいっつの」
はー、と私の肩に顎を乗せため息を漏らす
『……やきもちなんか妬いてませ「シホに妬いただろ」……。』
腕の中でむすっとした表情をする瑞乃に口元がゆるんだ
そのまま顔を胸に埋めてきた瑞乃に驚いたが、しばらくそのままでいた
『時々不安になるんです』
シカ「……?」
ぽそりと小さくつぶやかれた言葉
『このまま砂に帰ったらどうなるのかな、って…
やっぱシカマルさんには
遠くにいる私なんかよりも、近くにいてくれる木の葉の人の方が良いんじゃないかって…
時々、思うんです』
シカ「……。」
きゅ、と服を掴んできた瑞乃の髪の毛を撫でた
『好きです、シカマルさん』
シカ「!」
胸に顔を埋めたままつぶやかれた言葉は、俺の耳にはっきり届いた
それに、彼女の耳が真っ赤に染まっていることにも
シカ「……バーカ」
『!』
シカ「何当たり前なこと言ってんだよ」
ぱっと顔を上げた瑞乃の顎に手を添え、くいと持ち上げた
そのまま顔を近付ければ、瑞乃は恥ずかしそうに頬を染め、瞳を閉じた
シカ「俺だって好きだよ」
あの告白以来、二度目のキスをした
.