アカデミー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
病院に戻ると、三代目が待っていた
シカマル達と会ったことを話すと、三代目は申し訳なさそうに笑った
「すまんの、三年ぶりの再会だと言うのに
準備が整ったら、ちゃんと話してあげると良い
全てを、だ」
『………いつになったら、ですか
シカマルとチョウジに会えるのは』
「もうすぐだ
トキ、明日からお前にはアカデミーに通ってもらう
クラスはイルカのクラスじゃ」
ガラ、と病室に入ってきたのは、中忍ベストを着た優しそうな顔の男の人
鼻の頭に一筋の傷跡があった
「空目トキだね、俺は海野イルカ
アカデミーで教師をやってる
事情は三代目様から聞いてるし、俺のクラスには君と似たような境遇の子どももいる
それに、シカマルとチョウジは俺のクラスだ」
『!
なら、明日…』
「そう、明日になれば二人に会える
たくさん話すと良い、それに他の子どもともね」
『………はい!』
ありがとうございます、と深く頭を下げる
それを見た大人たちは、優しく笑った
***
コテツとイズモに連れられてやって来たのは、小さなアパートだった
見た感じは一人暮らし者専用のアパートだ
イ「ほい、ここがお前の新しい家」
コ「必要な生活用品は一式揃えたし、まぁ暮らせるだろ
家事とか出来るか?」
『…お母さんの手伝いをしてたから、出来ます』
イ「お、偉いな」
コ「ま、何かあったら俺たちを呼べよ
助けてやっから」
コテツに頭を撫でられる
照れたように笑い、コテツを見上げた時、彼女を撫でるコテツの姿が誰かと重なって見えた
『(……あれ)』
ふと、一瞬だけ違う人間の顔が見えた
けれどすぐにその影は消えた
その後アパートから二人がいなくなり、トキは自分の部屋に入ってみようとドアノブに手をかける
だがその時、誰かが階段を上ってくる音がした
コテツかイズモが戻ってきたのかと思い、階段の方を見ると、そこには同年代の男の子がいた
「………。」
『………え、と、どうも
今日からここに住む者です』
黒髪に黒い瞳の端正な顔立ちの少年は、ちらりとトキを一瞥する
どこか陰りを感じるその少年の瞳に、トキはどこか親近感を抱いた
そしてまた、ザ、と視界がかすむ
彼の顔に、違う人間の顔が重なる
彼とよく似た、男の顔が
『……どこかで、会った事ある?』
「……いや、ない」
『…そっか』
「人と話すのに顔を見せないとは、ずいぶん失礼な奴だな」
『あぁ……』
確かに自分はフードをかぶったまま話していた、とその時に気付いてフードを外した
露わになった青い髪に、青い瞳に、目の前の少年は目を見開いた
「青……」
『空目の一族だからね』
「! 空目……?」
『そう、空目トキ
よろしく』
「………うちはサスケだ」
『!
……うちは…、そう、君がうちはの生き残りか』
うちは一族が滅んだことは知っている
だが、どこで知ったのかは覚えていない。思い出せないと言った方が正しいか
確か主犯は、うちはイタチ
S級犯罪者として名を馳せた男のはずだ
『同じだね、私と』
「!」
***
『君がうちはの生き残りか』
目の前の見知らぬ少女が自分を見てそう告げた
木の葉では珍しい青い髪と、ナルトと似ている青い瞳
そして、空目という名
うちはや日向と並ぶ木の葉の旧家だと言うのは知っているが、その一族は三年前に何者かの襲撃にあって全員が死んだはずだ
『同じだね、私と』
「!」
トキと名乗ったその女は、ふわりと微笑んだ
だがその笑顔には影があって、他の女とは違うものを感じた
それ以上に、自分と近いものを感じたのだ
一族の生き残り
他の人とは異なった、陰りのある雰囲気
青空を連想させる青い髪と、青い瞳
目の前の少女に、強く惹かれる自分がいた
***
翌日
ざわざわと騒がしい教室にイルカが入ると、生徒たちは急いで自分の席へと戻っていった
「えー今日は、このクラスに新しい生徒が来る!
みんな仲良くするように!」
その言葉に生徒たちが再び騒ぎ出す
この微妙な時期に突然クラスメートが増えることに疑問を抱く者もいるようだ
ナ「イルカ先生ー!その子どんな子?女の子?それとも男?!」
イ「女の子だ」
おおー、と騒めく教室
その廊下で待つトキは、少し緊張していた
三代目にもらったパーカーの裾を握りしめ、イルカに呼ばれるのを待つ
イルカが生徒たちを静かにさせると、「入っていいぞ」と声がかかった
イ「さぁ、みんなに自己紹介をして
フードも、もう外していいぞ」
イルカの隣に並ぶと、イルカが優しくそう告げた
刺さるような視線に少し戸惑いつつも、ゆっくりとフードをはずす
露わになった青い髪に、生徒たちがざわついた
『空目トキです
よろしく』
ニコ、と柔らかく微笑む
大きな拍手が教室に響いた
「先生!」
『!』
大きな拍手の中、それを遮るように、ピンク色の髪の女の子がイルカに向かって手を挙げた
どうした、と笑顔で尋ねるイルカに、その女の子は立ち上がった
「今その子、空目って言いましたよね?
