世界が動く
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
第四次忍界大戦
我愛羅ら三人が砂隠れに戻ってくるなり、戦争を始めると告げられた
どの里も関係ない
忍一人一人が
世界を、ナルト君達を守るために戦う
『……世界が動いたんだ』
我「あぁ
そこで瑞乃、突然だがお前を上忍に推薦する」
テマ「推薦というよりかは決定事項だな
里の上役共も賛成している」
カン「まぁ、今さらっていうか当然って感じじゃん?
今まで上忍にならなかった方がおかしい話だ」
我「お前が拒んでいたからな」
テマ「十分な力があるのに拒否するとは、お前も肝が座ってるな」
『……最後らへん、なんか皮肉混じってない?
え?幻聴?』
「「「気のせいだ」」」
『…はい』
この仲良し姉弟め
我「とにかく、お前は現時点をもって上忍とする
そして、この戦争で
後方支援医療部隊の副隊長にも任命されている」
『……………は?』
我「副隊長だ」
『……………。
はぁっ?!!』
テマ「予想通りの反応だな」
カン「じゃん?
頑張れよ瑞乃、若くしての名誉ある大抜擢だ」
『は?えっ、いや、はぁ?!
我愛羅どうしたの大丈夫?!』
我「お前には言われたくない
いつも通り俺は落ち着いている
これは木の葉から舞い込んできた話でな、後方支援医療部隊の隊長である木の葉の忍が、自分の補佐を頼むなら瑞乃がいい、と直々に指名してきたんだ
確か隊長の名は……、シズネ、だったか?」
『!
シズネさんが?』
我愛羅らの話を聞いている間、ただただ驚いていた
自分が上忍に昇格することはもちろん、戦争で医療部隊の副隊長に抜擢されるとは
しかもシズネさん直々の指名、これ以上嬉しいことはない
『……精一杯、頑張ります』
「「「!!」」」
ぐっと拳を握り締め、力強く言い切った
そんな瑞乃を見て、変わったな、と感じた
昔はただ弱音を吐くばかりで、何をやるにもおどおどしていたのに
今は、何というか
自信に溢れている
テマ「……木の葉に任務に行くよう言って良かったよ
いい成長をした」
『そう?
私自身、そんなに感じないけど』
カン「ま、この話はこれでいいだろ
こっからが忙しいじゃん?」
カンクロウの一言に、みんなの表情が引き締まった
そこからは目が回るほど忙しかった
医療忍者に指示を出すのはもちろん、どの忍をどの部隊に配属させるか、報告に連絡に相談……
忙し過ぎて頭がおかしくなるのでは、と本気で思った
まぁ、一番忙しいのは風影の我愛羅だが
それを分かっているから、まわりは誰も文句を言わずに仕事をこなしていった
私は後方支援医療部隊の副隊長
カンクロウは奇襲部隊の隊長
テマリは第四、戦闘遠距離部隊
我愛羅は第四部隊隊長兼連隊長
それぞれが重要な役だ
そして、責任が重い
それだけに、嫌でも気持ちは引き締まった
『……。(シカマルさんは…、どの部隊にいるんだろう)』
不安じゃないと言ったら嘘になる
彼が強いことは知ってるが、やはり不安だ
――――
テマ「心配か?」
『え?』
忙しい中、たまたまかぶった休憩
自然にテマリと同じベンチに腰掛け、空を見上げていた
そんな中ふいに掛けられた言葉に聞き返すと、テマリは楽しそうに口角を上げていた
「アイツのこと、心配か?」
『あぁ…、シカマルさんのこと?
あの人なら大丈夫だよ、賢いし強い』
「まぁ……、多分、強いだろ」
そう言うテマリはどこか歯切れが悪くて、まだ中忍試験のことを気にしているのか、と少しおかしかった
『……どの部隊なのかなぁ…』
「……え、知らないのか?
連絡は取ってないのか?」
『うん、砂に戻ってからは全く
あの人も忙しいだろうしね』
「ふーん……
(やることやってんのかやってないのか、相変わらず変な男だな)
……多分、戦闘遠距離部隊じゃないか?
戦闘スタイルは思い切り遠距離タイプだろう」
ふと思い付いたことを述べると、瑞乃は驚いたように少し目を見開いた
『あー、確かに
じゃあテマリと一緒かもね
良かった』
「は?
