遭遇
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大きなチャクラが肌ではっきりと感じられる
そして現れた巨大な化物と、巨大なカエル
何かが起きてるんだ、それはすぐに分かった
木々を飛び越え、見えてきたのはピンク色
それがサクラの髪だと気付くも、すぐに目に入った景色に息を飲んだ
『サクラ!!』
木の幹にサクラが拘束されていた。彼女は意識を失っているらしく、声に反応しない
すぐにその場に行き、サクラを拘束している砂の塊を剥がそうとする
だがその砂は、ありえないほどの強い力だった
『っくそ…、何これ…!!
サクラ!サクラ起きて!』
「トキ!!」
『!!』
は、と名前を呼ばれ振り向く
そこには苦しむサスケの姿が
その身体には呪印がはっきりと浮かんでいた
『何で…!
サスケ、待ってて、すぐに呪印を抑える!』
ばば、と印を組み、時遁の術でサスケの呪印を巻き戻す
身体に広がったアザが元の位置に戻っていくのを確認し、安静にしているよう告げた
そしてサクラに向かって印を組む
『………! 時遁でも、動かない』
「どうした?」
『あの砂の塊、相当強いチャクラだ…
時遁で時間を巻き戻しても、ビクともしない』
ぐぐ、と力を込めるが、サクラを拘束する砂は動かない
拘束してる砂の塊の時間を巻き戻して、術をかけられる直前まで戻そうとしても、ビクともしない
『あの砂の化物を何とかしないと、サクラは助けられない…!』
「くそっ…、ナルト…!」
サスケが上を見上げる
遠くでは大きなカエルと砂の化物が戦っていた
ざわ
大きなチャクラが肌で分かる
『(………このチャクラ…、このチャクラを知ってる
これは……)』
サスケの身体を気にかけながらも、その戦いを見守る
人ではない何かのチャクラを感じたトキは、その力に身体を震わせた
『……人柱力の、チャクラ…』
私はこの力を知っている
ナルトは、人だけど人じゃない
それは我愛羅も同じ
『あの二人は、人柱力なんだ…!』
確信を込めてつぶやいた瞬間、大きな煙と一緒に化物もカエルも姿を消した
***
砂と音の結託による木の葉崩しは集結し、多くの犠牲者を伴った
その中で、三代目火影もこの世を去った
「トキ、アスマが呼んでる」
『ん?』
里の復興のため、様々な忍が走り回っている
里の上忍らは里外に出ずっぱりのようだ
復興作業の合間にシカマルに呼ばれ、アスマ先生のもとに向かう
そこで思わぬ宣告を受けた
『私も中忍に昇格?』
「おう!
いやー、俺も担当上忍として鼻が高いよ」
『え、いや、何で
シカマルならともかく、私は本戦で試合をしてないのに』
戸惑う私に先生はにっこりと笑いかける
そして嬉しそうに理由を説明してくれた
「トキの実力は下忍の中でも頭一つ出てる
そして時遁の血継限界と、医療忍術
下忍でこれだけの技術を持ってるのは凄い事なんだぞ」
「俺が中忍になるっつったらいの達驚いてたけどよ、お前も中忍になるって言ったら納得してたぞ」
『……嘘だ』
「嘘じゃない
と言うわけで、これで晴れてお前たちは中忍だ
頑張れよ」
私とシカマルの頭をなで、アスマ先生が笑った
***
渡された中忍ベストを見つめ、ぼんやりと寝転ぶ
まだ実感が湧かなかった
「!
ここにいたのかよ」
『シカマル』
タンタンと階段を上がってくる音
ひょこ、と顔を出したのはシカマルだった
『……そう言えばここ、シカマルの特等席だったね』
「おう、昔からな」
『隣座る?』
「おう」
すとん、とシカマルが腰かける
けど私は寝転んだまま、ぼんやりと空を眺めていた
「何考えてんだよ」
『……中忍に昇格、って言われても実感がないなぁって…
下忍で良いのに』
「実感ねぇ……、そら俺もねぇよ
けどま、そのうち湧いてくるだろ」
ふ、とゆるくシカマルが笑う。それに同じように笑いかけ、身体を起こした
『じゃ、そろそろ行くかな』
「あ?どこに
第十班の作業は今日はねーぞ」
『十班じゃないんだ、今日はカカシ先生に呼ばれてるの
じゃあまたね』
「おー」
ベンチから立ち上がり、シカマルに挨拶をしてからその場を立ち去る
カカシ先生とは甘味どころの前で待ち合わせをしているのだが、その前に思わぬ人物と遭遇した
『あれ、サスケ』
「!
