新たな忍び
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
シカ「だーかーらー、俺はムリなんだよ。めんどくせぇけど中忍試験の係なんだからよ」
チョ「僕がいこうか?はいシカマルお弁当」
ナル「本当か?チョウジ!」
シカ「バカ、お前任務だろーが」
サスケの情報を掴んだとかで、ナルトが新しい班員を探している
だが、あいにく俺には係があるしチョウジも任務がある
ナルトに付き合ってやりたいが、勝手に動けないのも事実だ
「忍法、超獣偽画…」
チョ・シカ「「!!」」
どこからか獅子が襲い掛かってきた
チョウジがナルトを庇う間、影縫いで獅子を貫く
シカ「(…墨?)
…あそこか……」
三人で道の先を見れば、屋根の上に座りこちらを見ている男
額あては木の葉だ
ナル「誰だってばよアイツ…」
シカ「さぁな、あーゆー奴は捕まえて尋問部隊に引き渡す!
いけナルト!援護する!!」
おぅ!と勢いよく駆け出して行ったナルト
また墨の獅子が襲い掛かってきたが、影縫いで潰した
チョウジも隣で見つめている
―――キィィィィンッ!!――
ナルトのクナイと奴の短刀が火花を散らした
ナル「誰だテメー……」
「…君、力弱いな…」
奴がクスリと笑った
かち合うクナイと短刀の力は弱まらず、ピクピクと震えていた
チョ「ナルト、大丈夫かな?」
シカ「さぁな、さてどうするか…」
奴をどうするかと考えていたら、どこからか聞き慣れた声が聞こえてきた
『―…ナルト君退いて!!』
ナル「!!」
シカ「(瑞乃の声…!?)」
チョ「上?」
ナルトがバッと飛び退いたと同時に、フードをかぶったアイツが現れた
『水遁、水鮫弾の術!!』
「!」
ナル「うわっ!」
バシャバシャとナルト達がいた屋根に水が勢いよく当たる
奴の足元には、瑞乃が吹いた水が広がっていた
屋根から降りたナルトも、事の成り行きを見守っている
『雷遁、避雷針!!』
「!!
しまっ……!」
ナル「よっしゃぁ!水は雷を通すから…!」
『……(こんな攻撃じゃ…)』
チョ・シカ「「!」」
奴が雷流を逃れるために飛んだ
それを予想していたのだろう、瑞乃も上からクナイを振り下ろした
―――ガキィィィイン!――
クナイと短刀が火花を散らす
屋根に着地するや否や、瑞乃がすぐに蹴りを食らわした
それにすぐ反応し、奴と瑞乃がお互い体術で攻める
ナル「………すげぇ」
チョ「これが…特別上忍……」
シカ「……強いな、二人とも」
呆気に取られるほどの激闘
彼女と俺達のレベルの差を思い知らされた
近くで見ているナルトの声援を聞くと、今は瑞乃が優勢のようだ
このままアイツを捕まえれば、そう思った矢先
また両者の武器がかち合った
その時の風圧で瑞乃のフードがはらりと外れる
「―――……!!
その髪の毛……」
『………ナルト君達を襲った理由を聞いていいですか…』
目の前の同年代の男性が、私の髪の毛を見て目を見開いた
そんなリアクションは久しぶりだな…
ギリギリとクナイに力を入れるが、やはり男女の力の差は歴然
ピクリとも動かない
二人とも、睨み合ったまま動かない
『……なぜナルト君達を襲ったんです?』
「……その青い髪の毛…
君が噂のよそ者忍者ですか
木の葉崩しから手のひらを返した砂風情が、のこのことお気楽な事だ」
『!!』
ナル「っ、てめぇっ!!」
シカ「?!」
チョ「なになに?どうしたの?!」
睨み合ったまま奴が瑞乃に何かを言った
内容は聞こえなかったが、その瞬間ナルトが怒鳴り
明らかに瑞乃の動きが止まった
――ドガッ!!―
『きゃ……!!』
シカ「瑞乃っ!」
ナル「瑞乃ちゃん!!