なんで」
そこはやきもちを妬くところだろう、何喜んでいるんだ
『なんで、って
シカマルさんとテマリ、何か息が合ってるから
やりやすいだろうなぁって』
「……………。
お前なぁ……
初めてアイツに同情したぞ、可哀想な男だよ全く……」
『??』
何が?と首を傾げる瑞乃にもう一度ため息を漏らす
あの男、大変だろうなぁ
惚れた女にやきもちを妬いてもらえないどころか、息が合ってるなんて言われて
「……お前ら、やっぱおかしいよ」
『??』
頑張れ
「仕方ないな、もしアイツに会ったら何か言っといてやるよ
何か伝言はあるか?」
『伝言?』
テマリが呆れたように笑いながら尋ねてきた
伝言…………?
『……額あては額に着けるものですよ』
「………は?」
『めんどくせぇーって言っちゃだめです
それと……』
「ちょ、ちょっと待て
お前本気か?恋人への伝言がそんな内容でいいのか?!
ほんっとにお前ら大丈夫か?!」
『………え』
ぽかんとした顔をする瑞乃に心底呆れる
「仮にも彼女だろ、彼氏だろ?
もう少し恋人らしい言伝はないのか?」
『……恋人らしい言伝…』
ふむ、と顎に手を当てて考え込む
しばらくその体勢で固まっていたが
『ない』
「…………マジか」
『うん』
平然と言ってのけた
がっくり、とうなだれる
この二人はどうなってんだ、おかしいと思ってるのは私だけか?
一般論とか知らないのかコイツらは
『………あ、ひとつあるかも』
「!
なんだ?」
その後、瑞乃が頬を染めながら恥ずかしそうに言った内容に、私は思わず口元をゆるめた
なんだ、ちゃんとやってんのか
「――…分かった、もし会ったら伝える」
『え、いや、別にそんな、絶対伝えなくても「絶対伝える」
……。』
かぁぁ、と顔を真っ赤にさせる瑞乃に胸が温かくなったような気がした
これは絶対伝えなければ
あのボケっとした男の顔が真っ赤に染まるのを想像したら笑いが押さえられなくなった
『………なに笑ってんの』
「いや、すまん
ちょっと考えたら、おか、しく、なっ、てっ…
っ、くくくっ!」
『………もうヤダ戻る
今の話はなしだからね!』
「待て待て、私も戻る
っくく」
『テマリさん………
少しは誤魔化す努力しようよ…』
「無理、だな」
『………。』
腹を抱えて笑い続けるテマリ
このやろう
「はー…、笑った
さ、帰るか」
『……もう嫌…』
「ふふーん♪」
楽しそうに隣を歩くテマリを見ていたら、なんかどうでもよくなった
その数日後
連合合同会議が開かれた
―――――
シズ「瑞乃さん!」
『!
シズネさん!ご無沙汰してます!』
合同会議当日
それぞれの部隊で集まった際にシズネさんに声を掛けられた
シズネさんがこの部隊の隊長だ
「ありがとう、副隊長になることを了承してくれて
あなたが補佐なら私も安心だわ」
『いえ、そんな
私も嬉しいです、精一杯頑張ります!』
固く握手を交わした
「シズネ隊長!
そろそろお願いします」
シズ「分かりました!
さっ、瑞乃さん、出番よ」
『……はい!』
ぎゅっ、と拳を握り締め、足を進めた
シズ「隊長のシズネです!
ちなみにこの子は食糧じゃありません!」
『…。(なぜトントンを連れて来たのかな?)』
シズネさんが他の医療忍者に自己紹介をする中、私は隣で控えていた
シズ「それと、副隊長の瑞乃さんです
彼女から色々と話もありますので」
にこりと微笑みを向けられ、緊張で高鳴る胸を落ち着かせながら前に出た
ぱさ
「「「!!」」」
かぶっていたフードを外し、空色の髪の毛と素顔を露にした
その瞬間に流れる騒めいた空気
「アレが副隊長…?」
「まだ子供じゃないか」
「何を考えているんだ」
『……。』
ぎくり、と体が揺れる
人々の囁く声ははっきり耳に届いた
シズ「大丈夫」
『!』
「私はあなたを選んだ
だから怖じ気づくことない」
そう言って優しく笑うシズネさん
視界に入る砂隠れの仲間は不安そうに自分を見つめていた
―――…大丈夫
手に力を入れて
すぅ、と大きく息を吸った
『……虹色瑞乃と言います
砂隠れの医療班で班長をしています
…色々話す前に、一言だけ言わせてください』
沈黙と視線が痛い
ひしひしと感じる微妙な空気、ざわめき、戸惑い
それもそうか、上に立つ人間がこんなガキなんて、普通は困る
『私のことをガキだ子供だとバカにするなら、それでいい
ただ、命令には従っていただきます
仲間を生かすのが我々医療忍者の仕事です
戦争中、戦いに参加することは一切許しません
……仲間に生きててほしいなら
私を信じてくださいっ!!』
シズ「!」
「「!!」」
あたりに響いた凛とした声
その声は、彼女の全てを表していた
彼女の言葉を聞いて、先ほどまで騒めいていた忍達は口をつぐんだ
―――パチ、パチパチ
『…!!
