医療班を率いるもの
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『虹色瑞乃、ただいま木の葉より帰還いたしました』
数ヶ月ぶりに入った風影室
部屋の奥に座っている我愛羅は相変わらず無表情だが、久しぶりの再会のおかげか、少し柔らかい
我「長期任務、ご苦労だった
が、申し訳ないが報告を頼む。今の木の葉の現状を把握しているのはお前だけだからだ」
『分かり「それはさすがにキツいじゃん?」
カンクロウ!!』
いつの間にか、相変わらずのクマドリを顔に施したカンクロウが後ろにいた
カン「久しぶりじゃん瑞乃
………なんか、前より女っぽくなったじゃん?」
『……は?「おいカンクロウ、その発言なんか怪しいぞ」
――あれ、テマリまで
任務だったんじゃないの?』
ふぅ、と一息つきながら部屋に入ってきたのはテマリ
だが、つい先ほど、彼女は任務に出ていてまだ帰らないと我愛羅から聞いた
テマ「少し早く終わってな、里に戻ってきたらマツリが教えてくれたんだ
だから走って来た
――おかえり瑞乃」
『うん、ただいま』
我「……瑞乃、報告を」
『はっ』
――――
我「――…そこまで被害が…」
『火影様の容態はいまだ不安定で、いつ目覚めるか分かりません
火影様がお目覚めになる前にある程度復興させたいというのが木の葉の意見です』
カン「それなら早く物資や忍を派遣するべきじゃん?」
テマ「そうだな、同盟国として放っておくわけにもいかないし」
我「…よし、バキを呼べ。編成はアイツに一任しよう」
てきぱきと書類に目を通し、片付けていく
そんな我愛羅を見ながら口を開いた
『我愛羅、』
我「どうした?」
『…えーと、個人的な報告と言いますか……
うん、とりあえず一つ報告』
「「「?」」」
不思議そうに首を傾げる三人
なるべく明るく笑って口を開いた
『私、一度死にました』
「「「………。」」」
ぽかん、と目をぱちくりさせて止まる三人に、あははと軽く笑いかけた
その数秒後にテマリとカンクロウの叫び声が響き渡った
テマ「な、おまっ、はぁ?!
何を言ってるんだ?!」
カン「意味分かんねーじゃん?!」
我「……………。
……細かく説明しろ」
『…あっはっはー
まぁ色々ありまして』
テマ・カン「「説明しろ!!!」」
『……はい』
そっからはみっちり三人に尋問されました
――――
テマ「…お前、なかなかハードな生活送ったんだな」
『ハードになっちゃっただけだよ
私の予定ではこんなにハードになるはずなかった……』
カン「…本当にお疲れ」
ぽん、と両肩に手を乗せて労いの言葉をくれるテマリとカンクロウに笑いかけ、もう一度我愛羅を見た
我「……瑞乃、任務に行く前の約束は覚えているな?」
『……もちろんです』
私が小さく頷くと、我愛羅は顔の前で手を組んだ
我「瑞乃、このような形で任務が終わってしまったのは予想外だったが
現時点をもって、お前は
医療班の班長だ」
『はい』
現時点をもって、今の医療班長は引退
これからは私が
班長だ
―――――
『――…いいの?テマリ
任務で疲れたんじゃないの?』
テマ「久しぶりに瑞乃が帰ってきたんだ
女同士水入らずと行こうじゃないか」
『……ふふ、ありがとう』
テマ「気にするな
まずはチヨ様のお墓だろ?」
『うん、付き合わせてごめんね』
気にするな、とテマリはにこりと笑ってくれた
それにお礼の意味を込めて笑いかけ、里にある数少ない花屋を訪ね、花を購入した
――――
チヨばあ様の墓前に花を添え、手を合わせる
ここを訪れたのは暁との一件以来だ
『………。
ただいま、チヨばあ様』
『また頑張りますね』
暁の木の葉襲撃の際に死んだ、そして死後の世界と思しき場所でチヨばあ様と再び会えた
あの方の言葉もきちんと頂いた
『嫌がらないできちんとやりますよ、ちゃんと』
テマ「瑞乃ー!この後何か甘いものでも食べるかー?」
気を利かせてくれたテマリはかなり離れた場所にいる
そこから声を掛けてくれた
『食べるー!