――影分身の術!!」
隙を突いて奴が瑞乃を蹴り飛ばした
完全に反応が遅れた彼女はもろに攻撃を食らい、屋根から蹴落とされそうになる
ナルトの咄嗟の判断のおかげで、ナルトの影分身が彼女をキャッチした
ナル「やいコラぁ!!
てめぇ何瑞乃ちゃんに下らねー事言ってんだってばよ!!
――…?!」
『………逃げた…?』
屋根の上には、すでに男はいなかった
シカ「………何だったんだアイツ…」
イノ「あー!チョウジここにいたのねー!!」
なぞの男が去ってすぐ、今度はいのが現れた
何やらぎゃーぎゃー騒いでいるが、それよりもさっきから瑞乃の様子が変だ
手を強く握りしめ、唇を堅く結び
俺には、泣くのを耐えているように見えた
イノ「瑞乃ー?どうしたの?」
『!
別に…、なんでもありませんよ』
シカ「!」
いのに話し掛けられ、彼女が小さく笑った
俺が好きなその表情は、今はムリをしているようにしか見えない
イノ「なんでもないならいーけど…
それより、明日からしばらくは病院勤務だってさ!
ハナさんもシズネさんも忙しいみたい」
『はい、分かりました』
チョ「いの、アスマ先生が呼んでるのって本当?」
イノ「当たり前でしょー?かなり怒ってんよ!」
いの、チョウジ、瑞乃が話している隙に、俺はナルトに話し掛けた
シカ「………ナルト」
ナル「なんだってばよ?」
ぼん、と瑞乃を助けた分身を消しながら聞いてきた
シカ「さっきの男…、瑞乃に何か言ったよな?
なんて言ってた?」
ナル「……。」
この質問にナルトは手を握りしめ、ちらりと瑞乃を見てから口を開いた
ナル「瑞乃ちゃんの髪の毛と額あてを見て
「君が噂のよそ者忍者ですか」って…
後はあんまし聞こえなかったけど、砂隠れの文句言ってたってばよ……」
シカ「よそ者…か
…なるほど、どうりで動きが止まったワケだ」
だから彼女はあんな顔をしているんだ
綺麗に笑いきれていない彼女をちらりと見る
きっと「よそ者」は相当堪えたんだろう
先ほどの男に怒気が沸き上がる
それは目の前のナルトも同じようで、拳を握りしめ
「ぶん殴ってやる!」と意気込んでいる
しかし、その拳を崩し、両手をポンと合わせると
すぐさまナルトは瑞乃のもとへ向かった
なんだと思い後を追う
ナル「瑞乃ちゃん!
俺達と一緒に任務に参加してくれってばよ!!」
『………えっ?』
シカ「バカかお前は
瑞乃は砂から任務で木の葉に来てんだろーが。そんな勝手に動ける立場じゃねーだろ」
ナル「そっかぁー…」
『なんかよく分かりませんが…
すみません…』
チョ「瑞乃が謝ること無いよ」
イノ「そうよー、ナルトがバカなだけだから
とにかくチョウジ、アスマ先生のとこ行くわよ」
ナル「俺もすぐにメンバー探しに行くってばよ!」
チョ「またね、二人とも」
ナルト、チョウジ、いのが嵐のように去って行った
『……何だったんですかね。今の』
シカ「さぁな…
それより、お前大丈夫か?」
『私は大丈夫ですよ、ナルト君に助けてもらいましたし』
シカ「いや、そっちじゃなくて…」
『?』
きょとんと俺を見上げる瑞乃。多分今の言葉の意味を理解していないんだろう
さっきの奴に何か言われてたけど大丈夫か?
俺はそれが聞きてぇんだ
いの達と話してるお前の顔は、無理しているようにしか見えないから
シカ「……ま、いーや
ところで、お前なんでこんなとこに来たんだ?」
『あ、そうだ
シカマルさんを探しに来たんです』
シカ「俺?」
『はい
本を預けたままだったので…』
シカ「あぁ、アレか」
我愛羅がさらわれたと聞いた時に持っていた本
確かにまだ俺の部屋にある
シカ「俺の家にあっから来るか?