え………』
シズ「良かったわね」
あたりから小さな拍手が聞こえ、それはやがて大きな喝采となった
「瑞乃様ー!」
「いいぞ小娘ー!」
「瑞乃さーん!」
わぁぁあ
と鳴り止まない拍手を目の当たりにし、ただただ驚いて立ち尽くしていた
――――
テマ「我愛羅は第四部隊の隊長だが連隊長でもある
実質お前が隊長だ」
自分たちの部隊に集まると、久しぶりに見た猫背が見えた
そいつを追いかけ必要事項を告げると
シカ「めんどくせぇとこに配属されちまったなぁ…」
テマ「………。
(瑞乃の言った通りだな……)」
彼女の言った通りの反応をする目の前の男に呆れ、まじまじと顔を見つめていた
シカ「…………んだよ?」
その視線に気付いたのか、シカマルが訝しげに私を見た
テマ「額あては額に着けるものですよ」
シカ「はぁ?」
テマ「…瑞乃からの伝言だ
それ、額あての意味を成してないよな」
すっと腕に縫い付けてある額あてを指差すと、気まずそうに頭を掻いた
シカ「……別に、額にしなくたっていーだろ
いちいち気にしてねーよめんどくせぇ」
テマ「それともう1つ
めんどくせぇって言っちゃだめですよ
だと」
チョ「すごいね瑞乃、シカマルのことよく分かってる」
クスクスと笑いながらスナック菓子を頬張るチョウジを恨めしそうに睨み付け、ふいとそっぽを向いた
その頬は少し紅潮している
テマ「……なんでアイツはお前を選んだんだ…?
さっぱり分からん」
シカ「知るかよ
本人に聞け、めんどくせぇ」
チョ「照れてる」
シカ「うっせー!」
腕を組み、あらぬ方向を向いて顔を赤くしているこの男の反応に
瑞乃がなぜこんな奴を選んだのかさらに分からなくなった
テマ「あぁ、そうだ
一番大事な伝言を忘れてた」
「「?」」
ふふん、と楽しげに笑うテマリに、俺たち二人は首を傾げた
テマ「砂隠れにある私の特等席に案内させてください、両親にも会ってくれると嬉しいです
……だったかな」
シカ「!」
テマリの言葉に顔がどんどん暑くなった
自然と頭に浮かぶ瑞乃の姿、彼女はどの部隊だろうか
やはり医療部隊か?
テマ「………。」
目の前で頬を赤く染め、恥ずかしそうに頭を掻いている男
その表情は瑞乃をからかった時となんら変わりはなく
テマ「………本気で好きなんだな」
改めて実感させられた
シカ「…悪いかよ、本気で」
チョ「シカマル、それ瑞乃に直接言ってあげなよ
きっと喜ぶよ?」
シカ「なっ……、バカ!
言えるかこんな恥ずかしいことっ!!」
テマ「………。」
ギャーギャー騒ぐ奴らをよそに、驚いて言葉を失っていた
ここまで瑞乃を思っているのか
瑞乃、いい男を選んだのかもしれないな
テマ「瑞乃、きっと喜ぶぞ」
シカ「は!?
ちょっ、絶対アイツに言うなよ!?」
テマ「のろけるお前が悪い」
チョ「いいじゃない、仲良しなのはいいことだよ」
シカ「ざっけんなよ!」
顔を真っ赤にして怒鳴るシカマルの言葉は、ニヤニヤしてるテマリとチョウジに受け流された
「第四次忍界大戦の開戦だ」
.