犬塚さん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
テマリが砂に帰り、一人暮らしが始まってから少し経った
―――――――
シズ「獣医?」
今日は、サクラといのちゃんとシズネさんの四人で修行していた
サクラといのちゃんはシズネさんに色々教わり、私は自分で本を読んで勉強
時々二人にアドバイスもしている
修行が一段落した時に、思い切ってシズネさんに聞いてみた
木の葉の優秀な獣医さんに会って勉強したい
と
少し考え込むシズネさんと、同じように考えるサクラ達
すると、いのちゃんが手を叩いて私に笑顔を向けた
イノ「ねぇ!キバのお姉さんはどう?」
サク「あぁ!ハナさんね!」
シズ「そうね、確かに彼女は優秀だわ
いいわよ瑞乃さん、綱手様に話して頼んでみましょう」
『はい!ありがとうございます!』
……キバ?
なんか聞いたことあるような…
ふと疑問に思ったが、新しい事を学べる期待でどうでもよくなった
――――――
『………うーんと、どこだろ?』
虹色瑞乃、ただいま絶賛迷子です
綱手様から話をしてもらい、犬塚ハナという獣医さんを紹介してもらう事になりました
で、今その犬塚さんの家に向かっているのですが
………分からない
どこで道を間違えたのかな…、時間も無いし、ヤバイ…
初対面でいきなり遅刻はダメだ、第一印象最悪になること間違いなし
『どうしよう……』
「お前、何してんだ?」
『!』
後ろから声を掛けられ振り向くと、頬に逆三角形のペイントをした同年代の男の子がいた
『………?』
初対面のハズだが、なんとなく初対面な気がしない
それは向こうも同じらしく、少し訝しげに私を見た後、はっと目を見開いた
「その髪の色!!
お前瑞乃か?!!」
『……え?』
やっぱどこかで会ったことがあるんだ
いつだろう、中忍試験の時かな?
でも、他里の人とは関わらないようにしてたし……
ぐるぐると頭をフル回転させて記憶を辿るが、なんせ二年も前に少し会っただけだから、そう簡単に答えが見つからない
「なんだ、覚えてねーのか?
俺は犬塚キバだよ!
腹の傷治してくれたよな?」
『…あ!
あの時の!!』
思い出した
木の葉から増援要請を受けた時、確か彼はカンクロウに助けられたんだ
自分で自分の腹を刺したんだよね…
任務終了後、彼が入院したときに、よく彼の病室を訪れて傷の具合を診た
いつも無邪気な笑顔で、明るく話し掛けてくれたのが印象的だ
『すみません思い出せなくて…
お久しぶりです!』
申し訳なさそうに話し掛けると、彼は昔と変わらない無邪気な笑顔を見せてくれた
キバ「別にいいって!
俺も最初、瑞乃が
美人になりすぎてて分かんなかったし!」
…………………はい?
『………美人?!!
ちょっ…、病院行きますか?!』
キバ「アホか
思ったこと率直に言っただけだろー?昔は可愛いと思ってたけど、なんか美人になったな!
あ、今も可愛いと思うぞ?」
『……………。』
凄くにこやかに笑いながら言うものだから、呆気に取られてしまった
『あ』
キバ「?」
びっくりし過ぎて、シズネさんからいただいた地図を握り潰してしまった
グシャグシャになった地図を、犬塚さんがひょいと取る
キバ「…………あれ?
これ、俺の家書いてあるぞ」
『! (そうか、犬塚だから…)
犬塚ハナさんって方と会うんですけど、迷っちゃって…』
と、なぜここら辺をうろついていたのか話せば、犬塚さんは少しだけ目を見開いた
キバ「………それ、ハナって俺の姉ちゃん」
『…………マジですか』
まさかの新事実も判明しました
びっくりしている私の腕を掴み、犬塚さんは歩き出した
『ちょ…、犬塚さん?』
キバ「お前迷ったんだろ?どうせ俺も今から帰るところだし、連れてってやるよ!