おかしくないですか?空目一族は三年前に滅んだはずです!」
「あ……、それはだな」
「その子が空目一族とは無関係で、たまたま名字が同じだけなら納得できますけど!」
キッ、と女の子が空目を見る
その視線に、彼女は眉を寄せた
『……私は空目一族の人間だよ』
「ならおかしいわ!空目一族はみんな死んだって話だもの
生き残りはいないって「トキは死んでなんかない!!」
っ、チョウジ?」
ピンクの髪の女の子の言葉を遮り大声を上げたのは、普段は温厚なチョウジだ
彼が大声を上げた事に驚く生徒たち、だがチョウジは気にせず、言葉を続けた
「確かに空目一族は滅んだけど、トキは…!トキはずっと生きてた!
それの何が『チョウジ!』
!」
チョウジの言葉を、今度はトキが遮る
困ったように笑いかけると、彼は大人しく座り直した
『……もう、良いよ』
「………。」
静かな声に、教室は水を打ったように静まり返る
だがすぐに、またざわめき出した
***
「(……青い、花束)」
チョウジがトキと親しげに呼ぶその相手を見て、いのは青い花束を連想した
そして隣に座る男の子を睨みつける
「…!
珍しいわね、アンタが起きてるなんて」
「………っせぇ」
「アンタ達が昨日買った青い花束、あの子のためでしょ
やっと分かったわ」
「………アイツだけじゃない」
「え?」
「………。」
いのが横顔をじっと見つめても、シカマルはそれ以上は語らなかった
騒がしかったり、静かになったり、色々あったものの、トキの自己紹介は終わった
***
「トキ」
『………話しかけてくると思ったよ
三年ぶりだね、シカマル』
にこ、と笑うその笑顔は三年前と変わらない
それが逆に胸に刺さった
「……俺が何を言いたいか、分かるよな」
『………分かってるよ、伊達に七年もつるんでなかったんだから
今日、シカクさんもいる?』
「おう、夜には帰ってくる
だから『分かってる』
………。」
『ちゃんと、全部話すから』
悲しそうに笑うトキに、シカマルはそれ以上強く言えなかった
ざわざわと騒がしいアカデミーの廊下では、周りの子ども達はトキを興味深そうに見ている
その視線が少し煩わしかった
『あ、シカマル』
「あ?」
『さっき山中さんが教えてくれたんだけどね
青い花束、お供えしてくれてたんでしょ?
ありがとう、みんな喜んでるよ、きっと
青はみんな大好きだったから』
「………。」
『それと、チョウジにもさっき言ったけど
私が生きてるって信じててくれてありがとう
待っててくれてありがとう
二人がすぐに私に気付いてくれて、本当に嬉しかった』
「分かんねぇ訳ねぇだろ、七年も一緒にいたんだ
お前、三年前と全然変わってねーし」
すぐに分かったよ、と笑うシカマル
その笑顔に、思わず目元が熱くなった
「おい」
「……サスケ?」
『あれ、君昨日の…』
シカマルと話していると、サスケが現れた
途端、周りに女子の声が多くなる
それに顔をしかめるシカマルに、トキは苦笑いを浮かべた
「お前、同い年だったんだな」
『そうみたいだね、よろしく、うちはくん』
「……サスケで良い」
『そう、なら私もトキで良いよ』
にこ、と笑いかけると、サスケは眉を寄せる
何故そんな顔をするのかと首を傾げた時、始業の鐘が鳴った
その音にサスケはさっさと教室に戻る
シカマルはその背中を見て、首を傾げた
「……サスケと知り合いなのか?」
『同じアパートに住んでるの、それで昨日会った』
「は、一人暮らし?」
『あー……、そこら辺も後で説明する』
今は戻ろ、とシカマルの腕を引っ張り、教室に戻った
席に着くと、女の子が数人集まってきた
「空目さん、さっきはごめんなさい
気を悪くしたわよね」
『気にしてないよ』
「私は春野サクラ、サクラで良いわ!
で、こっちはヒナタ」
「ひ、日向ヒナタ、です」
『日向一族でしょ、知ってるよ
名門だものね』
「で、私は山中いの、さっきも言ったけどね
いのって呼んで!」
『うん、よろしく
サクラ、いの、ヒナタ』
何人もの人が声をかけてくれる、それに答えていき、放課後には全員と話し合えていた
これから、またシカマルとチョウジと一緒にいられる
それが一番嬉しかった
第7話
アカデミー
原作に入るまでもうちょっとかかりますね!ごめんなさい!笑
.