トキか」
『偶然、今日はサクラ達は?』
「いない、今日は七班は休みだ」
『あ、そうなんだ
ところで、カカシ先生見てない?呼ばれたから来たんだけど、姿が見えなくて』
「……カカシの居場所なら知ってる、俺も呼ばれてたからな
今から行くつもりだが、一緒に行くか?」
『うん、お邪魔じゃなければ』
「構わない、行くぞ」
そう言うと、サスケはさっさと歩き始める
その横に並び、言葉を交わしながらカカシ先生のもとに向かった
***
入るぞ、とサスケが中に声をかけ、部屋に入る
カカシ先生がいるというその部屋の中には、アスマ先生、紅先生、そしてガイ先生がいた
「なんでこんなに上忍がいるんだ」
『カカシ先生、アスマ先生も…
何かあったんですか?』
部屋に足を踏み入れ、ベットに横になっているカカシ先生を見つめてそう尋ねる
言葉を濁す先生と、気まずそうな顔をする他の上忍たちの様子に違和感を覚えた
その時
「うちはイタチが戻ってきたというのは本当か??!
しかもうずまきナルトと空目トキを狙ってるって……!!」
「!!」
『え…?』
部屋に飛び込んできた上忍が慌てた様子でそう告げる、だが次の瞬間、部屋の中にいた私とサスケに気付き、顔を真っ青にさせた
アスマ先生が小さく舌打ちをするのが聞こえた
ばっ、とサスケが勢いよく走り出し、上忍の横を通り過ぎて部屋を飛び出す
『!!
待って、サスケ!!』
とっさにサスケの後を追うように、自分も走って部屋を飛び出した
「どうしてこうなるの!」
焦った様子でガイが声を荒げ、二人の後を追うように部屋を飛び出した
***
イタチが、ナルトとトキを狙ってる?
なんでだ、なんでナルトなんだ
それにトキだって、アイツを狙う理由はなんだ
どうして
『サスケ!』
「!!」
近くの歓楽街に辿り着き、宿をしらみつぶしに探し始めると、聞き慣れた声がした
慌てて振り向くと、そこには見慣れた空色の髪
「バカ、何で着いてきた!狙われてるのはお前なんだぞ!」
『それを言うならナルトだってそうじゃない!
いきなり走り出して…、何考えてるの?!うちはイタチに会うつもり?!』
「当たり前だ!アイツが近くにいるんだぞ…!!」
目つきを鋭くさせ、サスケが憎悪に満ちた暗い目を見せる
そんな姿を見たくなくて、ばし、と頭を殴った
「何しやがる!」
『言ったでしょ、サスケに復讐なんかさせないって』
「!」
真っ直ぐにサスケを見つめる空色の瞳に、サスケははっと息をのんだ
だがすぐに目つきを鋭くさせる
「……なら俺だって言ったはずだ、いくらお前に言われても、復讐はやめないと」
『………。』
「どけ、俺はイタチを探す」
『だったら、私も探す』
「は?」
『二人の方が早いでしょ』
くる、とサスケに背を向け、周りを見る
背中越しにサスケを見て、人差し指を立てた
『イタチがナルトを狙ってるのなら、ナルトが危険な目にあうかもしれない
私はそれを防ぎに行く
出来なかったとしても、助けに入る』
「……俺は左の通り、お前は右の通りの宿を当たれ」
『分かった』
「見つけても、奴とまともにやりあおうとするな
写輪眼には気を付けろ」
『うん、分かってる』
こくんと頷き、二手に分かれた
右の通りにある宿屋に順番に入り、ナルトと、ナルトと一緒にいる伝説の三忍である自来也を探していく
早くしなければと焦る気持ちがつのる中、ある宿屋でナルト達の話を聞き出していると、宿の二階から大きな音がした
普通ならば出ない、大きな音
聞きなれたその音に、どくんと鼓動が大きく響く
宿屋の店主が慌てる中、私は階段を駆け上り、二階の廊下に出た
『………!!
ナルト!!』
見慣れた金髪に向かって大声を上げると、驚いたように彼が振り向く
そして私の姿を捉えると、大きな目をさらに大きくさせた
「トキ?!
おまっ、何でここにいるんだってばよ?!」
ナルトが大声で返事をするが、その時ナルトの後ろに影が現れ、大きな刀を振りかざす
咄嗟に手裏剣を放つと、何者かが手裏剣を弾いた
「………久しぶりだな、トキ」
『え………』
ナルトが私のもとに駆け寄り、刀を振りかざしたその相手と、手裏剣を弾いた相手を見る
相手は二人組みで、黒地に赤い雲が施された衣を見に纏っていた
そして二人組みの片方の瞳には見覚えがある
燃え上がる炎のような、真っ赤な瞳
それは彼と同じものだ
『うちは……イタチ……』
うちは一族を滅ぼした、サスケの復讐相手
うちはイタチがそこにいた
第15話
遭遇
.