ほら行くぞ!」
ニコニコしながら歩く犬塚さんが面白くて、なんとなくそのまま後をついてった
途中、犬塚さんは色々話してくれたが
すぐに彼の家についてしまった
ハナ「いらっしゃい!あんたが瑞乃ね?話は聞いてるわ
………で、なんでキバもいんのよ」
キバ「そこで迷ってたから連れてきたんだよ」
『はい、ありがとうございました!』
ハナ「そう
キバ、こんな可愛い子に手ぇ出してないわよね?」
キバ「出すか!」
『……ふふっ』
この二人、面白いな
と笑っていたら、騒いでいた二人もつられて笑った
――――――――
ハナ「――…じゃ、今日はこんなとこね
また明日、教えてあげるから
でも、私に任務が入ったら教えられないから、ごめんね?」
『お気になさらず
今日はありがとうございました!また明日、お願いします』
ハナ「えぇ、よろしくね
――キバ!
あんた暇でしょう?送っていきな!」
ハナさんが家の奥に声を掛けると、犬塚さんが来た
『そんな…、いいですよ送ってもらわなくても
道なら分かりますし「女の子一人で夜道を歩かせるわけにはいかないわ!」……まだ夕方です』
キバ「いーぜ瑞乃、赤丸の散歩がてら送るから!」
ハナ「ね?」
『………じゃあ、お願いします…』
キバ「おぅ!」
――――――
キバ「――…なぁ、お前この後暇か?」
『はい』
「ならここ入ろうぜ!」
『………甘味処?
お好きなんですか?』
犬塚さんが指差した先には、「甘栗甘」の旗を掲げたお店があった
「俺は普通だな!
もう少し瑞乃と話したいからよ!」
『……。(ナルト君と似たタイプなんだな…、天然かも)
じゃあ入りましょうか?』
ニコリと微笑みかけると、犬塚さんは人の好い笑顔を見せて返事をしてくれた
「――…で、お前なんで木の葉にいんだ?砂の忍だろ?」
注文したあんみつを、通りに面した外の長椅子で頬張っていると、犬塚さんが尋ねてきた
『我愛羅からの任務です
砂の医療を発達させるため、私が砂を代表して木の葉に勉強しに来てるんです
中忍試験が始まる少し前に来ました』
「へー、大変だな。いつまでいるんだ?」
『…うーん……、分かりません。医療に関する事は片っ端から勉強してるので』
「あぁ、だから姉ちゃんのところに来たのか!」
そうですよ、という意味を含め微笑むと、犬塚さんは頬を緩ませた
キバ「ほ~ら赤丸!」
赤「ウォンッ!」
『………赤丸君も大きくなりましたね…』
キバ「そうか?いつも一緒だから分かんねぇけどな!
な~赤丸!」
赤丸君とじゃれる犬塚さん
その表情は生き生きとしていて、明るく輝いていて
本当に赤丸君が好きなんだなぁ、と分かる
『…………ふふっ』
キバ「?
なんだよ気色悪ぃな」
『いや…、…犬塚さんは本当に赤丸君が好きなんですね』
キバ「当たり前だろ!ずっと一緒だったんだから!
なっ、相棒!」
赤「ワン!」
『ふふっ、相棒ですか』
犬塚さんと赤丸君があまりにも微笑ましくて、笑っていたら
「キバ君っ…」
『?』
キバ「あ」
綺麗な長い黒髪の可愛らしい女の子と
サングラスをかけた、顔がまったく見えない男の子が犬塚さんに近寄った
キバ「なんだ、シノにヒナタか
どうしたんだ?」
ヒナ「あ…、その……」
シノ「キバが見知らぬ人間と親しげに話していたから、ヒナタが気になったそうだ」
ヒナ「シノ君も、気にしてたよ…?」
『……(見知らぬ人間て、私の事かな?)』
ヒナ「……あの、あなたは…」
ヒナタと呼ばれた女の子が、戸惑いがちに話し掛けてきた
『……はじめまして、虹色瑞乃と言います
砂の忍です』
ニコリと笑いながら答えれば、ヒナタさんは頬を染めながら
ヒナ「日向ヒナタです…っ。キバ君のチームメイトで…
あのっ、こちらは…」
シノ「同じくチームメイトの油女シノだ」
『よろしくお願いします』
――――――
ヒナ「医療の勉強で来たんだね…っ、すごい…」
シノ「瑞乃は腕が良い。なぜなら、中忍試験の時にチョウジの治療を完璧にしていたからだ…」
キバ「なんだよシノ、お前瑞乃だって気付いてたのか?」
シノ「当然だ。なぜなら瑞乃の髪の毛はひときわ目を引くからだ」
『……。』
………なんか面白い三人だな…
ヒナ「その…瑞乃ちゃん……!