――…そうだな、特等席で待ってろよ
仕事終わったらすぐ行くから」
『はい、わざわざすみません』
ペコリと頭を下げる瑞乃を見て、少しイラついた
はぁ、とため息をもらし
目の前の彼女を見る
シカ「…あのな……。この前図書館で言ったよな?
「すみません」は禁止だって」
『……あ』
シカ「お前は謝りすぎ
こっちは謝ってほしくて言ってるワケじゃねーっつうの」
『…ごめんなさい』
シカ「ごめんなさいも類義語のようなモンだろが
……ったく…
――…まぁいーや、とにかく先行ってろ。すぐ終わるから」
『…はい』
失礼します、と少しバツが悪そうに笑いながら歩いていった
――――――
シカ「――…!」
中忍試験の係を済ませ、足早に特等席へ来た
そこにはもちろん瑞乃がいるワケで
ベンチにちょこんと座り、上を見上げていた
風に舞う空色の髪を鬱陶しそうに押さえ、そこに座る姿は
美しい
そう思った
自分がこんな形容詞を使うなんて、思いもしなかったが
『―…シカマルさん?
係はもう終わったんですか?』
シカ「!
あ、まぁ…な」
まさか見惚れていただなんて言えなくて、言葉がしどろもどろになった
ちらりと瑞乃を見たら
彼女は先ほどと変わらない、どこか無理をしている笑顔を浮かべた
シカ「……お前さ、さっきの奴に何か言われただろ?」
『―!!』
唐突な俺の言葉に
瑞乃の顔から笑顔が消えた
目は泳ぎ、また唇を固く引き結んでいる
シカ「……言われたんだな」
『…別に、大したことでは無かったです
気にしてませんから』
……その顔のどこが気にしてないんだよ
分かりやすいな
シカ「はぁ…」
『……。』
すっと手を伸ばし、瑞乃の頭に乗せる
瑞乃がその手に気付き、ぱっと顔を上げた
シカ「……あのさ。何でもかんでも一人で抱えることはねーだろ?
お前のまわりにはいのやサクラもいるし、
―――……俺だっている」
『――!』
頭をぽんぽんと叩きながら優しく笑うその顔があまりにかっこよくて、まっすぐ目を見ることが出来なかった
ドキドキと鼓動は早まり、シカマルさんの手が置かれている頭だけが熱くなっているように感じる
シカ「俺もチョウジもナルト達も、お前のことをよそ者だなんて思ってねぇ
そう思ってたらナルトはキレねぇよ」
『えっ!なっ、んで……!
なんで知ってるんですか?!』
シカ「ナルトに聞いた」
『あ…、そういう…こと……』
拍子抜けしたようにへにゃりと笑うと、ゆっくりと頭に乗せていた俺の手を掴んだ
どきりと胸が高鳴った時、彼女が一瞬だけ暗い顔を浮かべた
『ありがとうございます』
シカ「………別に?」
『……ふふ
本、取りに行きましょうか?』
シカ「あぁ」
くるりと踵を返し、すたすたと緩やかな坂を下っていく瑞乃
その後ろ姿がやけに小さく見えて、なにか違和感を覚えた
―――――――
歩くこと数分、俺の家に着いた
玄関を開けて中を覗くが、人気はない
両親は留守のようだ
それにいくらか安心し、後ろを向いた
シカ「――…とりあえず、上がれば?」
『え』
シカ「運良く親父達いねーし、そこで待たせるのも気が引けるし
茶ぐらい出すぜ?」
『……。』
シカ「…。おい、何か言え」
『え?!あ、あー…
じゃあ、お邪魔します……』
シカ「ん」
素っ気ない態度だけど、さりげなく戸口を開いて先に入るように促すシカマルさん
まさかお邪魔することになるとは思わなかったから、私の心臓はばくばくと激しく鳴っている
かなり緊張する
.