すぐ行くから待っててー!』
腰を上げ、テマリのもとへ走った
テマ「――…で、どうなったんだ?」
『何が?』
砂隠れの里にある馴染みの甘味処に二人で入り、久しぶりの味に頬をゆるませていた
テマ「何がじゃない、何のためにわざわざこうして甘味処に来たと思ってる
アイツだよ!奈良シカマル!!
アイツとはどうなった?!」
『……どうなった、って…
テマリも知ってたの?』
テマ「アイツがお前に惚れてることくらい知っている
分かりやすかったしな」
『(それに気付かなかった私って一体……)
……付き合ってるよ』
テマ「え」
甘味を堪能しつつさらりと答えると、テマリはぴたりと固まった
『……っはは、聞いといてそのリアクションは何?
面白い』
テマ「いや、お前がさらっと言うと思わなくて…
いやそれより!!
アイツが告白したのか?!
お前に?!」
『うん、されたししたし』
テマ「アイツも一応男だったのか…」
『コラ、失礼でしょー』
ふふふ、と可愛らしく笑う瑞乃をじっと見つめる
カンクロウが言った通り、女っぽくなった……いや、綺麗になったと思う
その理由がアイツなのは解せぬが、とにかく幸せそうだ
テマ「………あんな泣き虫のどこがいいんだ?」
『泣き虫?
泣き虫なのかは知らないけど、いっぱいあるよ、素敵なところ』
テマ「ふ~ん……」
ま、瑞乃が幸せならいいか
『これからまたよろしくお願いします』
翌日、砂隠れの里の病院を訪れ、そこで働いている看護士や医療忍者に挨拶をした
といっても全員知り合いだが
「「「瑞乃様が帰ったぞー!!」」」
『様付けは嫌です
年齢的には私が一番ガキです』
私の言葉に皆さんは明るく笑ってくださった
―――――
『――…なので、この症状にはこの薬草を組み合わせて……』
「なるほど」
「さらに知識が増えましたね!」
『ありがとうございます
さ、次に行きましょう』
「「はい!」」
砂隠れに帰ってから、毎日多忙な日々を過ごしていた
今の木の葉の現状は我愛羅から聞いている。順調に復興が進んでいるようだ
だが、火影様はまだ目覚めていないらしい
カン「瑞乃」
『!
カンクロウ、どうしたの?』
他の医療忍者に自分が得た知識を授けていると、病院にカンクロウが現れた
その顔はどこか強張っていて、何かあったんだな、と長年の付き合いから分かった
カン「風影様がお呼びだ」
『!』
普段「我愛羅」と呼んでいるカンクロウが「風影様」と言った
何か大きなことが起きてる、そう思わずにはいられなかった
『……すぐに伺います』
カンクロウの表情から感じ取った私は口調を改めた
それに気付いた彼は小さく頷いた
――――
『……五影会談…』
我「あぁ、雷影からの手紙で急きょ開催されることになった
…うちはサスケが『暁』に入り、そして今回、雷影の弟で人柱力のキラービー殿を誘拐したらしい」
『………落ちたね、うちはサスケも
このままだといずれ国際手配だ』
我「……そうだな」
視線を逸らした我愛羅、その目は少し悲しげに見えた
ナルト君の心配でもしているのだろうか
テマ「それでだ瑞乃、今回の会談で風影の護衛は二人まで
それは私とカンクロウが行く
お前は里に残り、バキと共に留守を頼む」
『分かりました
出発はいつでしょうか?』
カン「明日だな、鉄の国で開かれるらしいから早めに向かう」
『鉄の国…、侍がいる中立国ですか
てことは、こことは気候が反対ですね』
我「そういうことだ、頼んだぞ」
『はい』
来た
と思った
世界が動き出したんだ
.