良かったら、またお話しませんか…?」
『え……!
もちろん、私で良ければ喜んで』
ヒナタちゃんはとても可愛い
シノ君は冷静沈着
犬塚さんは相変わらず明るい
新しい友達が出来て、知らず知らずの内に頬がゆるんでいた
キバ「――…瑞乃!そろそろ行くか!」
『あ、だいぶ暗くなっちゃいましたね…』
ヒナ「…そうだね…
じゃあまたね、二人とも…」
シノ「また」
『今日はありがとうございました!』
別れ際にお礼を述べると、ヒナタちゃんは照れながら「こちらこそ」と言ってくれて、シノ君はかすかに笑ってくれた
キバ「なぁ瑞乃、お前明日も俺ん家来るのか?」
暗闇が広がりはじめた道を歩いている途中、犬塚さんが赤丸君を撫でながら聞いてきた
『はい、またお邪魔させてもらいますよ』
キバ「……ふ~ん…
なら、また帰り送ってやるよ!」
『それは……赤丸君の散歩がてら……、ですか?』
クスクスと笑いながら聞けば、犬塚さんは頬を掻きながら答えれてくれた
キバ「ちげぇよ!
お前と話したいから!」
『!
じゃあ、またお願いします!』
キバ「おぅ!!」
「――…瑞乃?」
『「!」』
暗がりの向こうから、よく知った声が聞こえた
『……シカマルさん?』
キバ「何してんだ?」
ゆっくりとした歩調で、キバと瑞乃が歩いてきた
なんで
二人が一緒にいるんだ
シカ「………何してんだ?」
自分でもかなり抑揚のない声だと思う
だが二人は気にならなかったようで
キバは相変わらずの笑顔を、瑞乃も相変わらずの優しい微笑みを浮かべていた
二人の雰囲気があまりに自然で、
無性にイライラして
胸が痛くなった
キバ「いや、何してんだって聞いてるのは俺だし…」
『さっきまで甘味処にいたんですよ』
シカ「……へぇ…」
キバ「へぇって……、聞いたのお前だろ
…まぁいいや
で、今は瑞乃を送ってる最中」
『はい、ありがとうございます』
キバ「まだ着いてねーのにおかしくね?」
『あ…、そうですね』
クスクスと小さく笑う瑞乃と、にっこりと彼女に笑い掛けるキバ
いつの間に意気投合していたのか
シカ「……めんどくせぇ…………」
『「?」』
小さい事でイライラする自分がめんどくせぇ
シカ「……キバ、そいつの家は知ってるから
あとは俺が送る」
キバ「………ふ~ん…
…じゃ、また明日な瑞乃」
『あ………はい
ありがとうございました』
シカ「……………!」
瑞乃に笑顔を向けた後、キバが俺を見た
何か言いたげな目だった
もしかして
キバは瑞乃の事が………?
『――――……シカマルさん?』
シカ「!!
あ……」
赤丸と共に去るキバの後ろ姿を見つめていたら、瑞乃が声を掛けてきた
『どうかしたんですか?
………すごく怖い顔してましたよ…』
シカ「……はは」
見られてたのか…
シカ「………なぁ、キバと仲良くなったのか?
二人で甘味処行ったんだろ?」
『最初は二人でしたけど、途中でヒナタちゃんとシノ君が来て
四人で話してました』
いい方達でしたよ、とふわりと笑う彼女を見たら
いちいち気にするのがどうでもよくなった
シカ「良かったな、知り合い増えて」
『はい!』
――――――
キバ「………やっべ」
俺瑞乃に惚れた
いや、正しく言うと
ずっと惚れてた
あのサスケ奪還任務の時
カンクロウと共に現れたアイツに目を奪われた
空色の綺麗な髪
澄んだ青い瞳
その瞳に見つめられた時
頭を殴られたかのような衝撃が走った
その後
俺の怪我を診察するために、瑞乃はたびたび病室を訪れた
ただ彼女の事が知りたかった
俺の下らない話に優しく笑う彼女に
さらに心が惹かれた
一目惚れ
だったんだ
キバ「…悪いなシカマル……
俺も、アイツが好きだ
へっ!
新たなライバルってとこか?
な、赤丸!」
赤「クゥン?」
.